さらに進んだリアリティーの追求!

『FIFA 13』デモプレイリポート&プレゼンテーションでわかった新機能解説!【E3 2012】_01

 ファミ通.comのE3取材班が日本を出たのは6月3日の昼。というわけで我々はオマーン戦を見られなかったのである。だがいいんだ、『FIFA 13 ワールドクラスサッカー』を遊んできたから!

 と、その前に本作での新機能について、デモプレイ前のプレゼンテーションでわかったことをおさらいしておこう。概要をまだ知らない人は本誌特設サイトをチェックしてほしい。

 前作『FIFA 12』では、ボディコンタクトを再現する“プレイヤー・インパクト・エンジン”を導入するとともに、ディフェンス方法を一新。自動追尾のプレスなどを使って漫然と守るのではなく、ちゃんと意識を持ってディフェンスすることが求められるようになった。
 本作ではプレイヤー・インパクト・エンジンも第2世代のものへと進化し、競り合いがさらにリアルに。ドリブラーがディフェンスに身体を入れてコースを確保したり、空中戦の前にポジションを取り合ったりと、オフザボールでのボディコンタクトもきちんと計算するようになっている。

 一方で、ディフェンスのコンタクトを受けているプレイヤーは、パスやシュート時にその影響を受けるようになっている。これまではディフェンスを背負ったまま楽勝でゴールを決められたような場面でも、ディフェンスを引き摺りこそすれシュートを外してしまうとか、うまくミートできずに強く打てないといったことが起こってくるだろう。となれば、確実性を高めたいなら、ドリブルで交わしにいく時はきっちり交わす方がいい。『FIFAストリート』の開発経験を活かして進化した“コンプリートドリブル”でディフェンスのタイミングを外すというのも手だ。

 プレイヤーの状態によって精度が変わってくるという点では“ファーストタッチ・コントロール”も見逃せない。プレゼンテーションでは参考事例として、空中高く上がったボールを、ロナウジーニョがトラップして一瞬で勢いを殺し、つぎの動作へと繋げている試合映像が示されていた。もちろんこんなことをできるプレイヤーはプロ選手でもそうそういない。現実のサッカーで、高速スルーパスを受けたアタッカーが、トラップがちょっと流れたせいで自分より足の遅いディフェンダーに身体を入れられてしまうとか、敵からのロングボールを収めようとしたディフェンダーがボールをこぼしてしまい、敵フォワードに奪われて失点とったシーンを目にしたことがある人は多いハズだ。
 本作では、プレイヤーの能力にボールの回転や勢いを加味して、ゲーム的な“パーフェクトなタッチ”がそう簡単にできなくなっている。“できてしまっていた”ことは、できないようにしたほうがリアルなのだ。

『FIFA 13』デモプレイリポート&プレゼンテーションでわかった新機能解説!【E3 2012】_04
▲フリーならば、そうそうシュートやパスをミスらない。だがもしディフェンダーに寄せられていたらどうだろうか? ちょっとキックミスをするかもしれない。本作ではそういう領域の調整を行なっている。不可能をゲームだからといって可能にしないリアリティーの追求。

 背負ったディフェンダーを手で制しながらボールをキープするとか、細かくトラップやタッチがブレるということのおかげで、ゲームを見ていてもリアルさが増しているのが実感できる。
 これはオフザボールでの動きも同様だ。攻撃時のAIの進化により、ミッドフィールダーからのパスを求めるフォワードが急加速して斜めにスペースへ切り込んでいくとか、オフサイドラインの手前で一旦スピードを落とし、ラインと平行に走ってから裏に抜けるとか、フォワードにパスが出ることを予測したウィンガーがフォワードにパスが出る以前から2人目の動きを始めるといった、まさにプロサッカーらしいシーンが見られるようになっている。

『FIFA 13』デモプレイリポート&プレゼンテーションでわかった新機能解説!【E3 2012】_02
『FIFA 13』デモプレイリポート&プレゼンテーションでわかった新機能解説!【E3 2012】_03
▲ディフェンダーに身体を入れながらボールをコントロールするアグエロ。
▲急加速して裏に抜けだそうとしているイブラヒモビッチ。

 フリーキックの攻防も進化し、シュートに見せかけた囮を入れながらパスするとか、囮に一度飛んでしまったディフェンスが体勢を立て直してシュートに対してもう一度飛ぶといったことが可能に。さらに、ディフェンスが壁をじりじりと動かすこともできる……のだが、審判にイエローを出されることもあるようなのでご注意あれ。

『FIFA 13』デモプレイリポート&プレゼンテーションでわかった新機能解説!【E3 2012】_05
▲フリーキックの進化は攻撃だけではない。ディフェンスもじりじりと壁を前に出せるようになった。ルール的には微妙だが、現実のサッカーではよく見かける光景だ。

 で、まったく知らないアメリカ人と今年もプレイしてきたのだが、個人的にはファーストタッチ・コントロールとアタッキングAIの進化がこれまでとの違いとして感じられた。チームを選ぶ時間がなかったのでチェルシーを使っていたのだが、選手の能力が高いチェルシーでもトラップのずれを感じられたのだから、マイナーチーム使いの人はトラップのずれを織り込みつつプレイするのがいいかもしれない。
 え、試合? 2年連続で勝ちましたよ! 1点目はグラウンダーのクロスがディフェンスに当たり、ゴールキーパーがあわてて弾いたところを詰めるというぐだぐだの得点でしたが、2点目は相手の空いたサイドに大きく展開し、ファーサイドにクロスを上げてヘッドという理想的な展開。いやぁ、早く製品版をやりたいもんです!