発売を終えて……『ファイナルファンタジーXIII-2』開発者インタビュー※ネタバレ注意

スクウェア・エニックスから発売中のプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ファイナルファンタジーXIII-2』のディレクターを務めた鳥山求氏と、プロデューサーの北瀬佳範氏に今後予定されているダウンロードコンテンツなどについて伺った。なお、記事中にネタバレを含むので、ゲームをクリアーしてから読んでほしい。

●「DLCを含めて、さらに物語が広がり、拡充していく」(鳥山)

 スクウェア・エニックスから発売中のプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ファイナルファンタジーXIII-2』のディレクターを務めた鳥山求氏と、プロデューサーの北瀬佳範氏に、今後予定されているダウンロードコンテンツ(以下、DLC)などについて伺った。なお、記事中にネタバレを含むので、ゲームをクリアーしてから読んでほしい。
※本インタビューは、週刊ファミ通2月9日号(1月26日発売)で掲載したものに一部追記しています。


●ワールドワイドでの展開を前に――鳥山求ディレクターインタビュー

鳥山北瀬/WA3_1550.JPG

――制作において、前作と本作で苦労した点に違いはありましたか?

鳥山求(以下、鳥山) 『FFXIII』のときはスケジュールに苦しんだのですが、今回は前作と比べると計画通りに進んだので、それはなかったですね。ただ、DLCの作業がずっと続いていて、発売後も新たな締切がどんどん来るので、そこがきびしいです(苦笑)。

――発売から1ヵ月以上経ちますが、ゲームの内容について、ユーザーからの反応はいかがでしょうか?

鳥山 自由度が大きく上がったヒストリアクロスやパラダイムシフトなど、ゲームシステムはとても好評のようで、うれしく思っています。北米や欧州、アジアでのリリースを控えていますので、最終的にはそちらの反応も待ちたいところですね。

――北米での発売に向け、現地を訪問したとのことですが、いかがでしたか?

鳥山 発売記念イベントはラスベガスで行ったのですが、パーティー気分で楽しみました。最新マシンと比較しても、『FFXIII-2』のカジノはよくできているなあと思いつつ、刺激になりましたね。今後追加される、DLCのカジノにもご期待ください。


■エンディングの意図に迫る

――発売から1ヵ月以上が経ったいまだから言える開発秘話があれば、教えてください。

鳥山 モンスターのクリスタルを素材にして、アクセサリーを強化するというシステムが途中までありました。モンスターのアビリティ継承を、アクセサリで行うようなイメージです。しかし、そうするとプレイヤーキャラが強くなりすぎるのと、モンスターの使い道がブレてしまうのとで、削除しました。

――なるほど。では、日本での反応が大きかったエンディングについて、あの終わりかたは、当初から予定していたものなのでしょうか?

鳥山 はい。従来作のように“THE END”からタイトル画面に戻すのではなく、今回はゲーム内に戻って、ヴァルハラから歴史がくり返されるという意味合いを持たせています。そこから、別のエンディング……パラドクスエンディングを探しに旅立っていただければと。また、DLCを含めて、さらに物語が広がっていき、拡充していくゲームであるという意味合いもあります。

――フラグメントをすべて集めてクリアーすると、シークレットエンディングが観られます。あれが、真の歴史なのでしょうか?

鳥山 そうです。すべての歴史を知っている“彼”が辿り着く結論とは言えます。

――彼は生きているんですか?

鳥山 あの空間では生きていますが、現世で生きているかはわかりません。彼は望んでそういう状態になっています。

――カオスの正体とは、いったい何だったのでしょうか?

鳥山 そこは『FFXIII-2』ですべてを語ってはいない部分です。ヴァルハラにある黒い想念をカオスと呼んでいますが、それが何かというのは、あえて出していません。

――ちなみに、かつてカイアスをルシにしたのは、どのファルシなのでしょう?

鳥山 グラン=パルスのファルシです。エトロが最初に作った人間である、時詠みの一族を守るいう使命を負っていました。

――時詠みの一族の能力は、何のためにあったのでしょうか?

鳥山 視えてしまうから視ていただけ、という言いかたもできます。世界をよくするために、その力を使っていたことはあったかもしれないですが、利用されて戦争が起こってしまったといったことも過去にあり、それで人の目を気にして隠れて暮らすようになりました。

――本作では正史ではないパラドクスエンディングという要素もありますが、これはどういう経緯で盛り込まれたのでしょうか?

鳥山 ヒストリアクロスでプレイヤーがみずから歴史を変えていくことで、新しい物語が紡がれていく実感があるようにしたかった、というのがおもな意図です。

――パラドクスエンディングの中には、そのままお話が続きそうなものもありますよね。

鳥山 そうですね。それぞれ、その後があるのだと思います。僕は、スノウが出てくるものがいちばん楽しそうで好きですね(笑)。なかにはコミカルなものもありますが、これは本編の終わりかたがシリアスなので、パラドクスエンディングには、明るい終わりかたを盛り込みたかったという思いがあったからです。


■DLCでライトニング登場!

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――すでに発表されている、ライトニングと戦えるDLCについて教えていただけますか?

鳥山 オメガと同じくコロシアム用のDLCで、『FFXIII』のライトニングが時空を超えて現れる、というイメージです。もちろん、戦ってクリスタルになれば、仲間にすることができますよ。仲間にしたときのロールは、ブラスターです。コロシアムでは、オメガのほかにも『FF』シリーズのボスモンスターが登場するので、楽しみにしてほしいですね。

――DLCの配信は、どれくらいまで続く予定なのでしょうか?

鳥山 海外版が発売してから3ヵ月ほど、5月くらいまでは続けたいと考えています。また、DLCだけではなく、本編のアップデートで、やり込み要素をサポートするような拡張機能の追加が予定されています。

――本作については謎が残っている部分もありますが、DLCなどでそれらが語られるということはあるのでしょうか?

