和田康宏氏の新作『project happiness』が発表、トレーラー&インタビューを公開【動画配信】

ゲーム ニュース E32012
2012年6月5日~7日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大のゲームの見本市“エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ 2012(E3 2012)”にて、『牧場物語』の生みの親である和田康宏氏の新作タイトル『project happiness(プロジェクト ハピネス)』(コードネーム)が発表。トレーラー映像が公開された。

●ゲームファンが喜んでもらえることを第一に考えています

 2012年6月5日~7日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大のゲームの見本市“エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ 2012(E3 2012)”にて、『牧場物語』の生みの親である和田康宏氏の新作タイトル『project happiness(プロジェクト ハピネス)』(コードネーム)が発表。、トレーラー映像が公開された。家庭用携帯ゲーム機向けに2013年発売予定の本作は、同氏が設立したTOYBOXが開発を担当し、パブリッシングに関しては北米をNatsumeが、欧州をRising Star Gamesが行うという。そこで、和田康宏氏に『project happiness』について直撃してみた。


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和田康宏氏
TOYBOX 代表取締役社長/プロデューサー

――ついに新作『project happiness』が発表されました。まずは、企画がスタートした経緯を教えてください。

和田康宏氏(以下、和田) いまのゲーム業界は転換期を迎えていると思います。その時代に合ったものは何かを絞っていく中で出てきたアイデアが『project happiness』になります。半年ほど前からゲーム内容はもちろん、どんな形で実現できるかということを含めて、つながりのある方に相談をさせていただきながら準備を進めてきました。最終的に北米ではNatsumeさん、欧州ではRising Star Gamesさんがパブリッシングを行うという形になり、我々は日本の権利を持ったまま開発を行っているという状況です。実際に開発が始まったのは昨年末ごろからですね。

――和田さんのいまの立場も含めて、『project happiness』のアイデアやテーマはTOYBOXだからこそ出てきたものなのでしょうか?

和田 そうですね。新会社を設立したことによって、ゲーム作りを始めたときの気持ちや立場を含めて再出発ができたと思っています。いまのゲーム作りでは、明確なターゲット層の設定や市場調査ありきになっていますが、どういったものがおもしろいのか、どういったものがユーザーに喜んでもらえるのかという、もの作りとしての初心に帰れたなと。ですが、いまの状態でゲームショップに置いてくださいと持っていっても、多くの方に手に取ってもらうのは難しいと思います。もっともっといい意味でお化粧をしていって、皆さんに対してわかりやすいもの、興味を持ってもらえるような仕掛けを作っていこうと思っています。

――なるほど。それではお話できる範囲でゲーム内容について教えていただけますか?

和田 ゲームの核はお店を大きくしていていくこと。小さかったものがだんだん大きくなっていき、店内に陳列できる商品やアイテムもより多く、お客さんも増えていく。昔ながらのシミュレーションゲームのようなわかりやすさ、シンプルさがあると思います。ですが、ゲーム中はシミュレーションゲームのようなメニューやコマンドで物ごとを進めるのではなく、お店が大きくなってもプレイヤーキャラクターが商品を持ち上げて棚に並べたりと、つねにプレイヤーキャラクターがカタカタと動く手触りをすごく大事にしています。開発スタッフにも、気持ちのいいレスポンスにしてほしいとお願いしていますね。

――トレーラーを見ると、ゲームの舞台は島なのかな、と感じましたが……。

和田 世界観はあえて特定していません。ひとつだけ言えることは“田舎”ということ。海や山があってその狭間に人が住んでいる。そこにいるだけで気持ちいいような世界を作りたいと思っています。まだ仮称ではありますが、“マイホームタウン”というタイトルを考えていまして、たとえば東京生まれ東京育ちの人も含め、多くの人が持っている“故郷(ホームタウン)”のイメージとできるだけ重ねられるような、居心地のいい世界を作り上げたいですね。

――ゲームの世界観を彩るキャラクターも印象的でした。舞台となる場所にはプレイヤーキャラクターのほかにもさまざまな人や生き物が住んでいるのですか?

和田 はい。トレーラーに一瞬だけ映っていた丸っこい生き物は、“ポチカル”という妖精です。ちょっとネタバレになってしまいますが、ストーリーが進んでいくと子どものドラゴンが町に住みついたり、ある人には見える人けど、ある人には見えない神さまというキャラクターが登場したり、ふつうの住人として暮らしていた人がじつは女神さまだったり、そういったファンタジックな要素も少しだけ入っています。ほかにも、町の住人には群像劇のように住人それぞれに深いお話が用意されています。

――住人は何人ぐらいいるのですか?

