『ドラゴンズドグマ』にガッツとグリフィスの装具が登場することが判明

『ドラゴンズドグマ』にガッツとグリフィスが!?――映画『ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵』とのコラボ試写会の模様をリポート_03
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 全世界累計3300万部(リリースより)を超えるファンタジー超大作コミック『ベルセルク』。長大なるこの物語の世界観すべてを映像化する“ベルセルク・サーガプロジェクト”の第1弾として、映画『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』が、2012年2月4日(土)に公開される。この映画『ベルセルク』とカプコンのハイファンタジーのオープンワールドアクションゲーム『ドラゴンズドグマ』がコラボレーションすることはすでに発表されているが、本日、本コラボを記念して、映画『ベルセルク』の監督・窪岡俊之氏と世界観監修の岩尾賢一氏、そして『ドラゴンズドグマ』プロデューサー小林裕幸氏によるティーチイン試写会が開催された。

 本稿では、試写のあとに行われた監督・窪岡俊之氏、世界観監修・岩尾賢一氏、『ドラゴンズドグマ』プロデューサー・小林裕幸氏の3人によるトークショーの模様をお伝えする。

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『ドラゴンズドグマ』プロデューサー・小林裕幸氏
『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』監督・窪岡俊之氏
『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』世界観監修・岩尾賢一氏

 トークショーでは、まず、『ドラゴンズドグマ』の小林プロデューサーが登場し、同作の概要を紹介。加えて、『ベルセルク』とのコラボの一環として、ガッツとグリフィスの装具をゲーム内に登場させることを明らかにした。この装具グラフィックは、明日1月27日発売のヤングアニマル誌面で公開されるとのこと。ぜひチェックしてほしい。小林プロデューサーは、自身はもちろん、開発スタッフにも『ベルセルク』ファンが多数いることを述べ、「窪岡監督にも喜んでもらえてホッとした」とコメント。
 
 続いて、窪岡監督と岩尾氏を交えてのトークショーとなった。以下はそのやり取りの模様だ。

――映画制作について

窪岡 原作の『ベルセルク』はものすごい描き込みでリアリティーもあり、映像化するにあたってごまかしは利かない作品。それに負けないよう、また、それを少しでも超えられるようなリアリズムにこだわって制作しました。また、『ベルセルク』は海外でも人気の作品で、映画も海外公開を視野に入れています。ですので、海外が制作した日本を舞台にした作品で、我々が感じるような“ちょっとおかしい時代劇”にならないよう、時代考証をしっかりしました。

――原作を手掛けている三浦建太郎先生から何かリクエストは?

窪岡 制作当初にガッツリと細かい打ち合わせをしました。時代考証に関しては、原作にあまりこだわる必要はないと仰っていただいたので、リアリティーを追求するところは、原作からいろいろアレンジしています。

――岩尾さんは監督とどのようなところから話を進めていったのですか?

窪岡 岩尾さんとは前からの知り合いだったので、今回の制作に当たり、アタマにポンと浮かんだのが岩尾さんでした。

岩尾 小林さんの『ドラゴンズドグマ』の紹介で、『ドラゴンズドグマ』はハイファンタジーという話がありましたが、『ベルセルク』の序盤の物語は中世の世界観のリアリティーを追求したローファンタジーだったと思うんですね。今回の映画もモンスターは1種類しか出てきませんし、魔法的なものもほとんど入っていません。ローファンタジーの世界観をリアルに描いたうえで、ハイファンタジーの異常性を強めていくというところが『ベルセルク』の魅力のひとつだと思うんです。監督もこだわり派で、作品に出ないことであっても知っておきたいと仰られて、本気で作っているなと感じました。それで私も協力させていただくことになりました。私が監修したことで、今回の映画でわかりやすいとこで言えば、バズーソの甲冑ですね。原作のデザインとはちょっと違うんです。原作を活かしつつ、実際に存在した甲冑のデザインを入れて、リアリティーを出していきました。衣装もそうですし、甲冑もそうですし、食事に関してなど、いろいろ細かく考証して監督にお伝えしました。甲冑の構造ひとつを取っても、それを理解しているだけで動きかたが変わるんですね。『ドラゴンズドグマ』で、ゴブリンなどを見ていると、ストラップのひとつひとつの留め金を再現しているだけでなく、ホルダーなども再現してあって「ああ、こういうふうに着ているのか」と見ていてわかったんですね。『ベルセルク』もそのあたりはこだわって作っているんですけど、たとえ甲冑がオリジナルでも「どうやって着ているんだろう」いうのが感じられるとリアリティーを帯びてくるんですけど、そのあたりを『ドラゴンズドグマ』の開発スタッフの方々はわかっていらっしゃってさすがだなと思いました。

