デジタルエンタテインメント事業を中心に増収増益を達成

 2012年5月14日、スクウェア・エニックス・ホールディングスが平成24年3月期の決算短信を発表。売上高は前年同期比2.1%増の1278億9600万円、経常利益は同91.0%増の102億9700万円に。純利益は120億4300万円の損失だった前年同期から大幅に改善され、60億6000万円の利益となった。

 セグメント別では、デジタルエンタテインメント事業は、日米欧で発売された『ファイナルファンタジーXIII-2』、『Deus Ex:Human Revolution』が順調にパッケージ販売を伸ばし、業績に貢献。さらにブラウザ・スマートフォンをプラットフォームとしたコンテンツでも、『戦国IXA(イクサ)』が引き続き好調であることに加え、2012年1月にサービス開始したMobage向け『ファイナルファンタジー ブリゲイド』の累計登録会員数が3月に200万人を超え、コンテンツの課金収入が継続して伸長したとしている。
 以上からデジタルエンタテインメント事業は、当連結会計年度の売上高は718億7100万円(前年同期比11.9%増)、営業利益は126億200万円(前年同期比11.7%増)となった。
 そのほかアミューズメント事業は、施設運営・機械投資の効率化により、売上高419億2100万円(前年同期比6.9%減)、営業利益25億5200万円(前年同期比17.2%増)の減収増益に。出版事業は、2011年3月期に大型タイトルが連載終了したことに伴い、売上高は113億3500万円(前年同期比13.1%減)、営業利益は25億7500万円(前年同期比19.6%減)の減収減益に。ライツ・プロパティ等事業は、売上高は27億6700万円(前年同期比8.3%減)、営業利益は7億4200万円(前年同期比9.1%増)の減収増益となった。

 次期の見通しとしては、ブロードバンド通信環境の普及やデジタルエンタテインメントコンテンツの利用環境の多様化によるユーザー層の拡大により、新しい事業環境への移行期にあるとしたうえで、このような環境変化を新たな収益を獲得するチャンスと捉え、安定した収益基盤を確立しているネットワーク関連分野の事業推進を含め、より多くの顧客に自社コンテンツの魅力をアピールしていくとし、平成25年3月期より本格的な収益改善を目指すと述べられている。

 以下、今回の決算短信発表にあたってのスクウェア・エニックス・ホールディングス和田洋一代表取締役社長のコメントを抜粋する。

「当社グループの2012年3月期の業績は、家庭用ゲーム機向けの大型タイトル(『Deus Ex:Human Revolution(米欧日)』、『ファイナルファンタジーXIII-2(日米欧)』)が順調にパッケージ販売を伸ばしたことに加え、ブラウザ、スマートフォン等の成長分野に向けたコンテンツが継続して伸長しました。
当該事業年度は、成長分野向けのコンテンツにおける成功事例の創出、主要オンラインゲーム・タイトルの品質向上、グローバル体制の強化など、グループの収益力強化に向けた取り組みが順調に進捗いたしました。2013年3月期は、改革をさらに加速させ、本格的な収益改善を目指していく所存であります。」