世界トップクラスの任務遂行能力と精神力を兼ね備えたTier 1の視点から描かれる戦場

 エレクトロニック・アーツは、2012年4月19日と20日(現地時間)、イギリスのロンドンにてプレスを対象に、今後発売する新作のプレゼンテーションや実機デモなどを行う“EU SHOW CASE”を開催した。

 出展されたおもなタイトルは日本でも発売が決定したばかりの『メダル オブ オナー ウォーファイター』や『クライシス3』、『バトルフィールド3』のダウンロードコンテンツ“Close Quarters”など。ここでは、『メダル オブ オナー ウォーファイター』についてお届けしよう。

特殊部隊隊員の故郷や戦場での生活までもリアルに描かれる

 既報(→こちら)のとおり、日本国内でもプレイステーション3、Xbox 360、PC用ソフトとして2012年秋発売予定と発表された『メダル オブ オナー ウォーファイター』。2010年に発売された『メダル オブ オナー』に続く本作は、世界各地の紛争地帯で人知れず作戦に従事するTier1オペレーターの資格を持つ特殊部隊隊員たちの活躍を描く。本作では、世界各地で現実に起こった紛争を題材にしており、実際に起きている事件や紛争に基づいたミッションでプレイヤーは敵と戦うことになる。

『メダル オブ オナー ウォーファイター』で垣間見えたシリーズの進化形【EA EU SHOWCASE 2012】_06
『メダル オブ オナー ウォーファイター』で垣間見えたシリーズの進化形【EA EU SHOWCASE 2012】_05
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『メダル オブ オナー ウォーファイター』で垣間見えたシリーズの進化形【EA EU SHOWCASE 2012】_09

 デモの内容を簡単にまとめると、Tier1の隊員である主人公たちは半ば水没したイサベラをボートで進み、人質が監禁されている建物に到着する。奥へ進んでいくとドアがあり、ドアに突入するシーンでは、蹴り開ける、フラッシュバン(閃光手榴弾)を投げ込むといったが選択肢が表示。フラッシュバンを使用して突入すると、スローモーションになり、その最中に敵を全員を倒し、人質を救出。人質を連れて、冠水した道路からボートで脱出するシーンでは、建物の屋上から撃ってくる敵を重機関銃で銃撃。最後に迎えに来たヘリと合流して脱出するという流れだ。

 『バトルフィールド3』と同じく最新のゲームエンジン“Frostbite 2”を活用したグラフィックはリアルで戦場の空気感を感じるほど。本作ではさらに水の表現も強化しているとのことで、水のうねりやしぶきなど、上記のほぼ水没したイサベラといった特殊なシチュエーションでの戦い、脱出後の水上での戦いもかなり臨場感あるものになっていた。

 本作は舞台を世界規模に広げており、イサベラのミッションはその中のひとつ。プレイヤーは、実際に世界各国で発生したテロ事件をモチーフにした、リアリティー溢れるミッションを多数経験することとなる。リアルさの追求には、元特殊部隊の隊員を開発チームに加えたことで、細部にわたり現実に近いアクションが反映されているという。ちなみに、その元特殊部隊のひとりもプレゼンに同席しており、「本作ではすべてがリアルですべて見どころ」とかなりの手応えを感じている様子だった。

 ストーリーは、各国のミッションをこなしていくことで、脅威となる存在の実態が徐々に明らかになる作りになっているとのことだ。

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シニア・クリエイティブ・ディレクターに直撃

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シニア・クリエイティブ・ディレクターRich Farrelly氏

 プレゼンが終わったのち、少しの時間だが本作のシニア・クリエイティブ・ディレクターRich Farrelly氏に話をうかがうことができた。その内容は下記。

――Frostbite 2のエンジンを使った現代を舞台にしたFPSとして、同じEAから『バトルフィールド3』がありますが、『メダル オブ オナー ウォーファイター』はどう違うFPSを目指しているのでしょうか。

Rich Farrelly 『バトルフィールド3』は戦車や戦闘機などビークルなどが登場し、ある意味ファンタジックな一面があると思うのですが、『メダル オブ オナー ウォーファイター』では、実際に世界各国で発生したテロ事件をモチーフにしたリアリティーある世界観を目指しています。

――ドアから突入するシーンでは、“ドアを蹴破る”や、“発光グレネードを使って突入する”などといった選択肢からひとつを選び、それを実行して突入していましたが、ほかにどんな選択肢があるか教えてもらえますか?

Rich 大きく分けて3つの行動があり、ドアを蹴破るといった肉体的な行動、銃撃、そして爆発物を使ったものです。※デモ中はゲームを進めると選択肢がアンロックされ、選択の幅が広がるという発言も。

――選択肢の違いによって、どういった効果があるのですか?

Rich そのシチュエーションで有効な選択肢を選んだ場合、その直後の敵側の反撃が抑えめになるなど有利に戦うことができます。イマイチな選択肢だと直後に困難な局面が待ち受けています。

――デモではフラッシュバンを使用後に突入した際、スローモーションになり、瞬時に敵を殲滅する様が描かれていましたが、あれは実際のゲームでも入る演出なのですか?

Rich はい。Tier1オペレーターは精鋭部隊なので、瞬時に正確に敵を仕留める高い技術を持った兵士ですが、スローモーションの演出を加えることによって、プレイヤーもそういった鮮やかな活躍を味わうことができると思います。

――前作と比較すると映画的な演出が増えている印象を受けたのですが、そういった演出を強化しているのでしょうか。

Rich 映画やドキュメントの映像手法を採り入れてリアル感を追求しています。

――最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。

Rich 我々開発スタッフは現在、楽しんで開発することができています。日本で発売されたら、皆さんにもぜひ楽しんでほしいですね。

 
 気になるマルチプレイに関しては、E3で発表とのこと。前作とは違い、本作ではシングルプレイもマルチプレイもエレクトロニック・アーツ直属の開発スタジオDanger Closeが開発を担当するという。E3での情報公開を楽しみに待ちたい。