4年の歴史に幕
『メタルギア オンライン』(以下、『MGO』)は、2008年6月12日発売のプレイステーション3用ソフト『メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』に同梱された、多人数同時プレイ用のオンライン対戦ゲーム。当初、3年間のサービス継続という計画の中で運営が進められてきたが、非常に多くのプレイヤーに支えられ、運営期間を延長。サービス開始から丸4年となる今年、構想していたオンラインサービスの内容をすべて実装、提供ができたとし、2012年6月12日をもってサービス終了が決定した。
この『MGO』サービス終了にともない、公式ファイナルイベント“FINAL Debriefing Event”を、2012年6月2日(東京会場)、2012年6月9日(大阪会場)で開催。ここでは、東京会場での模様をリポートしよう。
製品版には採用されなかった“幻のマップ”を体験可能!
イベント会場には多数の試遊台が設置されており、なかでも目玉となっていたのが、『MGO』製品版には採用とならなかった幻のマップの試遊だ。マップは3種類ほど用意され、スナイプ合戦を想定した“スナイパーマップ”、『メタルギア ソリッド ポータブル オプス』のMATCHモードがベースとなる“MPOマップ”、そして『メタルギア ソリッド 4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』のステージがモチーフの“ヘイブン甲板”をプレイすることができた。
トークショー&スペシャルトーナメントを開催!
ステージでは、コジプロのイベントではおなじみ森一丁さんを司会に、杏野はるなさん、千太郎軍曹をゲストにトークショーを実施。来場者から寄せられた質問に答えた。
出演者:
松花賢和さん(プロデューサー)
クニベルトさん(コジプロ精鋭部隊)
オッキーさん(コジプロ精鋭部隊)
さーやさん(コジプロ精鋭部隊)
ゲスト:
杏野はるなさん
千太郎軍曹
司会:
森一丁さん
最初の質問は、「採用にならなかった幻のルールはないか?」といったもの。これに対し、開発チーム内で“麻酔ルール”と呼ばれる非殺傷のルールが検討されていたことを明かした。敵を気絶させ、ドッグタグを回収していくというものだったが、気絶から復帰するための操作がスティックを回転させるということから、コントローラを酷使することを懸念。また、ドッグタグ回収中に別のプレイヤーに気絶させられるケースが多発し、気絶した兵士が連なっていくという事態にもなり、ゲームとして成立させることは難しかったようだ。
つぎの質問は、作ってみたかったマップについて。実際に作られることはなかったが、洞窟内に故障した電車が配置されたステージを考えていたそうだ。電車を遮蔽物として利用できるため、戦略性は生まれそうだったがさまざまな事情により実現することはなかった。
このほか、ユニークキャラとしてビッグ・ボスやビッグ・ママを追加しようとしたが、既存キャラクターとの差別化、特徴付けが困難であったこと、そして『MGO』でもっとも印象深かった出来事は世界大会だった、といったことも語られた。
最後の質問は、「どうすればコジプロ精鋭部隊に入れるか?」という内容。これについては松花プロデューサーから、「他人とは異なる発想が持てること」という、コジプロのモノ作りの姿勢が端的に述べられた。
トークショーの後は、会場に居合わせたプレイヤーどうしでクラン(チーム)を組み、トーナメントを行うというユニークなイベントを開催。その名も、現地召集クランNo.1決定戦。
参戦したのは以下の8つのクラン。
・千太郎軍曹LOVE
・NYAROME hshs
・Rgain
・Derrick@Home
・Auto Team Blind
・TMO
・BY MGO
・MGO3マダー?
戦場はもちろん今回のイベントのために用意された幻のマップ。1回戦はスナイパーマップ、2回戦はMPOマップ、3回戦はヘイブン甲板が使用された。即席のクランに与えられた作戦タイムはわずか60秒。このわずかな時間の中で、各クランは役割分担や詳細な作戦などを手際よく決めていった。
トーナメントが開始され、会場がざわつく瞬間があった。というのも、クランRgainのメンバーのひとりに、『MGO』の世界大会“MGO WORLD CHAMPIONSHIP 2008”での個人戦部門優勝者である+RYU+氏がいたことだ。会場全体が+RYU+氏のプレイに熱い視線を送っていた。
最終的に勝ち上がったのは、RgainとBY MGO。接戦の末、Rgainが見事優勝を収めた。
トーナメント終了後は、エキシビションマッチとして、コジプロ精鋭部隊とゲストの混合チームとの対戦も行われた。この混合チームに、週刊ファミ通からブンブン丸が参加。結果はRgainの圧勝となったが、『MGO』を心から愛するプレイヤーの“魅せプレイ”に会場は大いに盛り上がった。
感動のエンドロール
イベントのラストは、プロデューサーとコジプロ精鋭部隊から、ファンへの感謝の気持ちを伝えた。オッキー氏は、「ついにこの日が来てしまった感じ」と言葉を詰まらせるシーンも。松花氏からは、「運営していく中で激励はもちろん、お叱りの言葉もたくさんもらった。今回の経験を活かし、つぎに活かしたい」と述べて、イベントを締めくくった。