「この線でいくしかない」と、根拠のない自信

 2012年4月1日、世間がなんだかソワソワしているこの日、“JRPG.jp”のサイトで衝撃的なリリースが発された。その内容は、バンダイナムコゲームスから2012年に発売が予定されている、プレイステーション3用HDアニメーションRPG『時と永遠~トキトワ~』のキャラクターデザインが大幅に変更された、というものである。

話題作『時と永遠~トキトワ~』のキャラデザインが突如大幅変更、プロデューサーの心中やいかに!?_01
▲嘘だと言ってよバーニィ―!

 『時と永遠~トキトワ~』は、3Dグラフィックスで描かれた世界を、2Dの手描きアニメーションで描かれたキャラクターが冒険するというRPGで、主人公とヒロイン・トキが、結婚式を挙げようというところから物語は幕を開ける。発表当初から、過去に例を見ないグラフィック表現が各所で大きな話題となり、かく言う記者もヒロインの“トキ”タソに胸のトキメキを感じていた。このまま行けばヒット間違いなし……誰もがそう思っていた折に発表されたまさかのキャラクターデザイン変更。期待していた我々からしてみれば、寝耳に水、青天の霹靂、藪から棒、代打に桑田、くらいの驚きである。リリースには、プロデューサーを務めるバンダイナムコゲームスの広野氏の説明も記載されていたので、以下に転載してみよう。

「アニメーションRPGの可能性を追い求めているうちに、気づいたらこうなっていました。このディフォルメされたキャラクターを眺めているうちに、確信に近い気持ちが私の中で湧き上がってきました。最早、この線でいくしかないと。既に、ゲーム内のキャラクター素材として、手描きアニメのセル画枚数は3万枚に達しており、差し替えをするためにはそれらの成果物を全て捨て去る必要がありました。開発元であるイメージエポックさんとアニメ制作のサテライトさんに相談して、アニメ素材の全差し替えを敢行させて頂くことにしました。開発スタッフやアニメーションのスタッフは、当初私の言っていることに理解を示しませんでしたが、徹夜作業が2か月を超えた頃、私の方針はようやく受け容れられ、本日発表の運びとなりました」(広野)

話題作『時と永遠~トキトワ~』のキャラデザインが突如大幅変更、プロデューサーの心中やいかに!?_02
▲3D背景の中に佇む新キャラクター。広野氏は「ようやくキャラクターを全部描きかえることが出来たので、次は背景に手を入れていこうかと。イメージエポックさんの活躍に期待してます」と語っている。

 広野氏の説明どおり、今回のキャラクター変更は従来までの“頭身の高いアニメキャラが動き回る”ものから、“グッと頭身を下げてかわいくディフォルメしたもの”へというものである。まあ、ディフォルメはディフォルメでかわいいわけだが、だからと言って従来のデザインを全ボツなんて、昨日までの記者を侮辱する行為だ!(理解不能) だいたいなんだ、プロデューサーってのはそんなに偉いのか!? ドレスよりもキレイなのか! 天国よりもヘヴンなのか! 記者のトキメキを返せ!

話題作『時と永遠~トキトワ~』のキャラデザインが突如大幅変更、プロデューサーの心中やいかに!?_03
▲これはこれでいいのでは、という気もするパッケージ。

 ……取り乱したので、冷静にいまの状況をお伝えしよう。今回のキャラクター変更にともない、早くもパッケージ画像が公開されている。ぐぬぬぬぬ……デフォルメぇぇぇ。さらに、キャッチコピーは“HDアニメーションRPG”から、“SDキャラクターアニメーションRPG”へと変更に。ぐぬぬぬぬ……SDぃぃぃ。

 世界初のHDアニメーションRPGとして注目を集めていた『時と永遠~トキトワ~』だが、今回の広野プロデューサーの決断は、英断となるか、それとも……? 今後の展開はぜひサイトで確認してほしい。

 それにしても、今回のリリースは到底信じがたいものである。しかし、世間に広く名を知られている企業様が、悪ふざけでこんなことをやるとも考えづらい。可能性としてありえるのは、4月1日という日付けになんらかのメッセ……うわなにをするやめrくぁwせdrftgyふじこlp;@:。