カプコンの『モンスターハンター フロンティア オンライン』で、2012年2月1日に大型アップデート『フォワード.3』が実施される。その見どころを運営プロデューサーの杉浦一徳氏に伺った。

新モンスター“アビオルグ”について

『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_14

――アビオルグはどのようなモンスターでしょうか?

杉浦 アビオルグは、『MHF』初登場の種である"獣竜種"のモンスターになります。"獰竜(どうりゅう)"という通り名が表すように、非常に獰猛なモンスターです。その獰猛さがうまく表現できたという手応えがあります。また、多数あるウリのひとつとして、4つの狩猟フィールドに対応していることが挙げられます。これまでの新モンスターですと、だいたいひとつのフィールドに対応していますので、それにくらべると多い数だと思います。差別化された複数のフィールドに出現するので、それぞれのフィールドで楽しみかたがあると思います。

――新たな種ということで、既存のモンスターとはまったく異なる攻撃が多そうですが……?

杉浦 やはり、新しい種のモンスターということで、これまで『MHF』に登場したモンスターとはひと味違う動きや特徴を入れたいという部分は大きかったです。最大の攻撃は尻尾によるもので、太くて長いため、ハンターにとってはやっかいなものでしょう。また、炎のブレスを吐き出したり、巨岩を飛ばしたりといった攻撃もあります。

『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_01
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_02
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_03

――獰竜の名にふさわしい感じですね。

杉浦 防御や回避などの"守り"よりは、かなり"攻撃"に重点を置いたモンスターだと言えますね。わかりやすく言うとティガレックスのような。また、連続攻撃が特徴になっていて、尻尾で放り上げたハンターに対して、尻尾で追撃を行うといった技もあります。最初の攻撃を避けても、つぎの攻撃に注意が必要かもしれません。単体でも手こずる相手ですが、2頭が同時に出現するクエストも準備していますのでぜひ挑戦してください。

――挑めるハンターランクはいくつからでしょうか?

杉浦 HR17から狩猟が可能で、HR71と剛種のクエストもあります。

――アビオルグを狩猟して生産できる武具はどのようなものでしょうか?

杉浦 アビオルグの武器や防具は、ミリタリー系の雰囲気になっており、これまでにないようなデザインではないでしょうか。

『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_04
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_05
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_06

もう1種の新モンスター“タイクンザムザ”について

――タイクンザムザは見た目のインパクトがありますね。

杉浦 タイクンザムザは『MHF』でひさびさに登場する甲殻種のモンスターです。実際の世界では、殻を持っている生き物というと限られるので、モンスターのデザインのベースにしようとすると手こずるのですが、このタイクンザムザは、力を入れて開発しました。

――どのような特徴があるのでしょうか?

タイクンザムザは、全身をびっしりと多数の殻で覆って“擬態”しています。殻が壊れていくと、徐々に本来の姿を現すようになります。通常の部位破壊とは異なっていて、攻撃を当てるとボロボロと殻が落ちていきます。実際にプレイしていただくと、その様子がよくわかると思います。個人的には破壊しがいのある、心地いい壊れかただと感じました。タイクンザムザの本来の姿は最初の段階よりだいぶ異なりますので、メリハリが付いていて、いい仕上がりだと思いましたね。

――部位破壊を行うと、外見以外にも変化があるのでしょうか?

杉浦 タイクンザムザの攻撃や行動に関しては“パワータイプ”といったところで、スピードは緩やかな反面、一撃が大きい点が特徴となっていますが、部位破壊を行うと、攻撃のスタイルやパターンも変化していきます。ほかの甲殻種にはない独自の攻撃が多数あり、おもしろいモンスターに仕上がりました。タイクンザムザは、4月上旬から登場する予定になっていますのでお楽しみに。

――挑めるハンターランクはいくつからでしょうか?

杉浦 HR3の下位クエストがあり、HR31の上位クエストと剛種のクエストがあります。

――タイクンザムザを狩猟して生産できる武具はどのようなものでしょうか?

