第2回 メカ類の“ガシャーン”とした魅力

ババダイチの『STARHAWK(スターホーク)』パブリックβ版体験記_01

 どうにも男というヤツは、カッチョイイ乗り物への憧れを消せずにはいられません。元をたどれば、それは子どものころに観たテレビアニメの巨大ロボだったり、海外のアクションテレビドラマに出てきたスーパーマシンだったりするのでしょうか。いい大人が、ゴッテゴテのデッカイ車に乗ったり、電車の最前車両で運転席をワクワクしながら見てしまうのには、そういった消すに消せない幼いころの刷り込みがあるからではないかと思うのです。

 その根源はけっきょくのところ、“巨大な力への憧れ”だったりします。身体の拡張としての機械が自身を強くしてくれるという、スーパーヒーローへの憧れですね。まあ、男ってのは基本的にチビッコが大きくなったものですから、どんな年になってもそんな夢を見てしまうのはしょうがないのです。

 そんなこんなで『STARHAWK(スターホーク)』の話です。

 前回は“ビルド&バトル”システムの、“ドシーン!”としたビジュアル的な衝撃と、戦術性について書きましたが、今回は本作に登場するメカ類の、“ガシャーン!”とした魅力についてお届けしたいと思います。

 さて、ゲームの知識があまりないままに戦場に飛び込み、試行錯誤で施設を作ることを覚えた自分でしたが、やっぱり知識がないので、建てるまでそれがどんな施設なのかわからないという状況でした。

 それでも、名前などからある程度は想像がつきましたが、どうにもよくわからない施設名がいくつかあったりします。そんなときは建ててみるに限ります。一応、味方の進路のジャマにはならない場所を選んで、“ロンチパッド”とかいうものをセット。ほどなくして上空から何かがドシーンと落ちてきて、ガチャガチャと変形。

「相変わらずビルドはカッコいいなあ」なんて思って見ていると、目の前にハシゴがかかっています。その先には何か巨大な機械が! 恐る恐る触れてみると、ドクンという鼓動とともに「力が欲しいか?」という声が頭に響いた、というのはウソですが、そんな中二気分にさせてくれるそれは、“ホーク”と呼ばれる巨大ロボでした。

 そりゃもう乗りますよ。戦場で、目の前にロボットがあって、乗らない男はいないんじゃないでしょうか。むしろ乗らなければ男じゃありません。そこで「取説ないし……」とか、「特殊車両免許ないし……」とか考えちゃうようなヤツは、とっとと戦場から去るべきです。

 とはいえ、乗ったものの、操縦方法はよくわかりません。オンラインマニュアルはまだ見てませんから。いろいろ操作してみると、通常時と同じように移動できたり、両腕の機銃から弾が出たりします。やりました、操縦法マスターです。この力で俺が戦局を変えてやると、勇ましく激戦区へ向かって移動開始! が、あまりに隅っこの方でいろいろビルドを試していたため、激戦区の遠いこと遠いこと。

 どうしたもんかなあと思いつつ、試していなかったボタンを押してみると驚くべきことが起きました。ガシャンガシャンという音とともに、ホークが飛行形態へと変形したのです! もう俺大歓喜! ロボットでさえウヒョヒョとなってるのに、飛行機にまでなっちゃうんですよ! 脳みその中の子供心を司っている部分から、汁出まくりです。

 そしてまあ、その飛行形態の速いこと速いこと。正直、しばらくはその速度に頭が追いつけませんでした。あれほど遠かった激戦区にあっという間に着くと、あっという間に離れてしまいます。これはイカンと、マップ上の建造物に当たりそうになりながら、必死で激戦区に戻ろうとすると、どこからか撃たれている様子。もう俺大混乱。わけもわからずにロボット形態に戻って地上に降りると、敵のど真ん中で集中砲火。多少の反撃は試みたものの、あっという間に倒されてしまいました。

