リグと生身、ふたつのゲームプレイが交錯する
ついにロサンゼルスで開幕した世界最大のビデオゲーム見本市E3 2012。カプコンが2013年に発売予定の『ロスト プラネット 3』のE3デモのプレイリポートをお届けする。
今回のデモは、すでにお伝えしているカプコンのプレスイベントCAPTIVATEで披露されたものとかなり近いので重複する部分も多いが、あらためて本作の設定をご説明しよう。
E3動画でも公開されているとおり、本作の主人公はシリーズの舞台“EDN-3rd”のかなり初期の入植者ジム・ペイトン。謎の青年ウェインが主人公の第1作、雪賊たちが主人公だった第2作と異なり、ヒーローでも戦いが日常の連中でもない、地球の家族と遠く離れて出稼ぎにやってきた肉体労働者にすぎない彼の視点から、過去の物語が描かれる。
時代が変われば道具も変わる。というわけで、シリーズの特徴のひとつであった搭乗兵器“VS(バイタルスーツ)”も、本作では未来の無骨な重機“ユーティリティリグ”に交代。コレがまた武器になるものがドリルと豪腕ぐらいしかないのだが、サイズがひたすらデカく、そしてVSの高速機動と比較すると重量感があり、リグに乗ると一人称視点に切り替わることもあって迫力満点。ブルーカラーで単身赴任中のお父さんが重機で巨大なクリーチャーAK(エイクリッド)と殴り合うという、じつに男らしいバトルとなっている。
もちろん大型AKと銃を手に生身で戦うこともできる。AKの弱点が赤い部分というのはシリーズを踏襲しており、関節を攻撃して四肢を落としたり、突っ込んできたAKを交わし、動けなくなっているところで背中の弱点を狙い撃つとか、咆哮を恐れず開口部に攻撃を叩き込むといった戦法は健在だ。
デモでは、リグから降りている状態でAKに襲われることもあり、緊急回避を巧みに使って生身で打ち破るか、リグに飛び乗って戦うかという選択が問われていた。
特に意味はない場面でもカシュカシュとロープアンカーを出していた前作までとは異なり、アンカーを使う場面がなかったわけではないものの、かなり限定的だったのは気になるところ。とはいえ、これはステージ構成上の問題かもしれない。
それよりも、個人的には巨大なAKと戦うひとりの男を描くストーリーにふたたび帰ってきたことを素直に喜びたい。それと、三人称視点の通常戦闘と一人称視点でのリグでの戦闘の、ふたつのテンポの戦いがあるのに意外にもハマった。とくに、ヒィヒィいいながらAKから逃げまわって、ようやくリグにたどり着き、「よくも追い回してくれたなコノヤロー!」とばかりに、ゴゴゴとリグを動かし、ガードから豪腕を一閃する時の快感は今までになかったものだ。
とりあえず、もっと巨大で凶悪なAKとの戦闘が出てくるのは間違いないだろうが、ここから先、「ちょっとお前、本格的に戦ってもらうわ」と完全に傭兵扱いにされてもっとVSに近いような兵器に乗ることになるかもしれないし、ほかの搭乗兵器との戦いも出てくるかもしれない。それに、マルチプレイはどうなるのだろうか? 触ってみて俄然続報が気になるデモであった。