第4回:スマートフォンに未来を託して

 急速に普及台数を伸ばしているスマートフォンは、ゲームにとってもっとも熱い市場だ。いま、グリーもスマートフォン向けアプリに注力し、期待作を続々と生みだしている。開発陣のスマートフォン向けアプリにかける熱い想いを、月イチ連載でお届けする。(全4回)

 スマートフォン向けアプリを制作しているクリエイターのこだわりを訊く本コーナー。最終回にあたる今回お招きしたのは、『ボクらのCaveTown』の配信を間近に控えたアールフォース・エンターテインメントの代表取締役社長・横山裕一氏とアシスタントマネージャー/チーフプランナー・高橋徹氏。グリーでパートナーをサポートする屋島新平氏と浜村雄人氏を交え、『ボクらのCaveTown』の開発秘話などに迫る。

GREE Platform 開発陣が語るスマートフォン向けアプリにかける想い!(第4回)_10
(左から)
アールフォース・エンターテインメント
アシスタントマネージャー/チーフプランナー 高橋徹氏

アールフォース・エンターテインメント
代表取締役社長 兼ゲーム職人 横山裕一氏

グリー
マーケティング事業本部 ジャパンデベロッパーリレーションズ3グループ
グループリーダー/コンテンツディレクター 屋島新平氏

グリー
マーケティング事業本部 ジャパンデベロッパーリレーションズ 2部 浜村雄人氏

コミュニケーションはエンターテインメントだ

GREE Platform 開発陣が語るスマートフォン向けアプリにかける想い!(第4回)_05
▲アールフォース・エンターテインメント 代表取締役社長 横山裕一氏。

屋島 そもそもアールフォース・エンターテインメントさんは、コンシューマー用ソフトを手掛けていらっしゃったんですよね?

横山 そうです。僕たちが会社を作ったのが1999年でして、けっこう長くやっていますね。とはいえ、ゲーム会社としては後発なので、「ネットワークに特化したゲーム会社にしよう」ということは、最初から念頭にありました。ネットワーク機能を実装していたのが、セガさんのドリームキャストしかなかった時代です。ハドソンさんの『北へ。Photo Memories』のディレクションを、ひょんなことから担当することになって、最初は仕様書になかったのですが、インターネットを使ってオマケデータを配信するといった要素を入れたりしました。

屋島 懐かしいですね(笑)。そもそも横山さんがオンラインゲームの可能性に目覚めたのはいつごろだったのですか?

横山 あれは中学生のときですが、アラン・ケイの論文をSF小説と間違えて借りまして(笑)。

屋島 それはまた、すごい坂を登りましたね(笑)。

横山 当時でもすでに10年前くらいの論文だったのですが、ダイナブック構想というのがものすごくおもしろいわけですよ。本論は教育のコンピューターの話なのですが、構想ではコンピューターがつねに自分の身のまわりにあって、ネットワークでそれらがつながる、というもので、これでゲームをやったらおもしろいだろうなって思ったんですね。

屋島 なるほど。

横山 あと、もうひとつありまして。高校を卒業したばかりのころに、コンサートに出かけたんですよ。

屋島 は、はい? 話が飛びましたね(笑)。

横山 飛びましたが、あとでちゃんと合流しますから、安心してください(笑)。コンサートには時間を間違えてメチャクチャ早くついてしまったんですね。それで、コンサート会場の隣でたまたまやっていたNeXT stationの発表会に入ったんです。このコンピューターを開発したNeXT Computerという会社は、スティーブ・ジョブズがアップルを辞めて作った会社だったのですが、ジョブズは知っていたけど、まだアップルにいると思っていたくらいです。そのころコンピューターの発表会といったら、パソコンを倉庫に並べて展示するといった体のものがほとんどだったのですが、NeXT stationの発表会はオフィスやリビングルームを仮想したスペースにコンピューターが1台ずつ展示されているという小洒落たものでした。さらに、コンピューターは全部イーサネットでつながっている。当時イーサネットなんて知らないから、「これは魔法のケーブルなのか?」と(笑)。部屋間でオンラインプレイを楽しみながら、マルチタスクでチャットもできる。それがものすごくおもしろくて、「ゲームはネットワークしかない!」と確信しました。

屋島 なるほど。

横山 一方で、ゲーム開発に携わるようになってからシナリオを書いていたのですが、そこでシナリオの限界というものも感じていたんです。スタンドアローンだと、自分で書いたストーリー以上のものを、お客様に提供できない。ところがネットワークだと、自分の書いた本+αで、可能性が無限に広がるわけです。新しいエンターテインメントが形作られていくわけですね。

屋島 要所要所でオンラインを意識させられたわけですね。ところで、当時はどのようなオンラインゲームにハマっていたのですか?

