むしろ、冬も『SSX』でスノボーだ!
冬の定番レジャー、スノーボードをモチーフにしたエレクトロニック・アーツのアクションゲーム『SSX』シリーズ。2000年に第1作目が発売されて以来、10年間にわたってファンに愛され続けてきた同シリーズの最新作、プレイステーション3、Xbox 360用ソフト『SSX』が、2012年3月15日に発売となる。本作では世界18の国々と地域にある300以上の山々を、NASAの地形データを基にかつてないリアルさで再現。キャラクターも大幅に改良し、シリーズならではの楽しさを追求した作りとなっている。そこでこの記事では、“ここがスゴイよ『SSX』!”という切り口でゲームの魅力をお届け。スノーボードのシーズンは間もなく終わりだが、本作があれば春も夏も好きなだけ滑れる!
■ここがスゴイよ『SSX』! その1■
<実在する世界の有名な山脈、名峰をリアルに再現!>
本作でプレイヤーが挑戦するコースは、世界各地に実在する300以上の名峰。コースの形状はNASAの地形データを基にワイヤーフレームレンダーで組まれており、これまでにないリアルさで再現されている。ある程度スノーボードに熟達した人ならば、世界各地にある山々の険しい斜面を、颯爽と滑る自分を夢みたことがあるはず。しかし、実際のところはお金もないし、仮に現地へ行けたとしてもヘタすりゃ死の可能性もあるわけで、夢のまま終わっている人がほとんどだと思う。しかし、『SSX』ならそんな心配もなし! 世界の難関に好きなだけ挑戦して、好きなだけ転びまくってしまおう! ただし、ゲーム内のキャラも不死身というわけではない。あまりハデに接触や転倒をくり返すと、リタイアしてしまうのでご注意。それなりに気合いを入れて滑るべし。
■ここがスゴイよ『SSX』! その2■
<超絶トリックを直感的にメイクできる!>
『SSX』シリーズの魅力を語るうえで外せないのが、現実ではまず不可能であろうエクストリームなトリックの数々だ。トリックメイクは直感的なスティック操作と、正確なボタン入力の2パターンを用意。筆者が個人的にオススメするのは、前者のスティック操作だ。皆様はエレクトロニック・アーツのエクストリーム系スポーツゲームの名作『Skate(スケート)』シリーズをご存知だろうか? あのシリーズではコントローラの右スティックを足の動きに見立てて(たとえば、スティックを下に沈めてから上に弾くとオーリー、斜め下にためて斜め上に弾くとフリップといった具合)さまざまなトリックをメイクすることができた。『SSX』におけるスティック操作では、それが手の動きに置き換えられていると考えればわかりやすいだろう。エアー中にスティックを右に倒せばボードの右側を右手でグラブし、上に倒せば両手でボードのノーズをグラブする……といった具合で、慣れてきたらスティックを右→左と素早く動かして、右手でボードの左側を持つ、なんてトリッキーな操作も可能。これに、左スティックでスピンを加えれば、超絶トリックを軽々とメイクできてしまうのだ!
