トークあり、ライブあり、ゲーム大会ありと盛りだくさん
2012年2月19日、東京・バンダイナムコ未来研究所ファンシアターにおいて、『NARUTO-ナルト-』ゲームシリーズ全世界累計出荷本数1000万本突破および『NARUTO-ナルト-』アニメ10周年を記念したイベント“NARUTO-ナルト- ワールドツアー日本大会”が開催された。ゲストにアニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』でうずまきナルト役を演じる竹内順子を迎え、歴代『NARUTO-ナルト- 疾風伝』オープニングテーマでおなじみのFLOWによるミニライブが披露されるなど、豪華な内容となったイベントの模様をリポートしていこう。
◆イベント名:NARUTO-ナルト- ワールドツアー日本大会
◆主催:株式会社バンダイナムコゲームス
◆会場:バンダイナムコ未来研究所 ファンシアター
最初に登場したのは、『ナルティメット』シリーズをはじめ数多くの『NARUTO-ナルト-』作品を手掛けてきた、バンダイナムコゲームスの佐々木夕介プロデューサーだ。佐々木氏は、初の『NARUTO-ナルト-』ゲームとなった、ワンダースワンの『NARUTO-ナルト- 木ノ葉忍法帖』を手掛けた思い出なども語りながら、これまで『NARUTO-ナルト-』を支え続けてきたファンに対して感謝の言葉を述べた。
佐々木氏による挨拶に続いて、『NARUTO-ナルト- 疾風伝』でうずまきナルト役を演じる竹内順子が登場し、ここからはふたりによるトークショウが展開された。
主人公役として多数の『NARUTO-ナルト-』ゲームの収録を経験してきた竹内は、同じシーンでもゲーム作品ごとに毎回収録し直すので、「毎回毎回「帰ってきたってばよ!」って、何度帰ってきているんだって思ったり(笑)。辛い別れのシーンなどでは、収録のたびに辛い気持ちになりますね」と、何度となくゲーム化される人気作品ならではの裏話を語ってくれた。
ちなみにゲームの台本は、キャスト全員の台詞が書かれた分厚いものなので、自分のパートのみを切り取って収録に臨む声優が多いんだとか。ただし、うちはサスケ役の杉山紀彰はそれをよしとせず、必ず分厚い台本を丸ごと持って収録するそうで、その姿を見て、「杉山さんはまじめな人だなぁ」(竹内)と感心しきり、なのだそうだ。
続けて、『NARUTO-ナルト-』関係者からのビデオメッセージが披露された。
アニメの裏話が!? 「サスケ君のお話が続くと……」
ゲームの話題に続いて、10周年を迎えたアニメのお話に。10年間続けてきた感想を求められた竹内は、「1日1日生きてきたな、というだけです(笑)」(竹内)ととぼけながらも、その10年を支えてくれたファンたちに改めて感謝の言葉を述べた。また、毎週放送の番組を作り続ける苦労については、「私は、サスケ君のお話のときは出番がないので、そんなにたいへんではないんです(笑)。でもやっぱりさびしいので、早くふたり(ナルトとサスケ)がいっしょに出てくるお話になってほしいですね」(竹内)と語っていた。
つぎに、歴代『NARUTO-ナルト- 疾風伝』オープニングテーマでおなじみのFLOWによるミニライブが披露された。今年デビュー10周年を迎えるFLOWは、アニメ『NARUTO-ナルト-』でオープニングテーマを4回担当してきたバンドだ。それだけに、彼らにとっても『NARUTO-ナルト』は大きな存在だそうで、「ライブの最前列で、お母さんに抱きかかえられながら、額あてを付けた子どもが見に来るようになったわけですよ。そしておとなしくしていたその子が、『NARUTO-ナルト-』の曲が始まったとたんに、笑顔で拍手をしてくれたり(笑)」(KEIGO)というエピソードを語っていた。
【FLOW LIVEセットリスト】
1.『Re:member』
2.『SUMMER FREAK』
-MC-
3.『Sign』
4.『ロッククライマーズ』 ※2012年2月22日発売の新曲
-MC-
5.『GO!!!』
ゲーム最新作は間もなく発売 ピロシ社長は前代未聞の挑戦を!?
