和楽器で、『ゴエモン』や『月風魔伝』、『FF』を演奏! ファミ箏第一回演奏会開催

2012年4月6日(金)、東京・清澄白河の深川江戸東京資料館にて、和楽器でゲーム音楽を演奏する、ファミ箏第一回演奏会が開催された。

●和楽器とゲーム音楽の融合

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 2012年4月6日(金)、東京・清澄白河の深川江戸東京資料館・小劇場にて、ファミ箏第一回演奏会が開催された。

 “ファミ箏”とは日本の伝統楽器、いわゆる和楽器(主に筝、三味線、尺八)を用いてゲームの音楽を演奏する集団で、生田流箏曲演奏家・作曲家の沖政一志さんが企画し、中心となって結成した。今回の演奏会では筝3名、三味線1名、尺八2名とそれぞれ和楽器奏者として活躍している6名による演奏となった。

■出演
沖政一志(筝)、小池摩美(筝)、神谷舞(筝)、
浅野藍(三味線)、神永大輔(尺八)、大賀悠司(尺八)

■プログラム
がんばれゴエモン』メドレー
月風魔伝』メドレー
ファイナルファンタジー』オープニングテーマ
ファイナルファンタジーIII』メドレー
ファイナルファンタジーX』より「ザナルカンドにて」
ファイナルファンタジーVI』メドレー
ファイナルファンタジーV』より「ビッグブリッヂの死闘」

 『ゴエモン』や『月風魔伝』という懐かしのタイトルということもあり、来場者も大人が中心だったが、そのなかで着物を着た若い女性や、デートで来たとおぼしき高校生カップルの姿なども見えた。


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▲表の看板。実は看板や席順はABCやあいうえおではなく、いろは順になっている。

▲開演10分前の様子。和楽器にふさわしい、趣のある会場だ。

1.『がんばれゴエモン』メドレー (作曲 コナミ矩形波倶楽部)
 会の幕開けは『がんばれゴエモン』メドレーから始まった。KONAMIから発売された『がんばれゴエモン』シリーズは、江戸時代の日本を舞台としたアクションゲーム。音楽も日本の楽曲を想定して作られており、ファミ箏でも“みんようのスケール”という、のどかで田舎風な音階を中心に構成されている。

※音階とは……“音の階段”を略した言葉(スケールとも言う)。楽曲で使われる主な音を、高低順に並べたもの(=階段に見える)。たくさんの種類がある。

FC『がんばれゴエモン 2』より「江戸城 BGM」
FC『がんばれゴエモン 2』より「旅始め」
SFC『がんばれゴエモン』より ゆき姫救出絵巻「黒豆頂戴!」
FC『がんばれゴエモン 2』より「中国・北海道 BGM」
SFC『がんばれゴエモン 2』より 奇天烈将軍マッギネス「松の廊下を駆け抜けて」
FC『がんばれゴエモン 2』より「ボス」
FC『がんばれゴエモン 2』より「またね」


2.『月風魔伝』メドレー (作曲 コナミ矩形波倶楽部)
 『月風魔伝』も、『がんばれゴエモン』シリーズと同じく、KONAMIから発売されたアクションゲーム。こちらは“みやこぶしのスケール”という、江戸や京都、大阪と言った都心部で用いられた音階で構成されていた。

「オープニングBGM」
「パスワードBGM」
「ほこら BGM」
「行け! 月風魔」
「1000億光年の彼方」
「3D ダンジョン BGM」
「竜骨鬼戦」
「黙示録」

3.『ファイナルファンタジー』オープニングテーマ (作曲 植松伸夫)
 日本の代表的RPGのひとつである、スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジー』シリーズのテーマ曲。一見、和から離れているこの曲を、和楽器でアプローチする際には、奈良時代から平安時代に日本に伝わった雅楽を模した“ががくのスケール”を用いて構成したとのこと。

4.『ファイナルファンタジーIII』メドレー (作曲 植松伸夫)
 ファミコンが同時に発音できる音数は4つまで、という仕組みにならい、同時に音を出していいのは4人までとルールを定め、和楽器でどこまで原曲に迫れるかという挑戦が行われたメドレー。途中、奏者を入れ替えながらも、4人での『ファイナルファンタジーIII』メドレーが奏でられた。