鳥山 ライトニングについては、まだ詳細はお伝えできないのですが、エピソードを伴ったコロシアム以外のDLCがあります。そういった形で『FFXIII-2』を補完する部分はありますが、ゲームの外にも広がっていくような展開があっていいかなと思っています。

――ソフトと同時に発売された小説、『FFXIII Fragments Before』のような展開でしょうか。小説の最後に、“To Be continued FFXIII-2 Fragments After”という表記がありました。

鳥山 そうですね。その『FFXIII Fragments After』では、ゲームで語られていない、幕間の物語が描かれます。スノウがどうやってルシになったか、などですね。

――ゲーム中では、足跡がなんとなくわかるものの、詳細は不明なサッズ親子などは?

鳥山 確かに、彼らも彼らなりの苦労をしていますからね。サッズ、ドッジ、チョコリーナについては、小説かDLCかわかりませんが、登場する機会を設けたいと思っています。

――DLCの終了後、鳥山さんのつぎのプロジェクトの構想はあるのでしょうか?

鳥山 そろそろ立ち上げないといけないところです。今回、やはり日本の市場の状況は大きく変わってきていると実感しているので、つぎの展開についてはいろいろ思うところはあります。たくさんの人に遊んでいただきたいという思いが強いのですが、スマートフォンの普及などもあり、ゲームのプレイ人口が確実に多くなってきているので、どこに向けて作るかを考えないといけませんね。しかし、まずは『FFXIII-2』の今後の展開に注力しないと(笑)。まずはそちらにご期待いただければと思います。


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●前作と異なるアプローチ――北瀬佳範プロデューサーインタビュー

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――北米版の発売に向け、現地に行かれていたそうですが、反応はいかがでしたか?

北瀬佳範(以下、北瀬) ラスベガスの高級クラブでのパーティーという形式で、発売記念イベントを行いました。今回は一般のユーザーさんが対象ではなく、NBAで活躍されたリック・フォックスさんや、女優のエリザ・ドゥシュクさんなど、ハリウッドのセレブの方々に試遊してもらい、たいへん気に入っていただけました。海外の一般ユーザーさん向けには、ちょうどその日に、PlayStation NetworkやXbox LIVEで体験版が配信され、そちらも評判がいいようです。

――『FFXIII-2』は、北瀬さんが以前おっしゃっていたように、過去の『FF』のような“盛りだくさん感”がある作品になっていますね。

北瀬 僕もまだまだプレイしていて、開発資料を見ながらモンスターを集めたり(笑)。あとはカジノのラッキーコインだけなんですよ! かなり、のめり込んでいますね。

――『FFXIII-2』の制作過程において、北瀬さんがもっとも苦労したところは、どこだったのでしょうか?

北瀬 やはり、前作に対するユーザーさんの意見を、どう解消していくかという点です。今回は開発期間の関係で、システムを一新できるわけではありませんでした。『FFX』から『X-2』のときのような大胆な変更はできなかったので、“どこに手を加えていくか”に悩みましたね。そのため、新要素のシネマティックアクションなどは、最初のユーザーテストのとき、開発側はかなり不安げな様子でした。その後、何回もユーザーテストを重ねていくことで、“ポリッシュ”(polish。“磨く”の意)していき、現在の形にすることができたんです。

――『FFXIII-2』では、ユーザーさんの意見を反映していったんでしたね。

北瀬 はい。同時に自分たちでもプレイして、細かく見直しながら制作を進めていきました。ポリッシュの期間ややりかたが、クオリティー向上につながりましたね。

――前作とはアプローチが違ったんですね。

北瀬 たとえば、前作のガプラ樹林のマップというのは、単純な六角形が連なっているものですが、あれは当初、かなり広くて複雑だったんです。迷いやすかったので、「右の分岐はやめておこう」、「横道のマップはやめておこう」という流れになり、分岐がなくなって、結果、迷路としてはシンプルな構造になってしまいました。本当はポリッシュの期間がもっとあれば、「ライティングで明るくすれば誘導できるんじゃないか」など、そちらに招き入れるような仕組みを考え、シンプルではない迷路にできたと思うんです。今回はポリッシュの時間をとることで、自由度がありながら、複雑なマップでも迷うほどではないという、バランスが取れたものになったと思っています。

――ほかに、ポリッシュによって目に見えて向上していった要素はありますか?

北瀬 シネマティックアクションのアイコン表示は、ずっと手直しをしていましたね。背景で派手な演出が表示されているなかで、初めてそれを見るユーザーさんに、「上を押すんだ」といった意味ををわかってもらわなければいけない。ほかにも、迷わないようにカメラを移動させたり、アガスティアタワーではカイアスを移動させて行くべき方向を示唆したりといったものは、ポリッシュの成果です。

――エンディングに関しては、北瀬さんからのオーダーはあったのでしょうか?

北瀬 エンディングなので多くは語れませんが、『FFXIII』の世界がまだまだ広がっていくことを示唆して欲しいとは言いました。DLCによる追加エピソードなどは、その広がりのひとつと考えています。

――ちなみに、北瀬さんが手掛けられる、『FFX』のHD化については?

北瀬 着手していますが、発表のためにお見せできる画面写真や動画を用意するには、もう少しかかります。そんなに時間をかけず、早めにリリースできればと考えています。

――では、読者にメッセージをお願いします。

北瀬 今後は、DLCで『FFXIII-2』の世界をお楽しみいただけます。配信中のオメガについては、無料期間があったということもありますが、ダウンロード率がかなり高く、想像以上にDLCに興味を持っていただけているという実感があります。ライトニングが登場するエピソードもありますので、ぜひご期待いただければと思います。




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