個性的なサブキャラクター、ロボットも続々公開
ポケコン、キャラクター、ロボット、君島レポート、イベントCG、スクリーンショット……怒涛の新情報が新たに公開され、『ロボティクス・ノーツ』への期待は高まる一方! 今回も志倉氏にバッチリお話を伺ってきたので、科学ADVのファンは必見の内容となっておりますよ~。『ロボティクス・ノーツ』に紐付いた特別編は(おそらく)あと3回、発売日まであと少しだけお付き合いください。ストラテジーの後編にもぜひ注目してね!
MAGES.代表取締役社長でありながら、音楽プロデューサーとしても活躍。また、『カオスヘッド』、『シュタインズ・ゲート』を代表とする、アドベンチャーゲームの企画・原案を手掛けるほか、ラジオのパーソナリティーを務めるなど、マルチな才能を発揮している。
■ロボ部の頼もしい味方!? 新たなサブキャラクター
──今回もかなりの素材をいただきました。サブキャラクターも新たに何人か公開されましたね。あき穂は父親の健一郎を通じて、JAXAにロボット開発の助っ人を頼むのでしょうか。
志倉 まあそうです。そうでもしないと、高校生が巨大ロボットを作るのは無理でしょうから。健一郎さんはビジュアルの通り温厚そうなお父さんで、オタクな素養も持っている人ですね。
──ロボットアニメやプラモデルが大好きとありますね。
志倉 そのオタク心が高じて、JAXAにも何らかの萌えを感じて働いている人なんでしょうね。ロボ部が結果を残さないと廃部だと教頭に言われて、それを昴くんが救うことになる。ぜんぜんスケールは違うけれど、健一郎にとっては同じようにJAXAが部活みたいなもので、ロボ部とJAXAは構造的には似ているんです。つまり教頭のような、たとえば国があり、部費と同じように予算がある。もちろんJAXAのほうは「結果を残さなかったら廃止」と、そう簡単にはならないでしょうが(笑)。でもつい最近も、JAXAi(JAXA情報センター)が整理されていたりするし、夢を追い求めるためにいろいろとご苦労されているんでしょうね。
──そうしたJAXAの苦悩のようなものもシナリオで描かれるのですか。
志倉 僕が勝手に思い描いていることですが、JAXAだって大なり小なり切実な問題を抱えている。そんなときに健一郎は海翔たちと知り合って、彼らのロボ部と同じように、JAXAも結果を出してしまうかもしれない。規模は違うけど、JAXAもまったく同じ悩みを持っていたりすると、ロボ部が縮図みたいな関係になっておもしろいなあと考えています。
──健一郎の肩書きは所長ですね。それなりに地位は高い人なんですか。
志倉 所長になるくらいですから、昔は研究者としてイケてたんでしょうね。だけど、いまではこんな「すいません」って言いながら汗を拭いている感じです(笑)。カドも取れて、社会で丸められた典型的なおじさんになってしまったようですね。
──長深田澄夫はいかがですか。ロボ部顧問の叔父で、スペースアメを作っている製菓会社の社長ですね。
志倉 まあ絵の通り、商売ッ気のある人なことは間違いないでしょう。でもこの風貌だけでは何屋なのかさっぱりわからないですよね(笑)。役回りとしては、資金難にあえぐロボ部のスポンサーです。これも先ほどの話につながりますが、JAXAにスポンサードすることも考えられるほどのお菓子屋さんです。逆に言うと、JAXAがなくなると困っちゃう人です。
──どのように困るのでしょうか。
志倉 種子島には「月にいちばん近い島」というキャッチコピーがあるんですが、JAXAが閉鎖されるとそうじゃなくなってしまう。するとスペースアメ……宇宙アメの沽券に関わるし、売れなくなるので非常に困るわけです。商売も含めてJAXAを応援しているでしょうね。
──ちなみにスペースアメには、モデルになったお菓子はありますか。
志倉 あります。シナリオの林が好きなアメがあって、彼がそれをモデルに設定を作りました。
■イベントCGと画面写真から読み解く序盤のシナリオ
──イベントCGも新たに2点公開されました。まず、あき穂が台車で作業をしているシーンはどういう状況ですか。
志倉 あき穂が潜っているのはロボットの一部でしょうね。ちゃんとツナギを持っているのに、制服を着たまま作業しているところがポイントかな。
──しかもけっこう汚れちゃってますね。もう1点のフラウはいかがでしょうか。
志倉 フラウが種子島に初めてやってきて、不服そうな顔をしている絵です。「なんだここは」と思っているんでしょうね。マスコミは『キルバラ』の制作者が種子島にやってくると聞いて集まっていますが、どんな人物かも男か女かも知らないんですね。そこにフラウが降りてきたという状況です。
──巨大ロボット制作に着手してから部員が増えていく感じに?