「プレリュード」
「クリスタルのある洞窟」
「バトル 1」
「ファンファーレ」
「悠久の風」
「バトル 2」

5.『ファイナルファンタジーX』より「ザナルカンドにて」 (作曲 植松伸夫)
 多くが欧州風の世界観である『ファイナルファンタジー』シリーズの中では異色の、東洋風の世界観を採用している『ファイナルファンタジー X』。そのオープニングで流れる曲が和楽器で演奏された。ただし、沖政一志さんいわく、「普通に演奏してもおもしろくない」とのことで、YouTubeで沖政さんが公開している箏の独奏版ではなく、尺八と三味線を加えた“三曲合奏”として演奏された。(You Tubeで公開されている箏の独奏版はこちら

6.『ファイナルファンタジーVI』メドレー (作曲 植松伸夫)
 当初は和楽器でバトル曲を弾く、という目論見のもと「決戦」のみの和楽器編曲をしていたが、『ファイナルファンタジーVI』から「決戦」だけ取り出すのはもったいない、ということでメドレー形式になったそう。「決戦」に至るモチベーションを上げたいとの言葉通り、後半になるにつれて勢いや激しさ、熱さが格段に上がっていた。

「ティナのテーマ」
「仲間を求めて」
「決戦」

7.『ファイナルファンタジーV』より「ビッグブリッヂの死闘」 (作曲 植松伸夫)
 オオトリは、『ファイナルファンタジー』シリーズの中でも屈指の人気と知名度を誇るこの曲。とはいえこの曲を弾くのに細かい理由はなく、沖政一志さんいわく「弾きたかったから弾く」という、純粋な“好き”という気持ちで選んだそうだ。


8、アンコール『ファイナルファンタジーV』より「メインテーマ」、「阿波おどりde チョコボ」
 観客の拍手に応えて最後に披露されたのは、メドレーに組みこめなかったという『ファイナルファンタジーV』より「メインテーマ」と、なんと「阿波おどり de チョコボ」。「阿波おどり de チョコボ」では尺八奏者の神永大輔さんが、身振り手振りでひょうきんに唄を謡い、会場は和やかな笑いに包まれた。

 今回の、ファミ箏「第一回演奏会」。庶民的で親近感のある『ゴエモン』から、壮大で力強い『ファイナルファンタジー』シリーズまで、幅広く合う“和楽器”の良さを実感できるイベントだった。記者は個人的に『ファイナルファンタジーVI』メドレーを非常に楽しみにしていたのだが、期待を裏切らない盛り上がりとなっていた。抜群の存在感を誇る三味線に、寄り添う箏。そして吹きぬける一陣の風のような尺八の音色が会場を心地良く包み、ときには熱く盛り上げた。

 今後も“ファミ箏”は開催していくそうなので(第2回は、早くも両国の江戸東京博物館での開催が決まっている。詳細は後日発表予定とのこと)、興味のある人はぜひ足を運んでみてほしい。


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▲トーク中は和やかな雰囲気の奏者たちも……。

▲演奏が始まれば皆、真剣そのものだ。

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▲「阿波おどり de チョコボ」を身振り手振りつきで唄う神永大輔さん。
完全にブレていて申し訳ないのだが、これも度肝を抜かれたためだと考えていただきたい。

▲いつの間にやら取り出した横笛を吹く神永大輔さんと、その後ろを歩き回りながら演奏する大賀悠司さん。

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▲激しい曲に合わせて、奏者たちの体も揺れる。

▲使用される箏は、なんと183cmもある。“龍の化身”とも例えられる箏は沖政一志さんいわく「擬人化したらきっとかっこいいので、誰か擬人化してください」とのこと。

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▲箏奏者の小池摩美さん(左)、神谷舞さん(右)。
小池さんは新婚ほやほやで、旦那さんも会場に見えていた。神谷さんはなんと、左手中指を骨折した状態での演奏! しかし言われるまでまったく気付かなかった演奏っぷりである。

▲ファミ箏企画者であり、司会も務めた箏奏者の沖政一志さん。「和楽器の限界に、楽しく挑戦したい」と語った。

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▲三味線奏者の浅野藍さん。

▲尺八奏者の神永大輔さん(左)、大賀悠司さん。(右)
神永さんは2012年4月28日・29日に開催されるニコニコ超会議にも“華風月”というユニットで出演する。
大賀さんは、現在婚約中とのことだ。

【2012年4月9日 19:36記事修正】
“『がんばれゴエモン』メドレー”、“『月風魔伝』メドレー”作曲者の名前に間違いがありました。正しくは、「コナミ矩形波倶楽部」です。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。