PS Vitaに新たな風を吹き込む『シェルノサージュ』、ついに完成!
2012年4月11日、神奈川県・日吉のコーエーテクモゲームス本社にて、ガストのプレイステーション Vita(以下、PS Vita)用ソフト『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』(以下、『シェルノサージュ』。2012年4月26日発売予定)の完成発表会が行われた。
最初に登壇したのは、コーエーテクモゲームス代表取締役社長の襟川陽一氏。ガストがコーエーテクモグループに入ってから初のタイトルとなる『シェルノサージュ』について、襟川氏は「才気煥発な土屋ディレクターが作りだした、独特で新しいゲームです。ぜひともお楽しみください」と述べた。
襟川氏に続いて挨拶したのは、ガスト代表取締役社長の青柳和男氏。青柳氏は、「この企画の話を最初に聞いたのは、2010年でした。土屋くんが、“コミュニティとゲームの融合”を熱く語る姿が印象に残っています。とはいえ、正直なところ、自分は厄介そうなプロジェクトだな、と思っていました(笑)。その後、現行のハードでは思い描いている仕様を実現できず、企画が難航していると聞き、自分としてはやっかいなプロジェクトだから延びてよかった、なんて思っていたのですが……」と開発初期を振り返る。「それからしばらくして、PS Vitaが発売されるとわかり、プロジェクトメンバーは大喜び。PS Vitaは『シェルノサージュ』のために生まれたんだ! などと言っていました(笑)」と、いかにPS Vitaと『シェルノサージュ』のゲーム内容がマッチしているかをアピールした。
また、本日は、PS Vitaの発売元であるソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン プレジデントの河野弘氏も来場。河野氏は「今日この日を楽しみにしていました」と挨拶。「土屋さんとntnyさんの対談が掲載されたゲーム雑誌を読んだのですが、記事には「美しい映像表現を可能にするグラフィックエンジン、ネットワークの機能、コミュニケーションにおいても重要になるタッチパネルの機能、それがPS Vitaにぴったりなんだ」と書かれていたのです。『シェルノサージュ』がPS Vitaの性能をどれだけ引き出してくれるのか、どれだけ使いこなしてくれるのか、楽しみにしています。また、『シェルノサージュ』のような個性的なソフトが、新しいファンにPS Vitaへの興味を持たせてくれることを期待しております。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンとしても、このタイトルをアピールするために取り組んでいきますので、よろしくお願いいたします」と、『シェルノサージュ』への期待を語った。
河野氏の挨拶の後に行われたのは、本作のディレクターを務めるガストの土屋暁氏によるプレゼンテーション。土屋氏は本作について、キャラクターとプレイヤーのコミュニケーション、プレイヤーどうしのコミュニケーション、そして開発スタッフとプレイヤーのコミュニケーションをコンセプトにした新しいゲームであると述べ、ゲームプレイ動画を交えてプレゼンした。
本作は、ヒロインのイオンとコミュニケーションを取りながら進む“コミュニケーションパート”、イオンの心の世界を癒す“夢セカイパート”に分かれている。
イオンは記憶がない状態で、自分が何者なのかわからない。プレイヤーは、彼女の心の世界(夢セカイ)に入り、心の傷を癒してあげられる唯一の存在。夢セカイの中にある廃墟を、妖精“シャール”の力を使って癒すのだ。シャールは、現実世界にあるさまざまなバーコードを読み込むことで生まれる。
また、複数のプレイヤーが、同じバーコードを読む込むと、同じシャールを生み出すことができ、プレイヤーたちはそのシャールの“コミュニティ”に入ったことになる。同じシャールを持つ者どうしでコミュニケーションができるのだ。
廃墟が修復されると、イオンの記憶が戻る。記憶があったころのイオンが、どのように暮らしていたのかがだんだんとわかるのだ。また、イオンの記憶が戻ると、イオンがアイテムのレシピを思い出し、便利なアイテムを作り出せるようになる。
上記で説明してきたように、遊びどころ満載の『シェルノサージュ』。会場には、そんな本作に出演している、イオン役の加隈亜衣、キャス役の水瀬いのり、カノン役の井ノ上奈々がゲストとして登場。
それぞれのキャラクターについて、加隈は「イオンちゃんはおっとり目で恥ずかしがりや。ストーリーが進んでいくにつれて、自分からがんばるイオンちゃんが見られます。空回りもしますが、そんな姿もかわいらしいです」、水瀬は「キャスは機嫌が悪かったりツンツンしてたりして、最初はイオンを受け入れられないんです。とはいえ、恋する女の子らしい一面もあるので、そこを見てほしいですね」、井ノ上は「カノンは凛々しい女性。イオンちゃんのライバルで、同じことを目指していても歩む道が違います。イオンちゃんをどうにかしてあげたいという気持ちがありつつ、ライバルゆえに助けられないので、つねに悩んでいます」とコメント。
また、ほかのキャラクターについては、加隈は「イオンちゃんはカノンさん大好き。素敵だな~って思って見てる(笑)。キャスちゃんはツンツンしてるから、デレ待ちなんですよね」と語る。井ノ上はキャスについて聞かれると、「カノンとキャスってあんまり関わりがないんです……でも、キャスのお父さんとカノンはちょっと関係がありまして。キャスは、お父さんはカノンに取られちゃうし、思いを寄せるター坊はイオンに取られちゃうしで、たいへんなんですよね。報われてほしいです」と述べた。
キャストたちは、最後に「シナリオパートはわりとシリアスなのですが、皆さんが盛り上がっていた楽しいデートシーンもありますので、楽しみにしていてください」(井ノ上)、「世界観がとても壮大で、どんどん進めていくようなシナリオになっているので、PS Vitaを持っていない人もぜひゲットして、私もゲットしますので(笑)、ぜひ楽しんでください」(水瀬)、「『シェルノサージュ』はたくさんの方に愛情を注いでいただいて作られている作品です。長くいっしょに、楽しんでもりあがっていきたいと思います。よろしくお願いします」(加隈)と、ユーザーにメッセージを送った。
キャスト退場後に行われた質疑応答では、土屋氏が回答。ネットワーク関係の試みについて聞かれると、土屋氏は、「Webと連動する、ゲームの外からゲームの中へ、ゲームの中からゲームの外へつながるような試みを企画しています。また、ダウンロードコンテンツについても、有料の追加シナリオだけでなく、コスチュームの単品販売、シャールのアクセサリーの更新、イオンとの会話内容の無料アップデートなどを予定しています」と答えた。
なお、土屋氏と加隈は、2012年4月24日(火)20:00よりニコニコ動画とUstreamで配信される、“コーエーテクモLIVE!”に出演が決定。『シェルノサージュ』が楽しみという人は、ぜひこちらも観てみよう。