■ここがスゴイよ『SSX』! その3■
<地形を活かした戦略的なランディング!>
すでに述べた通り、『SSX』では実際にある名峰をリアルに再現している。つまり、コース順路というのも当然ひとつではない。思いもよらぬところに抜け道があったりするので、ただ漫然と滑るのではなく、戦略的にコースを攻める楽しさが味わえるだろう。また、自然が産み出す地形はあらゆるところがトリックメイクのチャンス。天然のハーフパイプやジャンプ台でビッグエアーを決め、切り立った崖からの大ジャンプを成功させたときなどは、アドレナリンが出まくりだ。加えて、コース内のいたるところにレールが設置されており、これに飛び乗ればグラインドがスタート。ここでもさまざまなトリックを決めることができるので、エアーと組み合わせれば流れるようなアクションで高得点を狙うことも可能だ。
■ここがスゴイよ『SSX』! その4■
<多彩なゲームモードで飽きが来ない!>
ゲームのメインとなるワールドツアーでは、世界各国の名峰をさまざまなルールに沿って滑っていくことになる。“レースイベント”はライバルのライダーたちとゴールまでのタイムを競う内容で、とにかくスピードが勝負。“トリックイベント”は滑走中にトリックをメイクしてゴールするまでの合計スコアを競うもので、連続トリックによるコンボボーナスやスコアの倍率アップをいかに行えるかがキモとなるルールだ。そして、もっと過酷なルールが“サバイバルイベント”。真夜中の雪山や超高度の山脈からゴール地点を目指して下山するという内容で、いっしょに走るライバルなどはいない。孤独に耐えながら、危険なコースを無事滑りきらなければいけない。また、牙を剥く大自然と対峙するうえではそれなりの装備が必要となる。障害物が多いコースではギア衝撃から体を守ってくれる“アーマー”がなければ危険だし、斜面が凍ったコースを滑るにはカービングをサポートする“ピッケル”が不可欠。そのほかにも、“ウィングスーツ”、“ヘッドランプ”、“酸素タンク”、“ソーラーパネル”、“パルスゴーグル”などさまざまな装備が存在している。いったいどんなコースで使うのか……楽しみである一方、不安にもなるラインアップだ。
■ここがスゴイよ『SSX』! その5■
<エクストリームの帝王、トラビス・ライスが登場!>
スノーボード業界の有名人、と言えば一般的にはショーン・ホワイトが広く知られているだろう。確かにショーンはオリンピックなどのコンテストにおいて、圧倒的な強さを誇っている。しかし! 『SSX』で表現されるエクストリーム系パフォーマンスでは、トラビス・ライスこそが帝王だ。日本でも2011年9月にリリースされている、トラビスのパフォーマンスを収録した作品『アート オブ フライト』を観れば、その凄さがわかるだろう。ご存知の通り『SSX』のアクションにはゲーム的フィクションが盛り込まれているが……トラビスだけは別なのである。彼は『SSX』的な滑りを実際にしているのだ! そのトラビス自身のキャラクターと、トラビスのシグネチャーボード“Travis’ Pro and Signature Snowboards”が、2012年4月4日から無料でダウンロードできるようになる。トラビスがゲームにキャラクターとして出るのは史上初。無料期間は未定でいつなくなるかわからない状況なので、お早目にダウンロードを!
■ここがスゴイよ『SSX』! その6■
本作の初回特典には、新たなコース“Mt. Fuji”のダウンロードコードが収録される。説明するまでもないと思うが、このコースのモデルとなっているのは、日本を代表する山、富士山だ。レースとトリックイベントが3種類ずつ用意されており、コース内には鳥居などジャパニーズテイストなアトラクションも設置。日本人の琴線に触れまくりな仕上がりとなっているのだ。『SSX』の環境アート・ディレクターを務めるGeoff Coates氏は、“Mt. Fuji”収録の理由について「日本の富士山は世界で最も象徴的な名峰のひとつなので『SSX』で採用されるのは理にかなっていました。また、我々にとって大事な市場である日本のファンの皆様のご期待にお応えしたいと考えておりました」と説明。エベレストやキリマンジャロといった世界の名峰に並び称される富士山で、ビッグエアーを決めよう!