ライブの余韻が冷めやらぬ中、続いては、サイバーコネクトツーの代表取締役社長・松山洋氏が登場し、2012年2月23日発売予定の最新作、プレイステーション3/Xbox 360用ソフト『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームジェネレーション』の紹介コーナーが始まった。
本作のポイントとして挙げられたのが、“スタジオぴえろ制作の新作アニメーション”、“歴代最多の登場キャラクター”、“新しくなったバトルシステム”の3つだ。
新作アニメーションについては、スタジオぴえろが制作した、計65分以上に及ぶ映像が収録されている。松山氏いわく、「現在の最新の技術で描き起こしたアニメーションで“波の国編”や中忍試験を見ると、なんかスゲェ! ってビックリしますよ」。また、週刊少年ジャンプ編集部、スタジオぴえろ監修のもと、「あの事件、あの戦いのとき、一方そのころ……というふうに、別の視点で描かれた映像もあったりします。非常に中身の濃いストーリーモードになっています」(松山氏)とのことだ。
また、本作の大きなポイントとして、“キャラクター間のバランスの再調整”が行われていることが説明された。前作『ナルティメットストーム2』では、「少年ナルトと仙人ナルトが闘ったら、結果がどうなるかは自明ですよね」(松山氏)という具合に、ある程度設定に沿ったキャラクター調整となっていた。そしてネット対戦でも、好きなキャラクターを使ってワイワイ楽しんでもらう方向で考えていたそうだが、いざ発売されてみると、強いキャラクターを使って“勝ちにいく”スタンスで遊ぶ人が大半を占めるという結果に。そこで今回は、どのキャラクターを使っても勝負になるように、「全キャラクターのバランスを見直しました」(松山氏)とのこと。
バトル関連では、より対戦をおもしろくするための新システムが導入されているが、これについてもおもしろいエピソードが明かされた。最新作を制作するにあたり、プレイヤーからの要望を募集したところ、全世界から、1週間で5000件、現在までの合計で17000件を越える要望が集まったのだそうだ。もちろん全世界が対象の募集なので、「英語はまだしも、フランス語、スペイン語、ポルトガル語……あげく、何語かわからん語まで、あらゆる言語の要望が集まりました(笑)」(松山氏)。これらの要望は、サイバーコネクトツーの技術スタッフが制作した自動翻訳ツールを駆使して精査され、本作に反映されているのだという。具体的には、『ナルティメットストーム2』のネット対戦で見られた、“逃げ回りながら遠距離攻撃だけを仕掛ける”などのプレイは通用しなくなっているそうだ。なお、この全世界から寄せられた17000件の要望のうち、日本のプレイヤーからのものは何件かというと……なんと、たったの100件! 松山氏は、「日本人はおくゆかし過ぎですよ。欧米からは、“このシステムを入れなかったら●●ス”、“この修正は絶対にやれ”などの過激な要望がたくさんきました(笑)」と苦笑いしていた。直接関係はないが、本作のネット対戦は、参加エリアを選択できる仕組みになっており、日本限定でも、全世界対象でも、どちらでも遊べるそうだ。奥ゆかしい日本人プレイヤーも安心してほしい。
ちなみにゲーム紹介の前置きとして、アメリカ・ヨーロッパでの『NARUTO-ナルト-』人気の高さについて語られた中で、衝撃の新情報が判明。なんと1000万本を記念して、松山氏がみずから、2012年4月15日に開催されるパリマラソンに出場することが決定したのだそうだ。「ナルトの格好をして、42.195キロを走ります」(松山氏)とのこと。パワフルな仕事振りに定評のある松山氏とはいえ、まさかそこまでやるとは……!!
イベントの最後は、『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームジェネレーション』を使用したゲーム大会だ。当日朝から行われた予選を勝ち抜いた4人のプレイヤーが争い、見事優勝を勝ち取ったのは、仙人ナルトを使用して戦った石井さん。彼は『ナルティメットストーム2』のネット対戦では10000勝を達成した猛者で、連携奥義まで駆使した華麗なプレイを披露してくれた。
最後に、この日の出演者全員が、それぞれに『NARUTO-ナルト-』への思いを語り、改めて作品を支え続けている制作者、ファンへの感謝の言葉を述べた。竹内によると、「これを話すといろんな人に本気で怒られるので言えませんが、今年はすごい人が『NARUTO-ナルト-』に関わってくるらしいですよ」とのこと。ゲーム1000万本、アニメ10周年など、節目の年なだけに、2012年は『NARUTO-ナルト-』関連の話題が尽きない1年になりそうだ。