杉浦 タイクンザムザの防具は、その本来の姿をモチーフにしたものもあり、なかなか派手で見た目に楽しいですね。武器に関しては、外殻の雰囲気を持ったものや、本来の姿をモチーフにしたものなどがあります。

『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_07
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_08
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_09

新たな武器と防具について

杉浦 カカブシリーズは、人気が高かったククボシリーズの色違いとなっており、ゲーム内イベントで入手できます。カウチュシリーズはプレミアムキットで、かっこいいデザインに仕上がっています。武器に関しては、SP武器や剛猫武器、BP進化武器などを始め、これまでのアップデートと同じくらいのボリュームの武器の追加を予定しています。また、ライトボウガンに進化武器を追加しています。ライトボウガンの進化武器は、"強酸弾"という独自の弾を装填できる点が特徴です。強酸弾をモンスターに当てると、ヒットした部位の肉質が柔らかくなる効果があります。これにより、肉質が固かったモンスターにも、ダメージを与えやすくなりますので、そのようなサポート役として楽しんでみるのもオススメです。

『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_10
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_11
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_12
カカブシリーズ(剣士)
カカブシリーズ(ガンナー)
カウチュシリーズ
『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_13
ライトボウガン 大蛇ノ軽弩

――“強酸弾”はどのようにして入手するのでしょうか?

杉浦 強撃剣晶や打撃ビンなどと同様に、パローネ=キャラバンの調合屋で手に入れることができます。

――『フォワード.3 プレミアムパッケージ』と、過去のパッケージの特典防具に新たに“FZシリーズ”への派生が追加されるということですが?

杉浦 過去のものでは、シーズン8.0からフォワード.2までのパッケージの特典防具にFZシリーズへの派生を追加しています。

――新たなHC武器は追加されるのでしょうか?

杉浦 通常のHC武器も追加しますが、キャラバンの武器や狩人祭で手に入る一部の武器も、HC武器へと強化できるようになります。倉庫に眠っていたあの武器が、また日の目を見ることになるかもしれませんね。そういった要望も多くいただいていますので、これからも対応していきたいと思います。

秘伝書関連について

『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_16

――秘伝書取得以降のコンテンツに関して追加や修正はありますか?

杉浦 秘伝書取得以降、最終的に秘伝防具の強化を目標としている方が多いと思いますが、なかなか難度が高く、また秘伝書取得以降はハードコアクエストが中心となる部分が多いため、そのようなハンターをフォローできるようなものが必要だということで、一部の既存防具の新たな強化派生に“HC防具”を追加し、“HC防具”専用の特殊効果を付けました。

――どのような効果になるのでしょうか?

杉浦 ハードコアクエスト時に、徐々に体力が回復するというものです。ダメージを受けた際、赤色の体力ゲージ回復後に、緑色のゲージが徐々に回復していくようになります。また、装備する部位が増えるごとに回復速度も上がっていきます。

――秘伝防具の修正に関してはいかがでしょうか?

杉浦 まず、非常に要望が多かった、大剣と太刀のスキル変更についてです。秘伝防具に備わるスキル系統のうち、人気が低かったスキルを別のスキルに差し替えました。大剣は“ガード性能”、太刀は“回避性能”にそれぞれ差し替わります。これは、かなりテコ入れできたのでは、と感じています。そして、太刀とランス、ガンランス、ヘビィボウガンの秘伝防具について、専用スキルの効果を見直し、新たな効果を追加しました。それぞれ強力な効果が発動するので、秘伝書の最終目標として目指していただけるのではないでしょうか。

武器バランスの調整について

――武器のバランス調整についてお聞かせください。

杉浦 フォワード.3では、ヘビィボウガンの上方修正として、排熱噴射の威力アップを行います。先の秘伝防具の専用スキルとは別物となっていますので、通常の防具でも適用されるものです。また、ほかの武器種については、今後の修正などを引き続き検討しています。

ホルクについて

――ホルク関連のコンテンツで追加や修正はありますか?

杉浦 ホルクのレベル上限をLV2まで解放し、レベルを上げることで外見が変化していきます。また、"学びの書"をすべて集めてしまったという方も多いと思いますが、『フォワード.3』で多数の学びの書を追加していますので、こちらも集めていただければ。

グークについて

――グーク関連のコンテンツに関してお聞かせください。

杉浦 フォワード.3からは、グークが3匹まで飼えるようになります。グークの服や部屋のパーツもバリエーションが増えて、見た目に楽しんでいただけると思います。また、新要素として、グークどうしの会話を追加しています。グークの交流を見守っていると、新しいグークのたまごが手に入ることがあり、いままでにない毛色のグークが生まれるかもしれません。同じく、グークどうしが交流することで手に入るユニークなアイテムも用意しています。クエストで使えるアイテムで、遊び心あふれるものになっています。

フィーチャーウェポンについて

――“フィーチャーウェポン”とはどのようなシステムでしょうか?