志倉 その前にもいちおう入ってきます。ホビーロボットの話もかなりのボリュームがあるので、1回大会に出て終わりというわけじゃないですよ。このフラウも、ちょっと気になることがあって種子島に来ているんです。
──なるほど。では今度は新しい画面写真について伺います。気になったのはポケコントリガーではなく、CGとしてポケコンが描かれた画面です。これは?
志倉 ロボットを操作するシーンです。ロボットにはカメラが付いていて、コックピットがなくてもロボットの目線から見える映像をポケコンに映せます。だから乗る必要はないわけですね。ホビーロボットの大会に出るときに、『キルバラ』のように操作するために実装されるシステムで、それを巨大ロボットにも応用していく。僕が持っている、iPhoneで操作するラジコンのヘリコプターにもカメラが付いていて、景色がiPhoneに映ります。それを少し拡大解釈したバージョンというところです。
──海翔、あき穂、フラウ以外のキャラクターも画面に登場していますね。
志倉 3Dの立ち絵としては初めてですね。注目してほしいところのひとつは背景です。たとえば昴のいる廊下は、立体的に見えるようにパースが付いています。実際のプレイでは画面を動かせるんですが、その感じがなかなかおもしろいです。あとは愛理の絵は、ビデオ通話やテレビ電話みたいなことをしているシーンですね。
──淳和の立ち絵の背景には、郷土館のような建物がありますね。窓も割れてずいぶんボロボロですが。
志倉 これは旧郷土館かな。実際にあるんですけど、じつは老朽化して取り壊しが決まっているそうです。このあいだ種子島に行ったときに、観光協会の会長さんにしばらくなくさないでほしいとお願いしたんです。どうなるかはわかりませんが、前向きに検討しますとは言ってくださいました。
──ラジオ会館は2年くらい残っていましたけど、ゲームが出るときにないとなるときびしいですね。背景を差し替えることはできないんですか。
志倉 じつは意外と重要な場所なんですよ。簡単には替えられないので、なくなると困っちゃうんですよね。
■『ガンヴァレル』のロボットデザインも続々完成!?
──ロボットも新たに1体増えました。このスティングーマはどんなロボットですか?
志倉 『ガンヴァレル』に出てくる敵のロボットの1体で、『キルバラ』でも使用できます。ただ、海翔はガンヴァレルが持ちキャラなので、シナリオの中ではガンヴァレルを使うことになりますね。
──では、このスティングーマは『ロボティクス・ノーツ』でどのような形で登場することになるのですか?
志倉 海翔たちの世界に現れて地球を襲ってきたらおもしろいですよね。海翔は「スティングーマが本当にいるよ! 俺らが作ったガンヴァレルはこんなにカッコ悪いのに敵はそのまんまじゃねえかよ」と興奮するわけですね。まあ全部妄想ですけど(笑)。
──ですよね(笑)。
志倉 先週『ガンヴァレル』のロボットデザインがたくさん上がってきたんです。その中の1体で、ほかにもこういうロボットがたくさんいます。発売までには、ほかのロボットも何体かお見せすることができると思いますよ。
──ではさらに情報が出たときに、改めて伺いたいと思います。ロボ部は東京万博2020への出場を目指して巨大ロボットを作るんですよね。この万博は、誰でも出られちゃうものなんでしょうか。試験や審査みたいなものはありますか。
志倉 あります。巨大ロボは世界的にブームだし、いろいろなメーカーも出展を予定しています。だから、ちょっとしょっぱすぎると万博の運営のほうに落とされてしまいます。
■君島レポートと未来を担う拡張科学
──では最後に、君島レポートについて詳しく教えてください。
志倉 イメージ的には、パスワードのかかったテキストファイルが島中に転がっています。以前に言った「ピースを集める」というのは、すべてのレポートを集め切ると何かが起こる、みたいなニュアンスです。とりあえずひとつ見つけてパスワードを解除しさえすれば、そのひとつのテキストは読める形ですね。ちなみに、レポートのページに使われているアイコンですが、これはデジタル機器などによく使われている電源マークなのです。これってじつはデジタルを示す0と1の形を合体させて作られたものなんですよ。
──レポートのパスワードを解く部分にゲーム性があるのでしょうか。
志倉 データを探すときはポケコンを動かすのでゲーム性が高いんですが、パスワード解析はユーザーが直接介入するものではないですね。でも不思議なもので、アドベンチャーゲームで主人公が何らかのゲームをやっていると、プレイヤーも同じゲームをやっている気分になるんです。ゲーム性をプレイヤーにまったく渡さない小説や映画でも、主人公がパズルを解けば視聴者も達成感を感じる。そこはおもしろい感覚ですね。
──難易度調整と、プレイヤーに渡すさじ加減は難しいところですね。
志倉 そうですね。ある程度はプレイヤーに渡すけど、どこかで行き詰って進めない状況が続くのは、テキストアドベンチャーゲームにとって必ずしもいいことだとは思いません。そこは紙芝居と言われようが、それでいいと思いますね。難しくしようと思えばいくらでも難易度を上げられちゃうのですが、いちばんつまらないのは"ゲーム性が皆無"ということよりも"物語が進まないこと"のほうが問題なんです。まぁそれもバランスですが。
──マスターアップも近いと思いますが、『ロボティクス・ノーツ』は志倉さんの手をほぼ離れている感じでしょうか。
志倉 そうですね、まだ完全には離れていませんけど、ここへきて僕が把握していない仕様などが意外に多くなってきましたね。
──いまは何をメインにやられているんですか?