和田 コアキャラクターはいまのところ30名ちょっとです。最初は10人ぐらいなのですが、お店を大きくしていくことで新たな人が増えていくと同時にモブキャラも用意されていてすごくにぎやかになっていきます。

――では、プレイヤーはその土地に住むキャラクターとの出会いや交流を経て、お店で売っている商品を提供することでまた新たな物語が広がっていく、というのが基本的な流れになるのでしょうか?

和田 そうですね。お店を大きくする過程で、お客さんが求めている商品やアイテムを探しに行ったり、自分が何気なく手に入れたアイテムがある人にとってはすごく大切なものだったり。お店の成長は昔ながらのゲーム的なものなのですが、有機的に外の世界とつながっています。

――キャラクターデザインを担当されているのは?

和田 グラフィックデザイナー・イラストレーターの、にしだあつこさんです。老若男女、いろいろな人にとって絶妙な距離感を保てるようなデザインをしたいと思っていて、そのときに候補に挙がっていたのがにしださんでした。

――ちなみに、主人公の性別は男女どちらかを選べるのでしょうか?

和田 はい。簡単なキャラクターメイキングもできるようになっていて、トレーラーに出ている主人公はすごくシンプルな素体です。着せ替えもできるようになっていますし、衣装の数もどんどん増やしていけるような作りにしたいと思っています。


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――音楽もゲームの雰囲気とマッチしていましたが、作曲はどなたが担当されているのでしょうか?

和田 音楽は植松伸夫さんにお願いしました。お付き合いは自体は古くて、マーベラス在籍時代にも一度お願いしたことがあるのですが、当時の僕が作品に深く関わることができなかったので、自分で作品を作ることになったときはぜひお願いしたいと思っていました。トレーラーの前半部分で流れているのが、ゲームのメインテーマです。やさしくて大きくて、でもちょっとだけ切ないというような曲を作っていただきました。また、お店の中はトレーラーの後半部分のようなエレポップ調の曲にしたいと考えています。本作では、外の箱庭部分ではすごく雄大な曲、そしてお店は昔ながらのゲーム的な形で成長していくので、その雰囲気に合ったような曲とコントラストが出るように考えています。

――和田さんといえばやはり『牧場物語』というイメージがあります。『牧場物語』を生み出したからこそ引き継いでいる部分、逆に壊そうとした部分、本作だけの特徴などがあれば教えてください。

和田 『牧場物語』は子どもみたいなもので、15~16年携わってきましたが、立派に育って大人になって巣立っていったような感覚ですね。娘がある日彼氏を連れてきたような(笑)。当然、子どもですからいまも愛情は変わりなくありますし、とはいえ娘の彼氏にいろいろ口を出すのも変なので、影ながら応援していこうという感じです。最初はいろいろな意味で『牧場物語』ではないものを作ろうという意識が強くありました。ですが、具体的な形を作っていく中で、ほかのゲームにはないようなゆるい田舎が舞台という世界観や空気感は隠しようがないなと。そこは僕の本質的な部分として持っていて、何度作品を作ってもこういう風になるな、と思っています(笑)。違う部分では、牧場がテーマのゲームではないところがいちばん大きいと思いますし、『牧場物語』にあったものを貢ぐは外しています。ほかのキャラクターと結婚できるというシステムは、ユーザーの方に喜んでいただいていますが、自分が丹精込めて作ったミルクや作物をプレゼントすると愛情度が上がるとか、そのままでは受け取ってくれないけど、料理をしたら受け取ってくれるとか、そういったくり返しをするゲームにはしないでおこうと意識しました。人と人との関係性が変わっていくという部分は、『牧場物語』を作り始めたときからやりたかったことです。それがゲーム的な表現として貢ぐということになりましたが、本作ではものをプレゼントする、毎日話しかけるといったこと以外で、人とつながっていく方法を考えています。

――具体的な対応機種は未定とのことですが、オンラインの要素やネットワーク要素を入れる予定はありますか?

和田 それは必須だと思っています。いまはダウンロードコンテンツ、マルチプレイなど、オンラインに対応したゲームがたくさんありますが、「こんなに変わった遊びかたがあるんだ」とユーザーの方に感じていだけるようなものを考えています。まだ具体的にはお話できませんが、楽しみにしていてほしいですね。

――では、最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

和田 本作は、家庭用携帯ゲーム機向けに作っています。そのプラットフォームに新しい風を送れたらいいなと思っていますし、ゲームファンの方が喜んでもらえることを第一に考えて制作していますので、ぜひ楽しみにしていただけばと思います。


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