横山 オンラインゲームはいろいろと遊びましたが、けっきょくいちばんハマっていたのはBBSかなぁ。コメントを書いて、それに誰かが返事を出してくれる。それに対していかにボケるか、あるいは突っ込むか……。学校から帰ってきたら何件レスがついているか、それは僕にとって最大のゲームでした。僕らが体験したのは、クローズドな、本当に知り合いだけのネットワークで、コミュニケーションのルールを自分たちで決めてやっていく。

屋島 すごくよくわかります。グリーの自社ゲーム開発チームと話をしていても、日記やニフティーサーブが楽しかったという人はけっこう多いです。そもそもグリーにしても、SNSの会社ということもあって、コミュニケーションそのものがエンターテインメントだと言える。そこにルールを持ち込んだのがオンラインゲームだというのは、けっこう根付いていますよね。そこは、グリーのモノ作りの思想と御社の共通点かもしれないですね。

横山 やっぱり僕は、ゲームって、サービス業だと思っているんです。僕は、この会社を始める前はコックやウェイターをしていたのですが、飲食業もコミュニケーションなんですよ。お客様に対してどのタイミングでメニューを渡そうとか、カップルだからいまはそっとしておいてあげようとか(笑)。そういうのを考えるのがすごくおもしろくて。ゲームというのは、それをルール立てて提供してあげるものだと信じています。

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▲グリー マーケティング事業本部 ジャパンデベロッパーリレーションズ3グループ グループリーダー/コンテンツディレクター 屋島新平氏。

屋島 いわゆる“おもてなし”ですね。それにしても、飲食業からゲーム業界とはとんでもない転身ですね。

横山 意外にあまりないですね。この話を真剣に始めたら、とても長くなりますので、またの機会に譲りますが、かいつまんで説明すると、飲食業をやりながらインディーズでゲームも作っていたんです。そこで賞もいただいたりして、自分たちの作ったゲームがけっこう流通したんですよ。飲食業をやっていくよりも、ゲームだと自分のサービスをたくさんの人に提供できる。それがワールドワイドだと数億人を相手にできると考えたときに、ヨダレが止まらない(笑)。しかも、僕自身がそうなのですが、ゲームによって人生を変えられているわけです。自分のサービスで他人の人生に影響を与えられるなんて……ということで、ゲーム業界に飛び込むことにしました。そのあといろいろなゲームメーカーに履歴書を送ったのですが、落とされまくったんですけどね(笑)。それでゲーム会社に入れず、仕方なくゲーム会社を作りました。

屋島 世の中、何がどう転ぶかわからないですね(笑)。

横山 話を戻しますと、会社を設立して少ししてからdocomoさんからiモードが出ることになって、「これはおもしろい」ということで、携帯電話でゲームを作ることにしたんです。友だちからは「そんな会社は潰れてしまう。携帯電話でゲームを遊ぶ時代なんか来ないよ」などと言われたのですが、アプリを開発していくうちに、「これは常時接続の時代が来る」と実感しました。また、制約の多いシステムの中で、いかにコミュニケーション要素を取り入れていくか……というのは、開発者である我々にとってたいへんな部分でもあり、知恵の使いどころでもありました(笑)。だから、スマートフォンが出たときに、「自分たちがやりたいことをお客様に届けられるのはこれしかない!」と思いました。

浜村 スマートフォンの時代が来るという信念があったのですか?

横山 あと数年したら、スマートフォンにすべての機能が集約されるとは思っていました。iPhoneが出たばかりのころは、スティーブ・ジョブズという強烈な存在が業界を引っ張っていくだろうなという思いもありましたし。とは言え、振り返ると思い込みだっただけかもしれません(笑)。「そうなってほしい」、「そうなるべきだ」という気持ちは強かったですね。

屋島 そうなんですよね。選択に悩んだときの最大のポイントは“強い信念”だと思います。「これしかない」、「ダメだったらしょうがない」というところまで気持ちを持って行かないと、なかなかそこまで思い切ったことができないですよね。