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――ロケハンは行われた?

窪岡 脚本に入る前にフランスに一週間ほど行きました。

小林 『ドラゴンズドグマ』の背景スタッフなどもヨーロッパも取材に行って、写真を撮ったりしてテクスチャーの素材にもしているんですが、本物を見て、『ドラゴンズドグマ』にどうやって落とし込むかの参考にしています。ファンタジーだといろいろ説明する必要がなく、世界中の人が知っていて入りやすい世界観。それをフォトリアルでよりリアルを追求してやっています。

――作画(手書き)と3DCGを合わせた描画の手法について

窪岡 3DCGを使わなければ、『ベルセルク』の物量・要素は再現できないことは明らかでした。ただ、3DCGだけだとキャラクターがアップになったとき顔がツライんです。立体は正確でも、ある角度だとくずれて見えて気持ち悪いんです。手書きのウソの絵と立体の差なんですね。ですので、顔については基本的に手が描き、CGに貼り付けることにしました。

小林 CGとセル画が融合した感じがすごいなと思いました。

――作画だとやりづらかったところは?

窪岡 群衆シーンとカメラと連動するシーンですね。リアリティーを出そうとすると、作画だとかなりたいへんなんです。また、ゾッドなどモンスター系ですね。毛の質(処理)筋肉の感じ、動いているときの巨大感など、テストで作ったCGでかなりいい感じだったので、そのままCGで進めました。

小林 馬がよかったかなと思いました。

窪岡 ああ、馬の動きなども手書きだとかなり難度が高いので。

――岩尾さんは動きに関してはどうご覧になっていますか?

岩尾 モーションに関しては、私の剣術の師匠であるジェイ・ノイズ氏が監修をされているんですが、彼が「西洋剣術は流れである」とよく仰っているんです。西洋剣術は一の太刀を放っているとき、二の太刀を考える。ニの太刀のときは三の太刀を考える。連続で攻めていくというのが基本なんです。その感じが映画『ベルセルク』ではよく出ているのではないかと思います。

小林 ぶった斬った感もすごいですよね。

――『ドラゴンズドグマ』に関してはどんなこだわりが?

小林 『ドラゴンズドグマ』のエフェクトは煙とか火などを特撮で撮ってそれを使っています。CGで作る場合、素材は売っているものを使うことも多いんですが、もうワンランク上の作品にするために、自前でその作品用に作るというのが大事だと思います。

――『ベルセルク』、『ドラゴンズドグマ』ともに共通する志は“こだわり”だと。

窪岡 バーチャル空間のリアリティーをできるだけ高めたいというのはまったく同じ思想ですね。

岩尾 職人魂をすごく持っている2作品ですよね。「ここっていう魂の部分は妥協しない」というのが感じられます。

――最後に、それぞれの意気込みを。

窪岡 今朝、『II』の編集を終了しました。まだ多少、手直しはありますが。原作にもありますが、濡れ場もありますし(笑)。『III』は半分くらいできている印象はありますが、まだまだこれからです。百人斬りもありますし……たいへんなのばかり残っていますが(笑)、いいものにできるようがんばっていきたいと思います。

