ゲームファンによるゲームファンのためのゲームイベント!
米時間の2012年4月6日、ハードコアなゲームファン向けの巨大コンベンション“PAX”がボストンで開幕した。今年のPAX Eastはチケットがソールドアウトし、今週末に7万人の来場者を見込んでいる。これは西海外で行われるオリジナルのPAXであるPAX Primeよりも大きい。
PAXとは、TychoことJerry Holinsと、GabeことMike Krahulikのふたりによるウェブコミック“ペニー・アーケード”のオフラインイベントとしてスタートした。このアンダーグラウンドの小さなゲームマニアのファンフェスティバルは、今やアメリカで最も大きな公開ゲームイベントのひとつとなっている(E3は業界関係者のものだから別)。
会場であるボストン・コンベンション・アンド・エキシビションセンターは、東海岸でももっとも大きい建物のひとつだ。そしてPAXはただ大きいだけじゃない。ほかのゲーム系コンベンションにはない特徴がある。それは熱意と多様性とクリエイティビティ。さまざまな催し物が用意され、午前2時まで遊び倒すことができる。基調講演に始まり、話題のゲームクリエイターが登場する講演、ビデオゲームにボードゲームのゲーム大会、レトロゲームにリリース前の最新ゲーム、大小のコンサート、コスプレ、なんでもアリだ。
ボストンはゲーム開発において活気のある場所で、地元のデベロッパーやスタジオも多く出展している。Harmonixはダウンロードタイトルの音ゲー『Rock Band Blitz』をお披露目していたし、『バイオショック インフィニット』を開発中のIrrational Gamesもコスプレしたファンを集めたり、土曜に講演を予定していたりと活発に活動している。
今年の基調講演は、『プリンスオブペルシャ』のクリエイターであるジョーダン・メックナーが行った。彼の型破りなキャリアを振り返るもので、計画的というよりもやや無謀な情熱こそが最高の結果を産んできたかについて、山あり谷ありのエピソードを交えながら語る印象深いものだった。
ほかにも初日は、主催者のGabeとTychoによるQ&Aに、BioWareの『ドラゴンエイジ』と『マスエフェクト』に関する講演、オンラインゲームの未来や、重要性を増すダウンロードコンテンツについての熱いディスカッションなどが注目を集めていた。
イベントは明日もまだまだ続き、エピック・ゲームズが歴史を振り返るかと思えば、スクウェア・エニックス傘下のIOは『ヒットマン』シリーズ最新作の『Hitman: Absolution』の公開デモと質疑応答を予定。昨年ボク(ジェイソン・ブルックス)がブログでお伝えした、レトロゲームのお宝自慢なんてものもある。
そして出展フロアーでは、最新タイトルが目白押しだ。『マックス・ペイン3』(別稿でリポートを掲載)に『Far Cry 3』、『Aliens Colonial Marines』だってあるし、2Kは『ボーダーランズ2』や『Spec Ops: The Line』を出展している。それぞれ巨大な列ができていて、お目当てのゲームをプレイするなら何時間でも待ってやるという気合に満ちあふれていた。ブース内にシアターを作って内部で映像を見せていた『アサシンクリード3』の行列もスゴかったね。これから3日間、さまざまなリポートをお届けする予定なのでお楽しみに。(取材・文・写真:ジェイソン・ブルックス、翻訳・構成:編集部)