Wii Uに早くも全力なラインアップ

Wii U対応タイトルが続々&新規大型タイトルが発表――UBIカンファレンスリポート_23

 E3開催前日となる2012年6月4日(現地時間)に開催された、ユービーアイソフトのプレスカンファレンス。話題の新ハードWii U対応タイトルが複数お披露目されたほか、カンファレンスの最後では新規大型タイトルがサプライズ発表された。以下、タイトルごとにステージの模様をリポートする。なお、発売日の情報などはいずれも北米でのスケジュールとなっている。

<『JUST DANCE』最新作がWii Uに!

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カンファレンスのオープニングを飾ったのは、ユービーアイソフトが誇るダンスゲーム『JUST DANCE』の最新作、『JUST DANCE 4』だ。ヒップホップアーティスト“Flo Rida(フロー・ライダー)”とダンサーたちによるライブの背後で流れていたプロモーション映像には、Wii Uの文字が。今回は映像のみで具体的なゲーム内容については明かされなかったが、従来までの『JUST DANCE』とは大きく異なる点が確認できた。『JUST DANCE』シリーズはこれまでWiiリモコンを手に持ってプレイしていたが、今回の映像では何も手に持たずプレイしていたのだ。また、振り付けの指示も体全体の動きを使うようなものが多く、他社のタイトルを例に挙げてしまうが、マイクロソフトの『Dance Central』シリーズを彷彿とさせる。また、映像の中ではWii Uの特徴である“Wii U GamePad”のスクリーンに向かってプレイする様子も確認できた。本作はWii、プレイステーション3、Xbox 360でも登場し、そちらは2012年10月9日発売予定。Wii U版が2012年のホリデーシーズンに発売予定となっている。

<『FarCry 3』衝撃のプレイデモ

プレイステーション3、Xbox 360、PC用ソフト『FarCry 3』は比較的長い時間のインゲーム映像が公開された。本作は広大なマップ内を自由に探索しながら物語が進行していくFPSタイトルで、今回の舞台はリゾート地を思わせる島。デモは、全身に刺青が入ったほぼ全裸の女性に呼び覚まさせられる……というかなりエロティックなシーンからスタートした。詳しい状況は不明だが、彼女はこの島の原住民と思われ、主人公は彼らから“ウォーリアー”と呼ばれている。主人公も腕に同じ刺青が入っていたが、それに対して驚いているような様子がうかがえたことから、彼らと同じ部族というわけではないようだ。

画面は切り替わり、主人公は森を抜け、崖から水中にダイブ。そのまま対岸まで泳ぎ、敵組織が占拠するエリアへの侵入を試みることに。まず、桟橋のところにいる敵を水中に引き込み、ナイフでひと突き。そこから森を進むと、敵の拠点と思われるエリアへと辿り着く。ここで主人公はスコープ付きの弓矢を取り出し、見つからないようにひとりひとり殺していく。同時に敵が持っていたマシンガンを奪い、一気に敵の防衛ラインを突破。建物のひとつに侵入するが、火を放たれてしまう。屋上へ逃げ、敵の猛攻を避けつつ、もうひとつの建物へ辿りつくが、待ち伏せしていたクレイジーガイ(公式サイトのTOPページに登場しているキャラクターで、以前行ったインタビューで開発者がクレイジーガイと説明していた)に胸を刺されてしまう……。主人公の意識が薄れていくような演出が入ったあと画面は切り替わり、テレビモニターで構成された一種悪夢的な世界が映し出される。主人公はそのなかを歩いていくのだが、道の両端には途中途中で走馬灯のようなものが。前述した半裸女性との交わりや、こめかみに銃を当てる男(腕に刺青が入っていりことから主人公と思われる)を横目に道を進むと、最後にクレイジーガイが待っていた。彼は主人公の腕をつかみ、銃を自分の頭に当てて、撃つように催促する。と同時に、クレイジーガイの顔に、主人公と思わしき男の顔がノイズのように重なり……銃を発射したところでデモは終了。

FarCry』シリーズと言えば、大自然の中での自由度の高いアクションが魅力だが、今回観たデモはそれ以上にキャラクターの“狂気”が際立っていた。同作はプレイステーション3、Xbox 360、PCで2012年9月発売予定。

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<『SPLINTER CELL BLACKLIST』はこれまでで最大の作品に

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マイクロソフトのカンファレンスでサプライズ発表された『SPLINTER CELL BLACKLIST』。ユービーアイソフトのカンファレンスでは、すでに公開中のプロモーションムービーを公開したのみで、マイクロソフトカンファレンス以上の新情報は明らかにされなかったが、中継でクリエイティブディレクターのMAX BELAND氏が登場した。同氏は「これまでで最大の『スプリンターセル』になる」とコメント。『SPLINTER CELL BLACKLIST』は、プレイステーション3、Xbox 360、PCで2013年春発売予定だ。