岩尾 『II』に登場するチューダー帝国やミッドランド王国などに関しては、どの戦況を切り取ってもどの部隊が戦っているかがわかるよう、特徴付けと細部にわたる設定も決めています。私の中ではリアリティーとわかりやすさの融合をテーマにしています。『ベルセルク』本来の魅力であるモブシーンにもご期待ください。『ドラゴンズドグマ』では、ガッツとグリフィスの装具も登場しますし、『ベルセルク』のifの世界のような感覚でゲームを楽しみたいと思います。

小林 『ベルセルク』の一ファンとして『II』を楽しみにしつつ、『ドラゴンズドグマ』を仕上げるためがんばります。ゲームはもうほぼ出来ています。まもなく発売日や、大きなタイアップも発表しますので、楽しみにお待ちいただければと思います。

 
 中世を舞台したファンタジーという要素以外にも、“こだわり”という制作姿勢での共通点もあった『ベルセルク』と『ドラゴンズドグマ』。リアリティー溢れるファンタジーの世界に浸りたい人は、まずは2012年2月4日(土)公開の『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』を観に映画館に足を運んではいかがだろうか。

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 最後に映画『ベルセルク』の概要を紹介(リリースより)。

【映画ベルセルクとは】
 三浦建太郎による原作コミックは、2002年第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞、単行本は国内のみならず、米・露・仏・独・伊等各国のコミックチャートにおいても常に新刊がTOP20へランクイン。ヨーロッパ、アジア、南米など世界中で翻訳版が出版されるなど海外での人気も絶大で、国内外あわせて累計3000万部(36巻まで)を突破する、まさに日本を代表する超大作。
 連載20年以上に及ぶその長大な物語全てを映像化する壮大なサーガプロジェクトの第1弾として、ファンの間で最も人気が高く、最もドラマチックな展開を見せる“黄金時代”を3部作構成で劇場公開いたします。
 映像化を手掛けるのは『鉄コン筋クリート』『マインド・ゲーム』などで国内最高峰の技術を誇るSTUDIO4℃。徹底した時代考証や美術設定の裏づけ、ド迫力の戦闘描写には手描きとデジタルのハイブリッド映像を追及し、日本アニメーションの最高峰表現を目指す!

『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』 2012年2月4日公開
ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略』 2012年6月23日公開
ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』 2012年冬公開

<ストーリー>
己の剣だけを信じてきた。友も家族も帰る故郷もない──孤独な剣士ガッツは、百年戦争に揺れる地を傭兵として渡り歩いていた。身の丈を超える長大な剣を自在に操り、強大な敵をいとも簡単に倒すガッツ。そんな彼に目をつけたのが、傭兵集団“鷹の団”を率いるグリフィス。美しい姿からは想像もつかない統率力を持ち、大いなる野望を秘めたグリフィスは、自らの夢を叶えるためにガッツを決闘で制し、鷹の団に引き入れる。数々の激戦を共にくぐり抜けるうちに、信頼で結ばれていく仲間たち。なかでもグリフィスとガッツの絆は、今や特別なものとなっていた。やがて鷹の団はミッドランド王国の正規軍にのし上がるが、それはグリフィスの目指す頂点へのはじめの一歩にすぎなかった。一方ガッツは、グリフィスの「夢」に取り込まれ剣を振り回すだけの人生に疑問を抱き始める。だが、ガッツはまだ知らない。果てなき夢が二人に与えた、恐るべき宿命を──。

キャスト/ ガッツ:岩永洋昭 グリフィス:櫻井孝宏 キャスカ:行成とあ
原作:三浦建太郎(スタジオ我画)
監督:窪岡俊之
脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン・総作画監督:恩田尚之
アニメーションディレクター:岩瀧 智
美術監督:竹田悠介、中村豪希、他
主題曲:平沢 進
音楽:鷺巣詩郎
エンディングテーマ:AI「ウツクシキモノ」(EMI MUSIC JAPAN)
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS

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