欧米向け家庭用ゲーム分野の合理化を推進

 セガサミーホールディングスは、2012年3月30日開催の取締役会において、同社子会社セガのコンシューマ事業の構造改革について決議したことにともない、2012年3月期に約71億円の特別損失が発生する見込みとなることを発表。合わせて、2012年3月期の通期連結業績予想を下方修正した。

 リリースによると、セガを中心としたコンシューマ事業は、欧米における厳しい経済環境、家庭用ゲームソフトの市場環境の急速な変化を受けて、平成24年3月期において営業損失を計上する見込みとなっている。セガのコンシューマ事業の構造改革は、このような経営環境の中、翌期以降の収益改善を目的に、市場環境に適応した体制への転換を図るべく決定されたものだ。
 本決定に伴い、欧米市場向け家庭用ゲームソフトについて、担当分野の合理化、タイトル数の絞り込み、一部タイトルの開発中止などを実施するとともに、モバイル・オンラインゲーム開発の強化を図るとしている。

 また、上記理由に加えて、パチスロ事業において通期販売台数予想が下方修正されたことなどから、2012年3月期の通期連結業績予想も下方修正されている。

【2012年3月期通期連結業績予想数値】

◆前回発表予想
売上高 4400億円
営業利益 770億円
経常利益 755億円
当期純利益 380億円

◆今回発表予想
売上高 3940億円
営業利益 600億円
経常利益 595億円
当期純利益 200億円

 以下、リリースより該当部分を抜粋する。


株式会社セガにおけるコンシューマ事業の構造改革について

当社は、平成24 年3 月30 日開催の取締役会において、下記のとおり、当社子会社である株式会社セガのコンシューマ事業を構造改革することについて決議いたしましたので、お知らせいたします。

1.理由
セガを中心としたコンシューマ事業は、欧米における厳しい経済環境ならびに家庭用ゲームソフトの市場環境の急速な変化を受けて、平成24 年3 月期においては、営業損失を計上する見込みとなりました。かかる状況を受け、翌期以降のコンシューマ事業の収益改善、および成長軌道への回帰を実現するためには、欧米市場における家庭用ゲームソフト分野の組織を合理化する一方、モバイル・オンラインゲーム分野の開発を強化する等、環境変化に適応した体制への転換が必要不可欠であると判断いたしました。

2.施策内容
(1)組織の合理化
欧米市場における家庭用ゲームソフト分野を担当する組織を合理化し、安定的に収益を創出できる体制を構築いたします。
(2)タイトル数の絞込み
欧米市場向けタイトルの収益見通しを厳格に精査し、翌期以降は「Sonic the Hedgehog」、「FootballManager」、「Total War」、「Aliens」等、確固たる収益が期待される有力なIP に販売を絞り込みます。それに伴い、開発を進めていた一部タイトルの開発を中止いたします。
(3)開発中タイトルの仕掛品の評価減
当期末から翌期にかけて欧米市場において販売するゲームソフトに係る仕掛品の収益性を再評価し、一部タイトルの仕掛品を評価減いたします。
(4)在庫の処理
欧米市場における組織合理化に伴い、現在流通している市中在庫を含め、ゲームソフト在庫の費用引当処理を行います。