杉浦 このシステムは、毎日特定の武器種にスポットを当て、フィーチャーされた武器種の性能が飛躍的にアップするというものです。一部、定期開催イベント実施時など、例外となる日もありますが、たとえば大剣の場合、抜刀攻撃時に会心率が+100%になるなど、それぞれの武器種で強力な効果が追加されます。フィーチャーウェポンは、2月下旬からの導入を予定していますので少々お待ちください。

――導入の意図はどのようなものだったのでしょうか?

杉浦 武器のバランス調整はもちろん継続的に行っていかなければいけませんが、このようなシステムを導入することで、皆さんにいろんな武器を使ってみてほしいという意図や思いがありました。また、フィーチャーウェポンによって、日々の狩りにメリハリが出るのではないかと思います。

HRPを入手しやすい新システム(混合パーティボーナス/ポイントボーナス/デイリークエスト)

――まず、混合パーティボーナスとはどのようなものでしょうか?

杉浦 HR500未満のハンターとSRのハンターがパーティーを組んでクエストを
達成した場合に、双方にメリットがあるような仕組みを導入しました。具体的には、HR500未満のハンターは通常より多くのHRPが獲得でき、SRのハンターは多くのHCチケットが手に入るようになります。こちらは秘伝共闘のようなアナザーターゲットとは異なり、どんなクエストにも適用される仕組みになっています。

――続いて、ポイントボーナスについてお聞かせください。

杉浦 これは、1日3回まで適用される“ポイントボーナス”の権利を得てからクエストを達成することで一定のHRPボーナスを得られるというものです。地図納品など、どんなクエストにも適用され、HR200までのハンターであれば、3回達成すればHRが1上がるだけのポイントがもらえます。HR200以上のハンターでも、3回でHR1アップとはいきませんが、ボーナスを受けることができるので、だいぶHRを上げやすくなるのではと思います。

――デイリークエストとはどのようなものでしょうか?

杉浦 デイリークエストは1日に1回だけ受けられるクエストで、HRPや素材が入手しやすいクエストになっています。

――これらのシステムの導入には、どのような意図があったのでしょうか?

杉浦 一年を通じて、春は初心者向け、冬は上級者向けのコンテンツ追加を多くしている傾向があるのですが、上級者向けのコンテンツに力を入れていくと、初心者、中級者の方も上を目指していきたくなると思います。そういった方に向けて、より上のランクを目指しやすくするために、そのハードルを少し下げるシステムをこのような形で提案させていただきました。

パローネコースの統合について

――従来のパローネコースの販売が終了するということですが、今後はどのような扱いになるのでしょうか?

杉浦 従来のパローネコースにあったすべての特典が、プレミアムコースに付属します。今後はプレミアムコースを利用していただければ、狩人珠パーティーポイントの獲得量アップなどの特典が得られるという形ですね。

最後に

『MHF』アップデート恒例! 杉浦運営プロデューサーに聞く、フォワード.3における進化、そして今年の展望_15

――新年初のインタビューということで、昨年の2011年が『MHF』にとってどのような年だったか、また2012年の抱負をお聞かせください。

杉浦 2011年は『MHF』のサービスに関して、非常に安定した一年だったと思います。アップデートは従来どおり行っていましたが、それ以外の部分では、悪く言えば変化のない年、よく言えば、非常に安定していた年でした。小中規模の企画は多数ありましたが、“大きな話題性”が少ない印象でしたね。逆に、2012年に関しては“大きな話題性”をご提供できるのではないか、と思います。

――期待しています! 最後にひと言メッセージをお願いします。

杉浦 今年は大きなオフラインイベントを予定しています。そのイベント程度で、先ほどの大きな話題性という意味ではないのですが……。現在、そのオフラインイベントの企画を着々と進めていますのでご期待ください。また、2012年で『MHF』は5周年を迎えます。それにふさわしいような、お客様に還元できるものを考えています。『MHF』の大きな変化や、大きな話題をぜひ楽しみにしていてください。

(C)CAPCOM CO., LTD. 2007, 2012 ALL RIGHTS RESERVED.