探索の恐怖を改めて実感……本作はかなり怖いです!
2011年6月5日~7日(現地時間)まで、アメリカ・ロサンゼルスにて開催される世界最大のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2012。開催前日の夜にマイクロソフトが行ったパーティー“Best of Xbox Showcase”では、同社ブースの出展タイトルをいち早くプレイすることができた。その中には、カプコンから2012年10月4日に発売が予定されている『バイオハザード6』(海外では10月2日発売予定)のXbox 360版も。これを逃す手はないと、バッチリプレイしてきた。なお、以下で紹介する操作方法に関してはすべてXbox 360版に準拠したものだ。
今回出展されたバージョンでは、本作の3人の主人公“レオン”、“クリス”、“ジェイク”それぞれの序盤のストーリーを一部体験することができた。記者は迷った末にレオンを選択。物語は、すでに情報が公開されている大統領を襲った悲劇からスタートした。大学“トールオークス”で発生したバイオテロによって、ゾンビ化してしまった大統領。警護を担当していたレオンとヘレナは、みずからの身を守るために彼を射殺し、校内からの脱出を試みることになる。物語の流れを紹介するまえに、まずは操作方法およびシステム面に触れておこう。
『6』の操作方法は従来までの『バイオハザード』シリーズから一新と言ってもいいもので、左スティックでの移動はスタンダードなTPS(三人称視点のシューティング)へならったものに。つまり、全方位への移動がスムーズになったのだ。具体的に言えば、従来までの『バイオハザード』シリーズでは左右への移動は、前進しつつの方向転換、あるいは一度止まってから方向転換という作りだったが、『6』ではスティックを左に倒せば左へ、後ろへ倒せば後ろへスムーズに移動できるようになっている。もうひとつの大きな変化が、体術がいつでも出せるようになった点だ。いままではヘッドショットや足への射撃などでバランスを崩したときのみ出せた体術だが、『6』ではXbox 360 コントローラーの右トリガーを押し込めば、好きなタイミングでハイキック(レオンの場合)をくりだし、連打も可能となっている。ただし、体術はステータスのスタミナゲージ的なものを消費し、それが切れると一定時間使えなくなるようだ。ダッシュの搭載もナンバリングタイトルでは初。『6』では通常の移動速度が、従来までの走り状態程度(場面によっては強制的に歩きにもなる)で、Aボタンを押せばダッシュする。ダッシュ中に銃をかまえる(左トリガー)と、スライディング状態となり、敵の攻撃を交わしながら低い位置から射撃をすることが可能だ。そのほか、「おっ!」と感じた操作としては、右スティックを押し込むことでプレイヤーの立ち位置を変えられる点。『バイオハザード4』と『5』では、プレイヤーはつねに画面左下に表示されていたが、本作ではそれを右側に切り替えることもできるのだ。人によって遊びやすいポジションというのは違うと思うので、これは何気にうれしい機能なのではないだろうか。
では、物語の流れに入ろう。大学からの脱出を試みるレオンとヘレナは、途中ひとりの生存者と出会う。彼は、ゾンビ騒動によって行方不明になった娘のリズを探しているという。ふたりはリズを探すことになった。構内は物が散乱し、机や椅子も倒れ、あるいは破壊されているが、ゾンビの姿はなく不気味なほど静まり返っている。ちなみに屋内の照明は落ちており、レオンが装着しているヘッドライトの心細い明かりを頼りに探索するのだが……これがメチャクチャ怖い。廊下で角を曲がるときやドアを開けるときの心拍数の上がりようときたら! 『バイオハザード』シリーズのジャンルが“サバイバルホラー”であることを改めて実感させられた次第だ。
すさまじい恐怖に耐えながら(プレイヤーの心理状態の話です)探索を続けると、どこからか、いや~な感じのピアノの音が聞こえてくる。怖いので行きたくないが、そこにリズがいる可能性は高い。果たして、リズはいた。しかし大怪我をしており顔色もよくなく、肩を借りなければ歩けないような状態だ。なんとかエレベーターまで辿りつき、地下駐車場まで降りることにした4人。だが、エレベーター内でリズは息絶えてしまう。悲しみ、泣き崩れる父親。そのとき、エレベーターが停止し、灯りも完全に消えてしまう。暗闇のなか、何かを食べるようなイヤな音が聞こえる。明かりをそちらに向けると、なんとリズがゾンビ化しているではないか! これはまさに、映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の地下室の少女状態。レオンとヘレナはなんとかリズゾンビを倒すが、一難去ってまた一難……エレベーターの扉が開くと、大量のゾンビが「ワッ!」と押し寄せてきた。これはまさに、映画『ゾンビ』のあの有名なシーン状態! 「こんな大量のゾンビに襲われるなんて、初めてだぜ!」と狼狽してしまったが、本作では体術がかなり使いやすいことを思い出しRTを連打。すると、大量のゾンビたちをつぎつぎとなぎ倒して無事エレベーターの外へ出ることができた。しかし、地下駐車場内もゾンビだらけ。命からがら回避&退治してモニタールーム(警備室?)へと逃げこむと、部屋のモニターには助けを求める生存者(さきほどのリズの父親とは違う人たち)が……。しかし、レオンとヘレナはどうすることもできず、彼らがゾンビに食われるのを見ているしかなかった。
以上が、今回のデモで体験できた内容だ。レオンとジェイクについてもぜひプレイしたかったのだが、注目タイトルゆえにかなりの待ち時間となってしまっていたので断念。同作はE3会場にも出展されるので、ほかのふたりのプレイリポートは明日以降お届けしようと思う。最後に、会場で本作のエグゼクティブプロデューサーを務める小林裕幸氏からコメントを貰うことができたので、以下に紹介しよう。
――ついにプレイアブルな状態で公開されましたが、手応えはいかがですか?
小林 今日マイクロソフトのカンファレンスで、日本人では2年ぶりの登壇させてもらったのですが、かなりいい反応をいただくことができました。ただ、マイクロソフトのカンファレンスでお見せしたのは、ハリウッド映画的なド迫力のアクションを凝縮したもの。ホラー要素については、今回のプレイアブルデモを触ってもらえば感じられると思います。
――レオンのシナリオをプレイしましたが……メチャクチャ怖かったです!
小林 昔の『バイオハザード』の怖さが蘇っていますよね。本作ではド迫力のアクションはもちろんのこと、さまざまな恐怖もぜひ見てほしいポイントです。レオンの場合は、いまおっしゃった通り、探索する恐怖。クリスのシナリオでは小隊で行動するのですが……そちらでは隊員がひとり消え、また消えといった恐怖を味わうことができます。ジェイクに関してはシェリーとの逃亡劇なので、クリーチャーに追いかけられる恐怖を味わうことができるでしょう。主人公によって感じる恐怖が違うのも、本作の見どころのひとつです。
――ちなみに、日本のユーザーがプレイできるのは、『ドラゴンズドグマ』に同梱された体験版コードが有効になるタイミングが、最速となるのでしょうか?
小林 いまアナウンスしているところではそれが最速ですが、なんとかもう少し早く体験できる機会が設けられればと考えていますが……そちらについてはもう少し情報をお待ちください。