横山 でも、「スマートフォンでやろう!」と言っても、なかなか社員のノリが悪くて(笑)。いっしょに仕事をしているメーカーさんに相談しても、「海のものとも山のものともつかないものに……」という感じでした。それで、このままではらちがあかないので、自分たちで独自でゲームを作ろうということで、一旦受託ラインを切ってまでリリースしたのが『CoinFalls 忍』です。それがApp Storeでいきなり1位になって、「運がええなー」と(笑)。もちろん、スタッフのがんばりもありました。チームメンバーが本当にこだわってくれて、いかに気持ちよく画面上で銭を投げられるようにするかだけでも、2~3週間かけてくれたりしたんですよ。何よりうれしかったのは、ゲームを遊んでくれた世界中のユーザーからダイレクトでお便りが来るところです。それでぐっときて、「これしかないな」と。それで、社内のラインを半分止めて、いまはスマートフォンに特化している感じです。

屋島 このたびGREEプラットフォーム向けに『ボクらのCaveTown』を開発していただきましたね。

横山 グリーさんがスマートフォンに本気で取り組まれるということで、「じゃあ、俺たちの本気もぶつけようぜ!」ということで、GREE Platform Conferenceに参加したんですよ。そうしたら、前職でいっしょに仕事をした方がグリーさんにいて、「お待ちしておりました!」と(笑)。そのときに「スマートフォンのタッチパネルにタッチをしたら、穴が掘れるゲームを作りたい」という話をしたんです。それが、『ボクらのCaveTown』が生まれるきっかけですね。

浜村 それで1年近くグリーと関わっての印象はいかがでした?

横山 印象的なのは主人公のチェンジですね。

一同 ああ~!

横山 『ボクらのCaveTown』は、洞窟を掘っていくゲームということで、最初の設定ではアリが主人公だったんですよ。それが、ある日連絡が来て、「アリはちょっと……」と。

屋島 じつは、グリー側でそれを言い出したのは私だったりするのですが……(笑)。

高橋 ずっとアリで行くつもりだったので、みんなして「何事だ?」という感じだったのですが、試しにほかのキャラをおこしてみようということで、いまのベースになるキャラを描いたら、みんな手の平を返したように、「これはいいじゃん!」ってなりました。

屋島 最初の企画書を拝見させていただいたときに、“育成系で穴を掘るソーシャルゲーム”ということで、企画としてすごく尖っていて、おもしろいなと思ったんです。ただひとつだけ、主人公がアリというところが、何か人を寄せ付けない雰囲気を発しているように感じられて、スタッフで集まって「アリかー」って悩んだんですね。

横山 最初は本当にアリでしたからね。それが画面上にうようよいて、それはそれで気持ち悪くてインパクトがありました。

屋島 育成系のタイトルって、女性の方にプレイしていただくことが多いのですが、当初のデザインだと「これは女性にはキツイだろうなあ」というのがあって、やっぱりかわいらしいキャラが「えいや、えいや」と穴を掘っていくみたいなのが男女を問わず受けるだろうな……ということで提案させていただいたんですよ。

浜村 屋島さん、いまになって汗をかいてますよ(笑)。

横山 グリーさんから、「主人公を変えてほしい」という提案があったときは、社内でも非難轟々だったのですが、いざ新しいのができたら「これ、いけますね!」と。

屋島 新しい主人公のデザインがきたときは、「このタイトルはこれで大丈夫だ!」みたいな感じでグリーが湧きましたね。

横山 でも、名前は“アンコ”のままなんですけどね。最初にユーザーさんが遊ばれるときは、「なぜアンコなんだろう?」って思われるかもしれないですが、語源がアント(アリ)なんですね。

高橋 ささやかな抵抗が(笑)。

横山 我々ゲームクリエイターというのは、機能を作るのは得意なのですが、それだけで満足してしまうんですね。いちばん重要なのは、作った機能をいかに遊んでもらうことにあるのですが、グリーさんにその点についてアドバイスをいただけたのが非常にありがたかったです。いわゆるユーザーの導線ですね。

屋島 グリーのプラットフォームビジネスに関わっている人間たちは、基本的にゲームが大好きなので、対メーカーさんとの関わりにおいても、けっこう込み入ったことまで突っ込んじゃうんですね。マネタイズもソーシャルも関係ないとばかりに、「キャラはアリじゃないほうがいいんじゃないだろうか?」というところから、ゲームの導線の話まで突っ込んじゃうので、端から見ていて、僕もいつも冷や冷やしています。おおむね、好意的に受け止めていただけているようで、ありがたい話なんですけどね。

横山 企画に対してリスペクトしていただているのは、非常に強く感じます。最初、グリーの担当の方にお話をもっていったのは、“タッチで穴を掘る”、“掘った穴に潜る”というふたつだけだったので、そこから話を膨らませて、よくぞここまで見守っていただいたな、と思います。あと実感するのは、僕らのゲームを本当によく遊んでくれていることです。ユーザー目線でご意見をいただいているので、「いまさら言うなよ~!」とか思いながらも、鋭いところまで突っ込んでくることには感謝しています。僕らが目をつむろうとしていたことに対しても的確に突っ込んでくる(笑)。

