2012年2月9日、角川ゲームスとキャラアニが、PlayStation Vita版『英雄伝説 零の軌跡』の発表会を東京都六本木のニコファーレで開催した。
パブリッシャーは角川ゲームスで、企画制作を日本ファルコムとキャラアニ、プログラム開発をピラミッドが担当し、2012年夏に発売予定。価格は6090円[税込]で、ダウンロード版が5040円[税込]。フルボイス版として発表され、この度『零の軌跡 エヴォリューション』と、“進化”を意味する副題がついた本作は、いかに進化するのか?
進化のポイントは6つ
まずは発表会でわかった、PSP版から本作へのパワーアップや追加要素をまとめてご紹介しよう。
メインストーリーのフルボイス化
当初より“フルボイス版”として発表されていた本作。メインストーリーをフルボイス化(PSP版のキャストは継続)しているほか、総勢157名、2万パターンを超えるボイスを収録。なお、ティオ・プラトー役の水橋かおり曰く、自分の担当分のセリフだけで台本が「電話帳一冊分」(水橋)だとか。jdk BANDのメンバーである小寺可南子、岡島俊治、上倉紀行らも声優として参加するとか。
使用楽曲をすべて新アレンジで収録
全74曲のBGMをすべて新アレンジで収録。小寺可南子が歌う主題歌「way of life」も新アレンジが施されている。ちなみに、上倉紀行、岡島俊治らもアレンジの編曲や録音に参加していることがイベント中で明かされた。
キャラクター、ビジュアルなどを総リファイン
PlayStation Vitaになったことで、グラフィックの高解像度化を実施。アートワークやユーザーインターフェースなどだけでなく、川面の反射の光のゆらぎなど、画面エフェクトなども追加されている。
ムービーシーンを再構成
前述のグラフィックの高解像度化に合わせて、オープニング映像や、ゲーム中ムービーのアニメーション映像も新規に起こし直している。
支援要請(サブクエスト)を新たに追加
サブクエストにあたる支援要素を新規に追加。キャラアニでのプロデューサーである平賀忠和氏によると、制作にあたっては、日本ファルコムのプロット原案を元に、オフィシャル外伝小説『英雄伝説 零の軌跡 四つの運命』などを手掛けている田沢大典氏らが執筆を担当しているとのこと。
新規ミニゲームを追加
PlayStation Vitaの機能を活用したミニゲームを追加。ダーツ501(タッチスクリーン)、クロックメモリー(タッチスクリーン)、コロコロみっしぃ(モーションセンサー)など、ハードウェア機能を活かしたものとなっている。
関係者からは高い期待感
司会を務めたのは、角川ゲームスの安田善巳代表取締役社長。イベントの開始から終了まで安田氏自らゲストの紹介や進行を行い、本作への力の入れ具合が伺えた。
各社からさまざまな関係者が登壇したが、一様に語っていたのが、日本ファルコムと『英雄伝説』シリーズへのファンの熱意の強さ。ゲーム業界初参入となるキャラアニの加藤智代表取締役社長が、本作での参入を決めた理由として、「日本ファルコムさんへのユーザーの熱い信頼」と、関連グッズ制作をともに手掛けてきたことによる「日本ファルコムさんとキャラアニの信頼関係」の2点を軸として挙げたかと思えば、日本ファルコム代表取締役社長の近藤季洋氏も、細かなディテールにもこだわる日本ファルコムのファンに対して、確かなものを作りあげてきたキャラアニへの信頼と期待を隠さない。
ソニー・コンピュータエンタテインメントの河野弘プレジデントも、『英雄伝説』シリーズを「シリーズを重ねるごとに売上を伸ばしている、プレイステーションを代表するすばらしいタイトル」と表現し、PS Awardのユーザーズチョイスで2年連続で選ばれていることにも触れつつ、「(PS Vitaの)ハードの持っている可能性を最大限に引き出してくれるタイトルになると期待しています」と語り、発売までマーケティング面などで協力していくことを表明していたのが印象深い。
そのほか、開発を担当するピラミッドの代表取締役社長である中野賢氏も、PSP版を尊重しつつ、PlayStation Vitaになったことによる利便性や、ミニゲームで利用しているハードウェアの機能などを活かしていきたいと語っていた。
イベントの後半では、jdk BANDによるライブも行われ、『空の軌跡SC』の主題歌である「銀の意志、金の翼」、初披露となる新曲「セルリアンブルーの恋」、そしてもちろん「way of life」、戦闘曲メドレーなど、全5曲を披露。
小寺、岡島、上倉の3人は、続けて水橋かおりと“ティオのファルコムラジオめんどくさいです…でもがんばります”と“jdk TV”のダブル公開収録にも参加し、生アフレコに挑戦するなど、フル回転の活躍だった。
なお、ファミ通.comの速報記事では本記事には掲載していない画像なども全掲載しているので、そちらもチェックしてみてほしい。
(C)Nihon Falcom Corporation.
(C)2012 Chara‐ani Corporation