ゲームの未来は”フリー・トゥー・プレイ“だ
アメリカ・サンフランシスコのモスコーニセンターにて、2012年3月5日~3月9日(現地時間)に開催中のGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス) 2012。開催4日目の2012年3月8日には、ジンガのCOOであるジョン・シャパード氏による講演“The Future of Gaming(未来のゲーム)”が行われた。
かつてエレクトロニック・アーツやマイクロソフトに在籍し、長くゲーム業界を見続けてきたシャパード氏。講演では、子どもがさまざまな遊びに接していることに触れ、そこに共通しているのは“ソーシャル”と“アクセシブル(近づきやすさ、行いやすさ)”だと説明。ビデオゲームもまさにこの“ソーシャル”と“アクセシブル”の歴史だったとして、オデッセイやアタリに始まり、ファミコン、スーパーファミコンから、プレイステーション3、Xbox 360、Wiiへと連なるゲームの流れを俯瞰した。その上でシャパード氏は、「いま、ゲーム産業は暗い論調で語られることが多いのですが、“暗黒時代”なのでしょうか? いえ、違います。いまはまさに“黄金時代”なのです」と説明した。根拠となるポイントは3つ。“More Player(たくさんのプレイヤー)”、“More Ways to Play(たくさんの遊ぶ方法)”、“More Opportunities(たくさんの機会)”の3つ。PCやスマートフォンに代表される“Free to Play”の潮流のもとに、いまでは10億のソーシャルネットワークがあり、350億のアプリがダウンロードされており、ウェブやモバイルではアイテムなどに対して90億ドルを使っているとした。そこでジンガが学んだことは3つ。“ソーシャル”と“アクセシブル”、そして“フリー”だ。たとえば“フリー”ということでは、『コール オブ デューティ ブラックオプス』が全世界で2500万本販売されたのに対して、ジンガの『Farm Ville』は1日(!)に3200万人に遊ばれているとのこと。さらに、ROVIOの『Angry Birds』に至っては、7億ダウンロードを記録。そのうちの80%はフリーだという。「10億人々がいっしょにゲームを遊んでいるのです!」とシャパード氏はまとめた。
引き続き登壇したのは、ジンガ バイスプレジデント、プラットフォームパートナーズのロブ・ダイナー氏。ダイナー氏は、ジンガの取り組みを説明。“チャレンジ”として、“User acquisition(ユーザーの獲得)”、“Scale、Performance&availability(パフォーマンスと有効性のスケール)”、“Engagement&retention”(契約と保持)に取り組んでいくとした。具体的には、ジンガのコンテンツが2億4000万MMU(ある月に1回以上利用者のあった回数)あるという数字を披瀝しつつ、サーバーの増強やデータ分析などを積極的に行うと説明。さらに、ジンガプラットフォームへKONAMIやRebellion、Playdemicが新規参入することを明らかにした。
最後にふたたび登壇したシャパード氏の「Let’s Play!」という言葉からは、ジンガのいまの勢いをうかがい知ることができた。