オープンロードでのドライブに制約はない
2012年5月下旬に行われた、イギリス・ロンドンの郊外にあるPlayground Gamesでのスタジオツアー。ここでは現在、Xbox 360を代表するレースゲームのシリーズ最新作『Forza Horizon(フォルツァ ホライゾン)』（日本マイクロソフトから2012年秋発売予定）が作られている。その内容はスタジオツアー記事第1弾で紹介したが、より詳しい情報を得るため、デザイン ディレクターを務めるラルフ・フルトン氏へのインタビューを敢行した。
――キャンペーンモードの流れを教えてください。
ラルフ 主人公は最初、ふつうの人として何の期待も持たずに自分のクルマで“Horizon フェスティバル”へ向かう。すると、タイミングがよかったのかフェスティバルで行われているレースの予選へ参加できることになる。ここから、自分がどれだけいいドライバーなのかを見せるためのゲームが始まるんだ。
――なぜ本作では、フェスティバルという要素を大きくフィーチャーしたのですか？
ラルフ イギリスでは音楽フェスティバルの人気が年々高まっており、多くの若者がそこへ行くことを楽しみにしている。我々はクルマ好き、音楽好き、つまり若者が集まる場所を本作で描きたいと思っていた。そのアイデアに、フェスティバルはマッチしたんだ。
――フェスティバルで始まった『Forza Horizon』では、その後どんな展開が待っているのですか？
ラルフ それはプレイヤー次第だね。レースに参加して、Horizon フェスティバルのチャンピオンになることは最大のゴールだが、それとは関係ない体験も数多くある。コロラドをモデルにしたオープンロードはとにかく巨大で、やることも膨大だ。たとえば、ワールドの中では、AIのドライバーがドライブしており、彼らとオープンロードの中でレースを楽しむこともできる。そのほか、“Horizon フェスティバル”から派生したストリートレーシングもあり、そちらでも新たな展開が待っているだろう。
――オンラインマルチプレイについて教えてください。
ラルフ オンラインマルチプレイはキャンペーンモードからJump Inで始めることもできるし、フェスティバルの中にある“レース・セントラル”というところで、リーダーボードからライバルをチェックして飛ぶこともできる。実際のプレイでは、通常のレースに加え、オープンロード内でフリードライビングを楽しんだり、チェイスバトル、タグゲームなどが可能だ。
――クルマの種類を増やす方法は、Horizon フェスティバルで購入するというのがメインになるのでしょうか？
ラルフ その通り。しかし、ほかにも方法はある。特定のイベントで勝てばそこで使った車がもらえるし、オンラインマルチプレイでランクが上がれば“ウィール・オブ・フォーチュン（言葉当てゲーム）”のようなゲームで現金や新車が得られて、そのほかにフレンドからギフトとして受け取るなどの方法もある。また、『Forza Motorsport 3』および『Forza Motorsport 4』のデータがあれば、特典としてクルマをプレゼントしようかと考えている。収録車種について具体的な数はまだ言えないが……数は多くて多様だ。従来までのファンも満足できるものになるだろう。
――『Forza Horizon』は新たなユーザー獲得への意気込みが強く感じられる作品です。一方で、ガラリと変わったことで、いままでのファンが付いてこられるのか、という心配もあります。従来までのユーザーにアピールしたい見どころなどはありますか？
ラルフ 見た目は大きく変わったが、触った感じは従来通りの『Forza』シリーズであると我々は考えている。だから、従来のファンにはこれまでできなかったことができるという、本作の特徴を素直に楽しんでもらえればうれしい。今回はオープンロードでドライブが楽しめるし、ダートロードも走れるのだから。
――コロラドをモデルにしたオープンロードは、具体的にどれくらいの広さなのですか？
ラルフ 具体的な数字は自分もわからないが、スタジオのアーティストたちが現地で撮影した60000万枚以上の写真から構成されているので、かなりの広さであることは間違いない。自分も時間がある時にボンヤリとドライブしているが……まだすべてまわりきれていないんだ（笑）。
――現在公開されているロケーションに街はありませんが、街路もありますか？
ラルフ コロラドにある実際の街をベースにしたエリアが数ヵ所あり、そのうちのひとつはかなり大きい街だ。
――ワールド内には多くの一般車両も走っています。ぶつけた場合にペナルティーなどはありますか？ たとえば警察が追ってきたりとか。
ラルフ それはない。オープンロードでのドライブに制約はつけたくなかったんだ。だから、プレイヤーがやりたいことを制限するものは何もないはず。当然、故意に一般車へ危害を加えても大丈夫だ（笑）。
