飛んで、キメて、滑って、転ぶ……以上だ!

“トニー・ホーク物理学”炸裂の『Tony Hawk's Pro Skater HD』に胸が熱くなった【E3 2012】_02

 目眩がするほど超大作が揃い踏みのE3 2012だが、ファミ通編集部イチのスケーターを自負する記者(大学時代にかじっただけ)がもっとも胸熱になったのは、マイクロソフトブースでXbox LIVE アーケードの『Tony Hawk's Pro Skater HD』を見つけたときだった。

 『トニー・ホークプロスケーター』シリーズは、スケボーゲームのパイオニア的な存在であり、同時に笑っちゃうほどのエクストリーム具合やマップのいたるところに仕掛けられたネタ満載のギミックは、後に登場する同系統のスポーツゲームに少なからず影響を与えた……と思う。まあ細かいことは正直よくわからないのだが、2002年に発売されたプレイステーション2版『トニー・ホーク プロスケーター3』が記者のゲーム観に多大なる影響を与えたことは間違いなく、つまりは生涯ベスト作品なのだ。しかし、近年はシリーズの方向性が若干迷走していることに加え、エレクトロニック・アーツの『Skate(スケート)』シリーズの台頭もあって、正直なところかつての輝きは失われつつある。また日本では2007年に『トニー・ホーク プロジェクト8』が発売されたのを最後に以降の作品はリリースされておらず、「シリーズの存在自体知らない人もいるのでは……」と勝手に不安になってしまう。

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 なんだか暗い話が続いてしまったが、今回出展されていた『Tony Hawk's Pro Skater HD』は、よくも悪くも輝いていた時代の『トニー・ホークプロスケーター』を彷彿とさせる内容だった。それもそのはずで、本作はシリーズの第1作目と2作目をリメイクしたものなのである。そのため、ゲームシステムは極めてシンプル。乱暴に説明すれば、飛んで、キメて、滑って、転ぶ、それだけだ。いまのゲームユーザーからすれば、なんじゃそりゃ? といった感もあるかもしれないが、記者としては「これを待ってたんだぜ!」であり、これでいいのである。ボードの上でしゃがむ(オーリーの準備)となぜか加速、グラインドをするとなぜか加速……リアル志向の『Skate(スケート)』シリーズでは考えられない、脅威の“トニー・ホーク物理学”(勝手に命名)には相変わらず興奮するし、多種多様なスケータたち(ロボットもいる)も魅力的だ。ほとんど具体的なゲーム内容を書いていない気もするが、とにかく頭を空っぽにして気持ちよくなりたい人は遊ばない手はない。だが日本での展開は現時点で未定。なんてこったい!

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