『モータルコンバット』PS Vita版も使ってるぜ!
アメリカ・サンフランシスコのモスコーニセンターにて、2012年3月5日~3月9日(現地時間)に開催中のGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス) 2012。アンリアルエンジンを世界のゲームメーカーに提供する、Epic Gamesのプレスイベントに出席してきたので、その模様をお伝えしよう。
序盤は既知の内容の再確認から。UDK(Unreal Development Kit)が130万インストールを超えたことや、アンリアルエンジン3がこんなタイトルで使われていますよ、といった紹介が主だったのでサクッと飛ばすと、まず気になるのはウルトラゴアな格闘ゲーム『Mortal Kombat』のPS Vita版の話。
本作でもアンリアルエンジン3を使っているという話で、実際に開発者によって解説も行われた。Xbox 360とプレイステーション3版の縮小版というわけではなく、フルにキャラクターを用意したうえで、Wifiやアドホック対戦時も60フレームを維持し、ミニゲームも150用意している本気の『モーコン』であるとのことで、日本発売は相変わらず厳しそうだが洋ゲー派には何とも気になる話。
据え置き機版もアンリアルエンジンで作られているため、基本の素材などをアンリアルエンジン上でPS Vita用にすぐに持ってこれ、おかげで作りこみに注力できたとか。動画ではサブゼロの首引き抜きフェイタリティや、クレイトスの人体切断フェイタリティもバッチリ再現していた。
ちなみに、フェイタリティはタッチディスプレイを使って発動するようになっている。ミニゲームでもPS Vitaの機能を活用しており、傾き検知を利用した“Test Your Ballance”(バランスを崩して落ちると死ぬ)や、スコーピオンを地面に落とさないように爆破し続けるミニゲーム(画面タッチでミサイルを発射する)、画面についた血を拭きながら戦うルールなど、いい具合にイッちゃっている仕上がりになっているようだ。
そして、アンリアルエンジンのFlash対応では、WindowsとMac上で、それぞれ『ダンジョンディフェンダー』と『アンリアルトーナメント3』を実機で動かしてみせていた。Flash 11.2を使う“Epic Citadel”のデモが公開されているので、対応環境がある人は試してみてほしい。
また、昨年公開した“Samaritan Demo”も再度実演。同じは同じなんだが、走らせているハードが違う。プレゼンを行ったマーク・レイン副社長は、デモの前に段ボールからビデオカードとバカでかい電源を取り出し「去年はデモをやるのにGeforce GTXのカード3枚とアホみたいにデカい電源が必要だった。でも今年は……1枚で行けちゃうんだな! 電源も200ワット……んなわけないか。でもフツーの電源でダイジョーブだ」と、嬉しそうに説明。まぁこのカード、まだ発表前のものらしいので何とも言えないのだが、去年「そこまでやるのか?」と言わしめた超絶デモに、しっかりハードウェアが追いついてきていることは間違いないだろう。この謎のビデオカード用に最適化したSamaritan Demoは、もちろん素人目には去年のものと区別がつかないハイクオリティーだった。
そして最後に「テクノロジーは進む。後ろ向きには戻らないんだ」と、次世代機を対象にしているとされる最新版、アンリアルエンジン4のロゴを公開。すでに発表されているとおり、パートナー企業にはここGDCでその性能を見せている模様。「みんなにはまだ公開できない……NDAを結んでないしね。でも、今年いずれお見せできるのを楽しみにしているよ」と力強く語り、プレゼンを締めくくった。