志倉 主題歌をちょうど先週上げて、これから収録というところです。ほかのタイトルでは、いちばんやっているのは小島監督との合作アドベンチャーゲームのプロットですね。
──主題歌はどんな内容でしょうか。
志倉 基本は青空です。青空を感じてもらいつつ、科学アドベンチャーっぽいワードをちりばめた歌ですね。
──これから何曲も作ることになるんですかね。『シュタインズ・ゲート』の楽曲はたくさん作られましたよね。
志倉 そうですね。僕以外の作家さんも含めて、主題歌やエンディングテーマ、挿入歌は本当に多かったですね。『ロボティクス・ノーツ』もそれくらい楽曲を必要とする作品になってほしいですね。
──そういえば以前伺った、このゲームのキーワードのひとつである"カーボンナノチューブ"のことを最近ニュースでやっていて、この素材のおかげで宇宙へ行けるエレベーターが作れるようになったと報じていました。
志倉 おもしろいと思うのは、そのカーボンナノチューブとか、この後のロボティクスブームとか、先に提案したものが後からニュースになって、本当に2019年に追いついてくるとすごくうれしいですよね。今回は2019年ですから、まだ7年もあるのでずいぶん先ですが(笑)。
──カーボンナノチューブの製造コストも下げられるようですし、もっと一般化すると夢が広がりそうですね。
志倉 広がりますね。硬質性と重量の割合でいうと、現時点で地球上でもっとも軽くて頑丈な物質ですから。いろいろなことを考える人がいるんじゃないですか。
──そのニュースでは、50年後には宇宙まで行けるエレベーターが実現すると言っていましたね。
志倉 いわゆる軌道エレベーター、衛星軌道上にステーションを設ける形ならできると思います。軌道エレベーターにしろ、カーボンナノチューブにしろ、この作品でもある程度は触れています。そういう近未来の宇宙科学みたいなところも入っているので期待していてください。
──JAXAも2020年ころのロードマップに、月面でのロボットと人間の共同作業を目標として掲げていました。
志倉 "宇宙ロボティクス計画"というのがいま言われたものですね。この計画はJAXAの中では"その他部門"なんですよね。大きい題目には入っていない。でも、あえてそこに注目し"拡張解釈"している世界線です。また、2019年という年はJAXA50周年の年なんですよ。種子島JAXAができたのが、1969年なんですよ。
──最近は主に“はやぶさ”で、JAXAの注目度自体も上がっている感があります。
志倉 映画になったり、カプセルの展示もやっていますからね。このまま2019年になってゲームの日付が来たとき、どんな世界になっているのか楽しみです。もしかしたら、スペースアメが大流行しているかもしれないですからね(笑)。
●表紙:『ドラゴンズドグマ』
本誌読者にも非常に人気が高いこのタイトルが表紙! 5月24日発売予定の『ドラゴンズドグマ』は誌面でも最新情報を掲載。ディレクター伊津野英昭氏のインタビューもあり!
●特別付録1:『Kinect スター・ウォーズ』 "オーラ・シング" ダウンロードコード
4月5日発売のKinect専用ゲーム『Kinect スター・ウォーズ』の"ジェダイ デスティニー"モードで使用可能なキャラクターのダウンロードコードが本誌だけの特別付録で入手可能!そのキャラクターは"オーラ・シング"。『エピソード1/ファントムメナス』に登場した賞金稼ぎだ。このチャンスを逃すな!
※本コードは、2012年4月5日よりご使用いただけます。
●特別付録2:NINJA GAIDEN 3 攻略ガイドブック
3月22日発売『NINJA GAIDEN 3』を本誌では特別付録で徹底攻略!敵キャラクター別に倒し方を伝授、NINJA TRIALSもミッションごとにその攻略法をお届け!
●特集:日本人クリエイターによるKinectの作りかた
日本マイクロソフトより、Xbox LIVE アーケードでKinectタイトルが3本リリース。どれも日本の開発スタジオによる、日本人クリエイターのゲームだ。Kinect専用ゲームとして、どのような経緯で各タイトルは生まれたのか……。タイトルごとプロデューサーとディレクターに出席していただき、Kinectへの熱き思いを語ってもらった!
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