屋島 嫌なヤツですよね。

横山 じつは、開発中もけっこうグリーさんの名前は利用させていただいているんですよ。たとえば、プランニングチームが「この機能を入れたいな」と思っても、デザイナーやプログラマーが難色を示すことがある。そんなときに、「グリーさんにこうアドバイスをもらったんだけど……」と言えば簡単に解決するんですよ。

屋島 (笑)。それは、我々の本望ですね。ゲームの開発って、苦しい局面がすごくたくさんあって、超えなければいけないハードルも多い。ゲームはある意味で、絶妙な妥協をしながら作っていくものなのでしょうが、そのときにゲームに対する強い思いを持っている人の数が、そのゲームのクオリティーを決めるひとつのパラメーターになると個人的には思っています。僕らはゲームを作るスキルはパートナーさん(ゲーム開発会社)には到底かなわないので、せめて、僕らは自分たちが担当しているタイトルに対しては、「強い思いを持とうよ」という話はしています。パートナーさんのタイトルを好きになるのは、パートナーさん以上にできたりするので、そこはすごく大事にしています。そういった意味では、遠慮なく言ってしまってすみません。

横山 いえ。そこは共同作業でゲームを作っていくうえではとても大切なことなので、非常にありがたいです。

浜村 僕も、アールフォース・エンターテインメントさんのタイトルを担当させていただいて、「ここをこう直したらいいな。でも、それはすごくたいへんなんだろうな」って、さすがにわかっていたりもするのですが、知らないふりをして無邪気に要望を出してみたりしました。

横山 そう! まさに先週ですよ。発売まで1ヵ月を切って、「やっぱりモンスターは進化したほうがいいですねー」って、浜村さんからリクエストがありまして。僕も高橋も、「そうですよね。それはわかってはいるんですけどねー」と打ち合わせのときにうつむいてしまいました。もし、皆さんがこの記事をお読みになるころに、モンスターが進化する機能が実装されていたら、それは現場のがんばりがあったということで、褒めてやってください(笑)。

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ダンジョンでコミュニケーションを成立させる『ボクらのCaveTown』

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▲アールフォース・エンターテインメント アシスタントマネージャー/チーフプランナー 高橋徹氏。

浜村 せっかくなので、最新作『ボクらのCaveTown』の見どころを教えてください。

高橋 自分でブロックを掘って、自分の好みでダンジョンの構造を作っていけるところです。ほかのユーザーのダンジョンに潜ることもできますので、「こんなダンジョンが作れるんだ」という新たな発見もある。ユーザー自身の”気づき”というか”成長”といった要素をうまく出せればいいなと思っています。

横山 ダンジョン自体がコミュニケーションなんです。友だちのダンジョンに潜ると、相手がどういう考えでダンジョンを掘ったのか、何となくわかる。本作は、ダンジョンというものを媒介にしたネットワークコミュニケーションだと思っています。とくに気に入っているのが、ダンジョンの最後に出てくる宝箱をどうやって開けるかの仕掛けです。この宝箱はふつうにしていても開けられなくて、友だちや知らない人が潜り込んできて、100人がモンスターに倒されることで、ようやく開くようになっているんです。洞窟を掘っただけで終わりというわけではなくて、そこに潜ってもらって、しかも自分の置いたモンスターに食べられてもらわないといけない。そこには、「友だちに食べてもらう」というコミュニケーションも成立するのかな……と(笑)。ダンジョンを通して語り合えたらおもしろいと思っています。

屋島 自分が発信したものに対するインタラクションを楽しむ……というのは、冒頭でおっしゃっていたBBSに通じるものがありますね。その辺は、アールフォース・エンターテインメントさんのブレない思想のようなものなのかもしれませんね。

横山 それは、高橋の志向とも重なるものかもしれませんね。高橋もオンラインゲームが大好きで、「オンラインゲームをどうやっていろいろなお客様にシンプルに楽しんでいただくか」ということを考えている。企画会議をしていても、「お客様に表現させてあげたい」というのは、つねに言っています。

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▲グリー マーケティング事業本部 ジャパンデベロッパーリレーションズ 2部 浜村雄人氏。