<マーベルヒーローたちが集結『THE AVENGERS BATTLE FOR EARTH』

マーベル・コミックのキャラクターたちが集結して地球規模の戦いをくり広げる……と思われるタイトル。と言うのも、イメージ映像的なものが流されたのみでゲームの詳細はジャンルも含め不明なのだ。ウルヴァリンとヴェノムの戦い、マグニートとバトルするスパイダーマンに加勢するストーム、そしてビルの上からそれを見ているキャプテンアメリカという、男子の心を非常にくすぐる内容となっていた。対応機種はWii UとXbox 360・Kinectで2012年発売予定。

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<最大5人で楽しめる、Wii Uの『Rayman Legends』

ユービーアイソフトの人気アクションゲーム『Rayman』シリーズの最新作が、Wii Uで登場することが決定。タイトルは『Rayman Legends』で、ステージではデモプレイも公開に。本作は最大5人まで同時プレイが可能な横スクロールアクションゲームで、今回は最初にふたり、途中から3人でのプレイという流れとなっていた。Wii Uらしさをもっとも感じられたのは、“マーフィー”と呼ばれるキャラクターの操作。マーフィーはWii U GamePadのタッチスクリーンで動かし、ほかのプレイヤーが操作するレイマンをサポートするようなアクションを行うことになる。たとえば、レイマンが行く先にあるトラップを事前に解除したり、行く手を阻む敵をタッチで消したりなどだ。また、ステージ後半ではマーフィーを使ってリズムアクションのようなプレイが楽しめるシーンも。高速スクロールするステージ内にいる目玉のような敵(障害物?)が、目を完全に見開くタイミングでタッチすると、それがギターサウンドとなって鳴り響くのだ。また、Wii U GamePadの背面にあるボタンを使って音を歪ませることも可能な模様。

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<これは期待! Wii Uにゾンビゲー『ZombiU』

個人的に今回のカンファレンスでもっともグッと来たのがWii Uのローンチタイトルとして紹介された『ZombiU』。英国国歌がバックに流れる中、ロンドンバス内、ショッピングセンター、近代的なオフィスで発生したゾンビパニックを、それぞれ印象的な一枚絵で描くという映像は、シンプルだがそれだけに想像力を刺激される。そして、映像の最後では「HOW LONG WILL YOU SURVIVE?」という挑戦的なメッセージが。ゲームの詳細は説明されなかったが、リリースによればジャンルはFPSになるという。

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<そのほかにもWii Uタイトルが続々と発表に

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『JUST DANCE 4』、『THE AVENGERS BATTLE FOR EARTH』、『Rayman Legends』、『ZombiU』以外のWii Uタイトルも発表された。いずれも映像の中でロゴが映された程度で、具体的な説明はなかったが、ユービーアイソフトが新ハードの登場に早くも全力であることがうかがえるラインアップだ。

<これぞ革命!『アサシン クリード 3』のゲームプレイが初公開

 続いて、ユービーアイソフトの看板タイトルである『アサシン クリード 3』が登場。同シリーズはこれまでヨーロッパを舞台に展開していたが、シリーズ最新作『3』では、なんと18世紀のアメリカ独立戦争が描かれることに。舞台と主人公が大きく刷新され、世界中のゲームファンの注目の的になっているタイトルだ。2012年3月に公開されたデビュートレーラーでは、ネイティブアメリカンとイギリス人の血を引く新主人公コナーが、開拓時代のアメリカの大自然で敵と激突するという内容だったが、今回のカンファレンスでは、本邦初公開となるトレーラーとデモプレイが披露された。トレーラーは、アメリカ開拓時代の大規模な戦闘に、主人公コナーが介入するというもの。隊列を組み、近代的な装備に身を包んだ軍隊に対して、たったひとりで馬に乗って突っ込むコナー。彼は敵軍の前線に飛び込み、得意の乱戦に持ち込んで、敵兵の陣形を崩していく。そしてコナーは弓矢を取り出し、敵軍の将を射貫くのだった。より激しく生まれ変わった多対一の戦闘と、新たな武器"ボウ"の登場を示唆するトレーラーが終了すると、続けざまにデモプレイがスタート。
 