■ここがスゴイよ『SSX』! その7■
<実際に遊んでみたけど、やっぱりスゴイよ!!>
どうも、本記事の編集を担当したキモ次郎です。『SSX』の“スゴイ!”をつらつらとお届けしてきたわけですが、これだけ長く語っても、まだまだ足りません。本当にこの作品はなんというか、最高最強にエクストリームなんですよ。そこでここでは、エレクトロニック・アーツ様よりひと足早くソフトをお借りしてプレイした感想をお届けします。
さて、リポートを始める前に僕のスノボーリテラシーを簡単に紹介しておきます。こんなアレな編集者ネームですが、じつは幼少のころからスポーツは得意でして、スノボーももちろん経験あり。真っ白な雪原を一枚の板に乗って颯爽と滑る爽快感は、ほかのスポーツでは決して味わえないサムシングであると感じています。しかし、正直なことを言うとスノボーは得意ではありません。非常に爽快感があるスポーツだし、打ち込みがいがあることも理解しているのですが、いかんせん怖い……。猛スピードで転んだらどうしようとか、ほかのボーダーと衝突したらどうしようとか、心配で頭がいっぱいになり、気がつけば麓のレストハウスでカレーを食べていたりします。しかし、颯爽と滑るボーダーたちは果てしなくカッコイイし、エクストリームスポーツ系のDVDで観るプロスノーボーダーたちの超絶ランディング&トリックなどには興奮しまくりなわけで、忘れ難き存在でもある。スノボーのシーズンが訪れるたび“あんなこといいな、できたらいいな”の思いで日々を送っています。そんなときに出会ったのが『SSX』。簡単操作で超絶トリックをくり出し、しかもコースは実在する名峰……ってなわけで、本作はスノボー弱者の僕の願いを叶えてくれた“ド●え●ん”的なタイトル、とでも言ったものでしょうか。我ながら胡散臭い通販サイトのような持ち上げっぷりですが、事実なんだから仕方ありません。
では、延々と自分語りをしたところでようやくプレイリポートに入らさせていただきます。個人的に本作でもっともグッと来たポイントは、やはり直感的なトリックメイク。上でも紹介しましたが、エレクトロニック・アーツさんの超名作『Skate(スケート)』シリーズと同様、右スティック操作を取り入れており、エアーを決めたあとになんとなくスティックをグリグリしているだけでも、トリックが決まる決まる決まりまくる! 1080°を決めつつ右手でボードの左側をつかんで体を反りつつ途中で手を離して今度は両手でノーズをグリップ……なんて、想像を絶する技がサクっと出せてしまいます。しかも、トリックを決めるなどしてスコアを稼ぐと“トリックゲージ”なるものが上昇し、これが一定値を超えると“トリックモード”に突入。このモード中はブーストが使用可能となり、加えてトリックの内容もダイナミックに。そして、この状態でさらにスコアを重ねると“スーパートリックモード”という、なんでもありな状態になってしまいます。具体例を上げますと、エアー中にボードの上でブレイクダンス的な動きをしたり、ボードを足から離して手でくるくる回したり、さらにはボードをリフティングなど、エクストリームすぎて笑ってしまうほど。
もうひとつ本作を語るうえで外せないのが、圧倒的な“スピード感&浮遊感”。数あるランディング系スポーツゲームの中でも、『SSX』のスピード感は間違いなくトップクラスです。ふつうに滑っているだけでも十分速いのですが、これがブーストを使った日にはもうたいへん。猛スピードで過ぎ去る景色を見ていると、思わずのけぞってしまうほど。また、プレイヤーが宙にいる時間がとにかく長い。コース内にはいたるところに天然のジャンプ台やハーフパイプ設けられており、いつでもどこでも好きなときにエアーができてしまう。エアー中にトリックを決めればスコアもガンガン加算されるので、ブーストも使える。飛んではブースト、飛んではブースト……といった具合に“スピード感&浮遊感”の波がエンドレスに続くところが、『SSX』の醍醐味と言えるでしょう。
さまざまなゲームルールが用意されているのもうれしいところ。その中でも個人的にもっとも楽しめたのが、命がけの下山を体感できる“サバイバルイベント”です。これの何がおもしろいって、とにかくスリル満点なところ。たとえば夜間の下山では、暗闇の中に赤く光る“ピースオブフレア”だけを目印に、ひたすら孤独なライドに耐えなければいけない。また、斜面が凍ってしまっているコースも存在。このとき頼りになるのが“ピッケル”。カービングのたびにザクザクと斜面にピッケルを立てながら滑るボーダーの後ろ姿は非常にタフで、“サバイバルしている感”は否が応にも高まります。
ちなみに、今回はソフト発売前だったので体験できなかったのですが、ネットワーク要素“RiderNet(ライダーネット)”もかなり充実しているみたいです。なんでも100以上のコースでフレンドと記録を競い合ったり、Facebookと連動したりなど、“つながる”楽しさが盛りだくさんの模様。今年は、春・夏どころか、冬もゲームの中でスノボーを楽しむことになりそうです。
SSX
メーカー | エレクトロニック・アーツ |
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対応機種 | PS3プレイステーション3 / X360Xbox 360 |
発売日 | 2012年03月15日 |
価格 | 7665円[税込] |
ジャンル | アクション |