最先端の技術で楽しめるPS Vita初の格闘ゲーム

 ヤバい、このゲームヤバい。なにがヤバいって、くだらなさがヤバい。これが本作のストーリーモードをプレイし終わった後の僕の感想。もちろん、馬鹿にしているわけではありません! PS Vitaの機能と、本作独特のゆるい世界観。このふたつが融合すると、「凄い技術を使ってるっぽいのに、とんでもなく馬鹿らしいゲームな気もするぞ……!?」と思わず笑ってしまうのです。アクションゲーム好きの筆者として、注目していた新感覚の格闘ゲーム。実際に遊んでみて感じた本作の魅力を、たっぷりとお伝えしていきます!

技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_01
技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_02

 本作は、PS Vitaでは初となる格闘ゲーム。格闘ゲームというジャンルには、"己の技を磨き、対人戦を楽しむという"というイメージを持つ方も多いでしょうが、『リアリティファイター』はガチンコの対戦ゲームというわけではなく、どちらかと言うとPS Vitaの持つ機能をフル活用して楽しむパーティーゲームをイメージしてもらえればと思います。AR(拡張現実)と呼ばれる技術を導入することにより、プレイヤーの顔を撮影して操作キャラクターを作成したり、対戦ステージの背景にプレイヤーが今いる場所――たとえば、公園や編集部などです――を撮影したものを使ったりと、とにかくリアルとゲームが混在したハチャメチャな対戦格闘が楽しめるんです。
 ゲームの基本操作は、方向キーと□ボタン(弱パンチ)、×ボタン(弱キック)、△ボタン(強パンチ)、○ボタン(強キック)の組み合わせで通常攻撃や必殺技を放つスタンダードなもの(プレイヤーが選んだ格闘スタイルによって、くり出す攻撃は異なります)。"ジャンプ攻撃で飛び込み、強攻撃から特定の必殺技につなげて大きなダメージを与える"など、さまざまなコンボを開発しながら強敵を倒しましょう。ゲームを進めていくと、ウェポン(武器)の使用も可能になり、ますますカオスなバトルがくり広げられますよ!

技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_03
技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_04
技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_05
ひとりプレイのほか、ネットワークを介した対人戦も楽しめます。作り上げた自分だけのオリジナルファイターで、対戦を楽しもう!
ウェポンは最大で3つまで装備可能。Rボタンを入力しながら、□ボタンか×ボタンか○ボタンを押すと、対応したウェポンを使用できるぞ。

キャラクターの作成がアツい!

 前述した操作キャラクターの作成は、本作最大の特徴と言っても過言ではありません。まずはPS Vitaに内蔵されているカメラでプレイヤーの顔を撮影。それがそのままキャラクターの顔になります。変顔で撮影に臨むもよし、真面目に撮るもよし。ちなみに僕は赤いメガネをかけっ放しで撮影を行ったんですが、キャラクターにメガネのフレームがめり込んで、ウル○ラマンセブンの変身シーンみたいになってしまいました(笑)。
 その後、外見や衣装のカスタマイズやキメ台詞の収録などを行い、格闘スタイルを決めます。格闘スタイルは空手やカンフー、バレエなど、ベーシックなスタイルからちょっと変わったものまで、全15種類が用意されているので、好みの格闘スタイルを選びましょう。ジャッキー・チェンをリスペクトする僕は、迷わずカンフーを選択しました。見た目も相まって、サモ・ハン・キンポーみたいになりましたが……。なお、これらのカスタマイズ要素は、一度決定した後でも修正できるので気軽に決められる点が地味にうれしいところ。ゲームに慣れてきたら、色んな格闘スタイルを試して戦うのも面白いですよ。

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技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_07

やり込むほどに広がる、カスタマイズの幅!

 ゲームモードは、本作独特のゆるい物語を楽しむ"ストーリーモード"、ステージ内に出現するアイテムを破壊したスコアを競う"タイムアタックモード"、体力か制限時間が尽きるまで敵と戦い続ける"サバイバルモード"などが搭載されています。キャラクターの作成が終わった僕は、武道の達人であるミスター・ミヤギに弟子入りをするという物語が展開するストーリーモードをプレイ。ストーリーモードは、ときおりミスター・ミヤギのブラックジョークなどを交え、終始ゆるい話が展開されます。そして、冒頭の感想へと至るのです(笑)。このゲーム凄いんだけど、くだらなくてヤバいよね、と……。(いい意味でですよ!)

技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_09
技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_08
技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_10
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 さて、しっかりとゲームのやり込み要素についてもお伝えしましょう。各種モードをプレイすると、"☆ポイント"が溜まっていきます。この☆ポイントを引き換えに、新たな格闘スタイルや衣装、ウェポンなどが解禁されるので、ついつい☆ポイントを溜めるためにゲームをプレイしてしまう楽しさがあるんです。☆ポイントを溜めて新しい格闘スタイルを入手→格闘スタイルを試すためにゲームをプレイ→ゲームをプレイすれば☆ポイントが溜まる→☆ポイントが溜まったから何かと交換する……のような、いい流れでゲームを遊びつくせます。敵をパーフェクトで倒したりコンボを長く続けると、☆ポイントが多く手に入るので上達し甲斐もありますよ。本作は、設定を変えれば前面と背面のタッチスクリーンをタッチすることで必殺技をくり出すこともできます。方向キーで複雑なコマンドを入力するのが苦手なプレイヤーでも、簡単に必殺技がくり出せるので、プレイヤーを選ばずに遊べるゲームになっています。少しでも興味を持ってくれたなら、ぜひ遊んでみてください。

技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_12
技術の無駄遣いだと言わざるを得ない!(いい意味で) 『リアリティファイター』プレイインプレッション_13
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新しい格闘スタイルを試したいときや、コンボの練習に最適な"トレーニングモード"も用意されています。格闘ゲームファンにはうれしいモード!
タッチスクリーンをタッチするだけで必殺技が出せるほか、タッチ後に指を上下左右に動かすと、さまざまな必殺技を使い分けることも可能なのだ。

■筆者紹介 しんのすけ
アクションゲームとゲームセンターが大好きなゲームライター。今回、本記事を担当した際に始めてPS Vitaを触り、「すごい、PS Vitaすごい!」と技術の進歩に改めて驚く『リアリティーファイター』のような(いい意味で)馬鹿らしいストーリーのタイトルは、頭を空っぽにして楽しめるので万人にオススメできると思っています。