 デモの舞台は1776年のニューイングランド。ここでは、コナーが雪原で野生の鹿の群れを追跡している。『アサシン クリード』シリーズといえば、建物をジャンプで駆け上がったり、飛び越えたりする豪快なフリーランニングが有名だが、シリーズ最新作『3』ではこのシステムが大幅にパワーアップしている模様。複雑な編み目のように生い茂る木々の上をスピーディーに飛び移って移動するのは見ているだけで気持ちがいい! こうして鹿を追い詰め、ボウを使って鹿を狩猟。その後、続けざまに飢えたオオカミの群れとの戦闘に突入する……。このように、本作では野生動物の狩猟も大きな楽しみのひとつとなりそうだ。今回公開されたトレーラーには、わずかな時間だが巨大な熊と戦っているコナーの姿が描写されており、歯応えのある野生動物も登場することがうかがえる。

 そして場面は変わって雪原の中にある集落へ。ここでコナーは、silasという男を始末する暗殺ミッションを依頼される。silasを討つべく、敵の砦に乗り込むコナー。敵集団との乱戦では、右手に斧、左手にナイフを構えた二刀流スタイルでの戦いも確認できた。バトルのアクションは前作よりも増えているようだ。そして、最後にコナーがシリーズのファンにはおなじみの空中技、エア・アサシンでsilas暗殺したところでデモプレイは終了。新たに開発されたゲームエンジン“Anvil Engine”により、より美しく、より精巧に生まれ変わった『アサシン クリード 3』の姿に、会場中が歓喜の声と拍手に包まれた。『アサシン クリード 3』の発売日は、2012年10月発売予定となっている。

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<Eスポーツ向けの『ShootMania Storm』対戦

 続いて、対戦型テレビゲームを用いた競技“E(エレクトロニック)スポーツ”向けのPCソフト『『ShootMania Storm』による対戦のデモンストレーションが披露された。この作品は、両腕から電撃を飛ばして敵を攻撃する、ファンタジーFPS(一人称視点シューティング)。プレイヤーは2チームに分かれ、オフェンス側とディフェンス側に分かれて戦うことになる。ステージでは、男性チームと女性チームが対戦を実演。激しい勝負の末、男性チームが見事勝利した。なお、デモンストレーション後、ユービーアイソフトのオンラインで遊べるラインアップとして、『Trials Evolution』や『Settelers ONLINE』、『GHOST RECON ONLINE』などが発表された。

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<思わぬ隠し玉!? 新規IP『Watch Dogs』

 ラストにユービーアイソフトCEOであるYVES GUILLEMOT氏が登壇し、「モントリオールスタジオが2年間掛けて作ってきた新規IPを紹介します」とコメント。完全新規の大型タイトル『Watch Dogs』のトレーラーとデモプレイを公開した。

 トレーラーによると、『Watch Dogs』の世界は、“CTOS”と呼ばれるコンピューターがすべてをコントロールしている社会。CTOSは、各種インフラ(電気の供給や地下鉄の運行、交通信号機の制御など)だけではなく、人々の個人情報もネットワークで管理しており、すべての人々はなんらかの形でCTOSと“つながっている”という。本作のクリエイティブディレクター、JONATHAN MORIN氏が、「Turn out the lights(電気を消そう)」と語りデモプレイが始まった。

 『Watch Dogs』は、オープンワールドタイプの三人称視点アクション・アドベンチャー。プレイヤーキャラクターはキャップを目深に被り、コートに身を包んだ謎の男。彼が主人公なのだろうか? 男は近未来のアメリカを思わせる都市を徘徊し、近くのナイトクラブに脚を運ぶ……。男の外見は、ユービーアイソフトが誇る人気タイトルの主人公たち(エツィオやサム・フィッシャー)と比べると、かなり地味に思える。「果たして、どんな能力を持っているのか?」と考えていると、男がスマートフォンのような端末を操作すると、ナイトクラブに並んでいた一般人たちの携帯電話が混線し始める。……彼は、ハッカーだったのだ。

 一般人たちの混乱に乗じてナイトクラブの中に潜入した男は、再び端末を操作して、客の電話を盗聴。男のターゲットであるdemarcoの居場所を見付ける。そして、demarcoが乗ったクルマを止めるべく、信号機をハッキングして大規模な衝突事故を引き起こすのだった……。JONATHAN MORIN氏は最後に「CTOSをハッキングすれば、街そのものがプレイヤーの武器になります。もし実際にインフラをコントロールする力があるとしたらどうしますか?」と語った。デモプレイが終了後、かつてないほど斬新なアイディアとリッチに作り込まれたグラフィックを併せ持つ新規IPの登場に、場内は割れんばかりの完成が巻き起こった。『Watch Dogs』の対応ハードはプレイステーション3、Xbox 360、PCで発売時期は未定となっている。

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