同じ展開は二度とない!? ヘンな生き物“Splatters”による一期一会の過激アクション!
カッコよくハジけることに命をかける根っからのパフォーマー生物“Splatters”。そんなヘンテコな生き物を動かしてステージをクリアーしていくアクションパズルが『The Splatters』だ。最近流行りの物理演算による“なめらかな動き”と“Splatters”たちの“独特の質感”がなんともいえない魅力をかもしだす。そのプレイインプレッションを、ライターの豊臣和孝がお届けする。
ゲームの遊びかたは、とても簡単。オレンジ色の矢印カーソルがついた“Splatters”を、左スティックで方向を定め、Aボタンを押す長さで強度を調節して弾き飛ばす。ターゲットは、画面内にある同色のオブジェクト(爆弾)だ。
このとき“Splatters”を直接ぶつけるだけでなく、壁や突起などに叩きつけて“Splatters”を破裂させ、なかの体液……というか液体を爆弾にかけると爆弾が大爆発。ステージ内にあるすべての爆弾を爆発させるとクリアーとなる。画面内にある丸いゲージが持続しているあいだにテンポよく爆弾を爆破させ続けるとコンボ成立で高得点となる。
一見するとパチンコのように発射したあとは運任せのように思える本作だが、実は『The Splatters』ならではの独特のテクニックが多数用意されている。
ひとつは、最初に紹介した“Splatters”を壁などにぶつけて飛び散らせた体液で爆弾を爆発させる超基本テクニック“スラム”。ぶつけた瞬間、矢印カーソルが青く変色する3秒以内に“Splatters”を別の方向に投げて破裂させる“スマック”、Aボタンで軽くジャンプした後、空中で再びAボタンを押して軌道を変える“エアストライク”、RTとLTを押して時間を巻き戻すように軌道を転換する“フリップ”、“Uターン”など、いずれも物理演算を駆使した本作ならではのものだ。
“Splatters”だけでなく、ステージの地形も重要なポイントのひとつ。接触すると“Splatters”が破裂する突起、滑り台のようにスーッとすべっていくスライダーなど、前述のテクニックと組み合わせることで、思いもよらないクリアー方法に気づかされたりもする。じっくり計算してクリアーするのも楽しいが、ときには運まかせで「こんなふうに飛ばしたら、どうなるだろうか?」といった場当たり的なプレイもおもしろい。
本作は自分のリプレイ(クリップ)を保存する機能と、そのクリップを公開するツール“すぷらっTV”が用意されている。配信直後でまだ数は限られているが「これは凄い!」と素直にうならされるものも多く、かなり見ごたえがある。クリアーに煮詰まったときは、世界中のプレイヤーのクリップを参考にするのもいいだろう。
自由自在にはじけまくれる爽快アクションパズル
本作の魅力は、シンプルな操作でいろいろなテクニックを組み合わせて遊べる自由度の高さにあるように感じられる。ステージ構成などである程度の決まりは存在するが、操作するタイミングそのものには結構マージンがあり、これが窮屈さを感じさせない“適度な遊び”になっている。
逆にいうと、その適度な遊びゆえに「あれー、さっきはうまくくいったのになぁ!」という“自分で自分がやったスーパープレイを再現できない”ということも少なからずあるのだが、それもまた一興。シンプルでわかりやすく明瞭なルールゆえに、物理演算がもたらす意図しない挙動がストレスにならず、逆にゲームの魅力を底支えしてくれているわけだ。
シンプルだが、それでいて触ってみると結構奥深い。テンポがいいこともあり、気づいたら数時間……というカジュアルゲームのお手本のような作品。アクションパズルファンは神業リプレイを生み出すべく腰をすえて、それ以外の人はちょっとした合間に楽しめる良作として末永く愛されそうだ。
■筆者紹介
豊臣和孝:フリーライター。ここ10年ほどはWebゲーム媒体メインで執筆中。ファミ通 Xbox 360ではインディーズコーナーを担当。
The Splatters (Xbox LIVE アーケード版)
メーカー | 日本マイクロソフト |
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発売日 | 2012年04月11日 |
価格 | 800 マイクロソフト ポイント |
ジャンル | ファミリー, パズル & 雑学クイズ |
備考 | 開発元:SpikySnail |