屋島 そこはアールフォース・エンターテインメントさん節ですかね。

横山 とはいえ、もしかして話を聞いている読者の皆さんからすると、『ボクらのCaveTown』は「ちょっと難しいんじゃないか?」と思われる方もいるかもしれないのですが、実際のところはものすごく簡単なんですよ。画面をタッチして穴を掘るのですが、知らず知らずのうちにダンジョンみたいになっていく。そこがすごくおもしろくて。上級者にもカスタマイズの余地を与えているのですが、誰でも直感的に遊べるということが本作のポイントだと思っています。

屋島 たしかに何も考えなくてもサクサクと掘っていけたりするので、“掘る”という行為そのものに喜びがありますよね。

横山 そうなんですよね。じつは、洞窟をキレイに掘ったように見せるのもけっこうたいへんで、掘ったあとのグラフィックにしても、角によってパターンがいろいろとあるんですよ。背景も、掘りかたによって、ところどころ変わったり。

屋島 それは凝っていますね。

横山 ある意味、「あほか!」というくらい力を入れていると思いますよ(笑)。

屋島 『ボクらのCaveTown』は、僕らも自信を持ってお届けするソフトなのですが、今後のスマートフォン向けアプリの展望についてはどう思われています? ここ1~3年が山場であり、勝負どころだと思うのですが……。

横山 僕ら不器用なので、どちらかというと流行っていることができないんです。よく周りからは、「カードバトルを作ればいいのに」と言われるのですが(笑)。僕らは、ほかのクリエイターの方が、僕らよりもうまく作れるのなら、その人たちに任せておけばいいと思っています。僕らには、僕らにしか作れないものがあると思うし、なおかつお客さんに受け入れられるものがそこから生まれてくるハズだと信じています。スマートフォンという、これから新しく立ち上がっていく市場において、「スマートフォンユーザーにできる僕らのベストは何か?」というのを考えないといけない。基本的には、世界に通用するスマートフォンのネイティブアプリを、この1年は集中してやっていきたいと思っています。

屋島 では最後に、これからスマートフォン向けアプリを開発しようと思っているクリエイターに向けてのメッセージをお願いします。

横山 これは、僕の考えが特殊なのかもしれないのですが、個人的にはコンシューマーとか携帯とか、あまり関係ないと思っています。“そこにお客様がいる”という、ただそれだけです。ソーシャルゲームとこれまでのゲームの違いは何かというと、コンビニエンスストアなどでPOSシステムが導入されたのと同じことが起きているだけだと理解しています。POSシステムの発明で、流通業界に大革命が起きましたよね。いままで想像するしかなかったお客様の行動などが、統計として把握できるようになった。ゲームでも同じことで、ユーザーのゲームへの思いやベネフィットを把握できるようになった。それらのツールを、どうつぎに活かすかが、クリエイターに求められているのだと思います。それは、スーパーファミコンでL・Rボタンが付き、ニンテンドーDSで2画面になったというのと、ある意味でいっしょです。このツールを使いこなして、世界中のゲームファンに支持してもらえるゲームを作っていきましょう。

『ボクらのCaveTown』

新感覚の穴掘りライフソーシャルゲーム。洞窟を掘ると生まれる妖精”アンコ”を主人公に、地底都市を作り上げていく。ユーザーは穴を掘って資源を獲得し、街を発展させていくことになる。”アンコ探検隊”を編成して、友だちや見知らぬ誰かが掘った洞窟に探検することも可能。指1本で穴を掘ることができるなど直感的なタッチ操作が特徴だ。ほかのプレイヤーが作ったダンジョンに遊びに行くこともできる。ときに宝箱をゲットすることも。ボクらの指先は夢の地図を描くピッケルだった!?

GREE Platform 開発陣が語るスマートフォン向けアプリにかける想い!(第4回)_01
GREE Platform 開発陣が語るスマートフォン向けアプリにかける想い!(第4回)_02
GREE Platform 開発陣が語るスマートフォン向けアプリにかける想い!(第4回)_03

■対応端末:iPhone、Android
■デベロッパー:アールフォース・エンターテインメント
■ジャンル:シミュレーション
■価格:基本無料(アイテム課金型)

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グリーでは、デベロッパーを対象としたセミナーを随時開催中だ。GREE Developer Centerに登録したパートナーを対象としたこちらのセミナーでは、ソーシャルゲームの企画、運用、最新トレンド情報を紹介している。パートナーにとって有益なテーマが多数取り上げられており、グリーのスタッフによる生の声を聞くことができる、貴重な機会と言えるだろう。本セミナーは、定員を超えた場合は抽選で参加 パートナーを決定しているので、早めのお申込みがオススメ。これからソーシャルゲームを作りたいというデベロッパーには最適のセミナーだ。

GREE Platform 開発陣が語るスマートフォン向けアプリにかける想い!(第4回)_04

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