やり始めたら眠れない!

 シリーズ1作目である『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』が発売され、“手強いシミュレーション♪”というCMがお茶の間に流れたのは1990年。引き算さえできれば誰でも理解できるシステムと、敵に倒された仲間は二度と戻ってこないという緊張感溢れるシステムに魅了された人は少なくないだろう。かく言う俺もそのひとり。初めてのプレイでは、説得すれば仲間になるはずの人物“アストリア”を、容赦なく倒しちゃったなあ……。だって、誰で会話すればいいか、わからなかったんだもん。クリアー後にアストリアを仲間にできる手順を友だちから聞き、速攻2周目をプレイし始めたことは、言うまでもない。
 シミュレーションRPGというジャンルのため、当然ながらプレイ時間はけっこうな長さになるんだけど、それでもくり返しプレイしたくなることが、このシリーズの魅力のひとつだと思う。ユニット(キャラクター)どうしが結婚して、後半のマップでは子どもたちが活躍するというシステムが斬新な『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』でも、結婚の組み合わせをいろいろ試したくて何周もプレイしたし。
 そんな中毒性のある『ファイアーエムブレム』シリーズに、完全新作『ファイアーエムブレム 覚醒』(以下、『FE覚醒』)が登場! リニューアル版を除くと、Wii用で発売された『ファイアーエムブレム 暁の女神』からじつに5年。待ってました!

▲シリーズ22年の集大成とも言える超大作だ。

超気持ちいい! “デュアル”システム

 編集部に『FE覚醒』のROMが到着すると同時に、ほかの仕事を投げ出してプレイ開始。じつは「マイユニット(プレイヤーの分身となる第二の主人公)を作るところまでやったら仕事を片づけようかな……」と考えていたんだけど……無理だった(笑)。手始めにフレデリクの装備を外し(※上級職のフレデリクは育てなくても強いため、序盤は活躍させないのがエムブレマーの常識なんです)、敵を足止めしつつ主人公のクロムとマイユニットを敵陣に斬り込ませる。やばい、この段階でもう楽しい。敵と戦闘するときに味方のユニットが隣接していると、その仲間がサポートユニットとして手助けしてくれる“デュアル”状態で戦ってくれるのだが、メインユニットが敵を斬りつけた直後にサポートユニットが追加攻撃を行う“デュアルアタック”や、敵の攻撃を防ぐ“デュアルガード”が発動したりと、デュアルで戦うといいことづくし。そのため、ユニットを動かすときも、できるだけデュアルが発動するような配置にしていく。「このふたりは絆を深めているから、隣接させればデュアルアタックが発動しやすいかな?」といった、ユニットごとの相性も戦術に組み込んでいく。
 敵との戦闘時は画面が切り換わり、ド派手な戦闘アニメに。戦闘アニメはオフにもできるけど、兵種ごとに細かいアクションが用意されているので、ぜひ観てほしい。個人的にはアサシンの追撃のモーションがお気に入り。敵に切りつけて、さらに反対方向から追撃をくり出すんだけど、必殺の一撃やスキルなどが発動したときのカットインもしっかり逆向きになっていて、超カッコいい! ちなみに、戦闘アニメは早送りやスキップができるほか、敵のターン全体のスキップも可能なので、お忙しい方もご安心を(笑)。

▲めちゃめちゃ凝っている戦闘アニメ。力が暴走するッ!

“俺の嫁”を誰にしようか迷う!

 本作は、ユニットどうしの絆を最高の“S”まで深めると結婚し、子どもがユニットとして登場する『聖戦の系譜』以来の結婚システムを採用している。何十人もいる味方ユニットをどのように組み合わせるか、考えながらプレイするのがまた楽しい。とくに、マイユニットは結婚したときに特別な演出が見られるので、小一時間は悩んだと思う。ちなみに俺が選んだのは行商人のアンナさん。2週目のプレイでは、誰と結婚しようかな……。

▲妻も子どももいて、リア充生活を満喫中の俺のマイユニット。リアルでもこのくらいの本気を出せ、俺。

過去のシリーズを知らない人にこそプレイしてほしい1本

 下画面でアンナさん(俺の嫁)に「疲れを感じる前にひと休みしましょう」と何度も注意されつつも、気がつけばエンディングまでプレイしてしまった……。システム、ストーリー、ボリューム。すべての要素に満点をつけたい。“22年の集大成”という謳い文句に偽りなし! ちなみに、完全新作なので過去作をプレイしていない人でも問題なく楽しめると思います。むしろ、今回がシリーズ初という人にこそ遊んでほしい!


ファイアーエムブレム 覚醒
メーカー 任天堂
対応機種 3DSニンテンドー3DS
発売日 2012年4月19日発売
価格 4800円[税込]
ジャンル シミュレーション・RPG / ファンタジー