 飛行形態に初めてなってから倒されるまで、おそらく1分もなかったと思います。さっきまで地上で走っていたときとは、ゲームが変わったかのような超スピード展開。

 この“ゲームが変わる”という感覚は、まさに本作の魅力のひとつだと思うのです。

 衝撃のホーク初搭乗から、ホーク以外にもさまざまな乗り物があることがわかり、ひととおり試してみました。しばらく遊んでみて気がついたのは、乗り物次第で移動方法が変わるのはもちろんのこと、戦いかたや戦術そのものも変わるということです。ひと言で言ってしまうと“ゲームが変わる”感じなのです。

 たとえばホークに搭乗した場合は、ロボットを題材にした重量感のあるアクションゲームや、フライトシューティングのようなスピード感のあるゲームになります。

 戦闘車両のレーザーバックに乗ったときは、運転手はまさにレースゲーム気分を味わえますし、同乗者は自動スクロール型のシューティングゲームのようなゲームプレイを楽しめます。とくに助手席に乗って移動は操縦者に任せ、自分は目に入った敵をひたすら撃っているといったときの“ヒャッハー感”は、たまらないものがありました。

 背負うことで自身の移動能力を上げ、ホバリングのような動きをも可能にするジェットパックは、ヘリコプターのシューティングといった感じでしょうか。個人的には昔からある、横スクロール型のジャンプアクションの感覚に似ている気がしました。噴射を利用してジャマな障害物をひとっ飛びしたり、急降下しつつ眼下の敵を踏みつけるように狙っていくのは、どこかデジャヴを覚えます。

 もちろん、レーザーバックにせよジェットパックにせよ、それなりに使えるようになるまでは試行錯誤があったのですが、ちょっとキリがなくなりそうなので、今回は割愛します。ただ、この場を借りて、自分がレーザーバックを操縦していたときに、操縦方法がイマイチ把握できておらず、盛大に落下してしまったときに同乗していた味方プレイヤーには、深くお詫びしておきたいと思います。

 これらの乗り物によるゲーム性の違いは、戦場では大きく役割の違いにもなります。単身で一気に敵陣に斬り込みたいのならジェットパック。味方の輸送やサポートとして重要な役割を担うレーザーバック。敵の巨大建造物を倒したいときや、超スピードでの移動が必要ならホークといったような感じでしょうか。

 βテストということもあり、これらはまだまだ渾然としている印象ですが、やがてこれらをうまく使い分けるチームが現れたら、またひとつ、ゲームとして全体が大きく変わるような気がします。まあ、これは本サービスが始まってからの話かもしれませんね。

 興味を持った方は、まずはどんどん変化するゲーム性を、いちど体験してみてください。いよいよパブリックβ版が、すべてのPlayStation Networkのユーザーに向けて配信されたので、気軽に体験できますよ。遠くアメリカで作られたゲームなのに、日本と変わらないチビッコ魂に溢れた世界が待っています! また、公式サイトでは、いろいろな意見や要望なども受け付けています。“STARHAWKパブリックβ”https://pscsr.com/question/2/5/100003051/ のフィードバックフォームから投稿できるので、興味がある人はチェックしてみてください。

 さて次回は、2012年3月1日更新予定です。お楽しみに!

ババダイチの『STARHAWK(スターホーク)』パブリックβ版体験記_02
ババダイチの『STARHAWK(スターホーク)』パブリックβ版体験記_03
ババダイチの『STARHAWK(スターホーク)』パブリックβ版体験記_04

PROFILE
ババダイチ

週刊ファミ通でクロスレビュアーも務めるフリーライター。ゲームは全般的に遊ぶが、うまいというわけではない。好きな落下物は小惑星探査機。


STARHAWK(スターホーク)
メーカー ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン
対応機種 PS3プレイステーション3
発売日 2012年5月10日発売予定
価格 価格未定
ジャンル アクション・シューティング / SF・戦争
備考 PlayStation Network対応