15周年の後だからこそ挑戦を 『テイルズ オブ』シリーズの新たな展開

 バンダイナムコゲームスを代表するRPG、『テイルズ オブ』シリーズ。2011年度はプレイステーション3用ソフト『テイルズ オブ エクシリア』が約65万本を売り上げる(※エンターブレイン調べ)など、大きな飛躍を見せた。そんな本シリーズのこれからの展望とは? バンダイナムコスタジオの馬場英雄プロデューサーに話を聞いた。
※この記事は、週刊ファミ通2012年5月31日号(2012年5月17日発売)に掲載されたものです。

■『NEXT TALES OF(仮題)』のイメージビジュアルを公開!
2012年6月2日、3日に行われるイベント“テイルズ オブ フェスティバル”で発表予定の、シリーズ最新作(正式タイトル、ハード、発売日などは未定)のイメージビジュアル。近代的な駅や、大きな灯台と鉄道橋などが描かれている。

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新たな世界観でチャレンジする『NEXT TALES OF(仮題)』バンダイナムコスタジオ馬場英雄プロデューサーインタビュー_01

バンダイナムコスタジオ設立によりゲーム開発はより積極的に

新たな世界観でチャレンジする『NEXT TALES OF(仮題)』バンダイナムコスタジオ馬場英雄プロデューサーインタビュー_08
バンダイナムコスタジオ プロデューサー
馬場 英雄氏
『テイルズ オブ ハーツ』、『テイルズ オブ グレイセス』、『テイルズ オブ エクシリア』など、多数のシリーズ作品のプロデューサーを務める。

――――始めに、2011年度のシリーズ展開を振り返っての感想をお聞かせください。
馬場英雄氏(以下、馬場) とにかく、突き進んだ1年でしたね。シリーズ15周年記念タイトルの『テイルズ オブ エクシリア』(以下、『エクシリア』)を始め、新ハードのプレイステーション Vitaでは『テイルズ オブ イノセンス R』を発売しましたし、携帯電話やスマートフォンでの新しい取り組みも行いました。スタッフ一同、なりふりかまわず走り回りましたね。

――結果、とくに『エクシリア』は大ヒットを記録しました。そんな15周年を終え、16周年を迎えてのシリーズの展望をうかがいたいのですが、その前に、2012年4月2日に設立されたバンダイナムコスタジオについて教えていただけますか?
馬場 バンダイナムコスタジオは、バンダイナムコゲームスの開発チームが分社化してできた会社です。コンテンツ開発により集中できる環境を作る、という目的で設立されました。

――馬場さんもバンダイナムコスタジオに転籍されたんですよね。
馬場 はい。自分を始め、『テイルズ オブ』チームのスタッフ全員が、気持ちを新たにし、転籍しています。

――この組織変更によって、シリーズに何か変化が起こるのでしょうか?
馬場 ゲームを作るという仕事自体は変わりませんし、むしろもっと積極的にいろいろやりたいと思っていますので、コンテンツの幅はさらに広がると思います。とくに『テイルズ オブ』チームは、これまで離れた場所で作業していたスタッフたちがみんな同じ場所に集結しますので、より開発しやすい環境になりますし。

――ゆくゆくは、ほかの開発チームとの人材交流なども行われるのでしょうか。
馬場 ええ、可能性は十分にあります。もしかしたら『テイルズ オブ』のスタッフが、『鉄拳』や『アイドルマスター』のチームに行くかもしれませんし、逆に『ソウルキャリバー』や『太鼓の達人』のスタッフが、『テイルズ オブ』チームに来るかもしれない。新しいスタッフが入ることで、プラスの効果が生まれるかもしれませんね。

――それは楽しみです。では、あらためて16周年の展望をお聞きします。昨年の盛り上がりの後ということで、プレッシャーも大きいのではと思いますが……。
馬場 その通りです。僕がいまスタッフに言っているのは、「15周年だったから盛り上がった、とは言われたくない」ということ。15周年記念タイトルという冠がついた『エクシリア』と比べられるつぎの作品、それがいかに重要なのか、我々はかみしめながら展開していかなければなりません。

――そんなシリーズ最新作が、6月2日、3日に開催される“テイルズ オブ フェスティバル”で発表されるとのことですが……今年のフェスティバルは、かなりの規模ですね!
馬場 フェスティバルも5周年ということで、初めて横浜アリーナで開催することになりました。公演時間は、なんと4時間以上あります。ファンの皆さんと濃密な時間を過ごすべく、声優さんたちによる館内放送(影ナレーション)から、おなじみのスキット(朗読劇)、物販にいたるまで、力を入れて企画しています。新作発表も、皆さんに楽しんでいただくための企画のひとつですね。

新作のテーマは“少女のために、世界を壊す覚悟はあるか?”

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――発表に先行して、新作のイメージビジュアルが公開されましたが、いままでのシリーズ作品とは印象が大きく異なりますね。
馬場 そう思っていただくのが狙いです。第一印象で「えっ、何これ!?」、「『テイルズオブ』って、こういう雰囲気のものもあるんだ」と驚いていただけるような、新しい世界観の表現にチャレンジしています。

――これはマザーシップタイトルですよね。
馬場 もちろん、そうです。『テイルズ オブ』シリーズは、いわゆる剣と魔法のハイファンタジーの世界をベースの舞台にしてきましたが、今回はその中でも、人間の文明というものが世界観に色濃く出ています。近代的で、ちょっと無機質な。

――この世界で、どんな物語が展開されるのか、気になります。
馬場 詳細はまだ言えませんが、本作のキャッチコピーは、“少女のために、世界を壊す覚悟はあるか?”です。物語にもシステムにも関わってくるコピーです。

――“世界を壊す”とは、非常に重いテーマが突きつけられる物語が想像されます。
馬場 はい。今回は、15周年記念タイトルのつぎだからこそ、新しい世界、物語で勝負するつもりです。もちろん、『テイルズ オブ』らしいプレイ感覚は入っていますけれどね。つぎなる『テイルズ オブ』のステージに向けての、僕たちの挑戦です。

――なるほど。ところで、この新作以外にも開発中の作品があるとお聞きしましたが。
馬場 もちろんあります。ほかにも家庭用ゲームや携帯電話、スマートフォンなどで、多数の企画を検討していますので、発表できる時期が来たら、皆さんにお伝えしたいと思います。

――楽しみにしています。では、最後に読者へメッセージをお願いします。
馬場 まもなく開催されるテイルズ オブフェスティバルは、今年で5周年。毎回多くの皆さんが足を運んでくださって、本当にありがたいと思っています。今後もフェスティバルはどんどん盛り上げていきます。そして、そのフェスティバルを盛り上げる土壌を作るのは、やはりコンテンツ開発です。6月2日、新たなコンテンツを皆さんにお披露目します。ぜひご注目ください。

※“テイルズ オブ フェスティバル 2012”で販売される、エンターブレイン製の『テイルズ オブ』グッズ一覧は→こちら

■『テイルズ オブ』ファン注目のお知らせ!
・その1
『NEXT TALES OF(仮題)』の予告CMオンエア決定!
2012年5月21日(月)、2012年5月28日(月)20:00~20:54放送のフジテレビ系26局ネット(TOS・UMK除く)『HEY!HEY!HEY!』をチェック!!
※番組内容は予告なく変更となる可能性があります。

・その2
2012年6月2日開催の“テイルズ オブ フェスティバル”における新作発表コーナーが、公式ポータルサイト“テイルズチャンネル+”(→こちら)の会員(無料)向けに生中継されることが決定!