物語の舞台はアメリカ&中国、クリスとレオンが初共演
カプコンは2012年1月20日、都内で“-バイオハザード生誕15周年記念- バイオハザード プレミアムパーティ”を開催した。イベントではシリーズの最新情報が続々と明らかにされたが、まずはこの日最大の目玉とも言える『バイオハザード6』のプレゼンの模様からお届けしよう。なお、スクリーンショットに関しては別記事にてお届けしているのでそちらをチェックしてほしい。
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全世界同時発表された『バイオハザード6』は、プレイステーション3、Xbox 360、PCで2012年11月22日(PC版は発売未定)に発売予定で、価格は7990円[税込]。エグゼクティブプロデューサーを小林裕幸氏が務め、ディレクターを佐々木栄一郎、プロデューサーを平林良章氏が担当する。
代表作: 『biohazard 4』、『Devil May Cry 4』、『戦国BASARA』シリーズほか
(左)ディレクター/佐々木栄一郎氏
代表作:『BIOHAZARD OUTBREAK』シリーズ、『宝島Z』
(右)プロデューサー/平林良章氏
プレゼンでは最初に映像が公開(映像はこちらの記事を参照)された。映像では、“レオン・S・ケネディ”に“クリス・レッドフィールド”といったシリーズではおなじみのキャラクターに加え、新たな主人公と思われる謎多き第三の男の存在が確認でき、加えてこれまでの作品にはなかったスライディングしながらの射撃や多彩な格闘アクション、そして新たなクリーチャーなど、新機軸の『バイオハザード』を予感させる仕上がりだ。「『バイオハザード』の恐怖をより高みに」をテーマに、ファンが想像している先の恐怖を表現する、と小林氏は『6』にかける意気込みを語った。続けて、映像で注目すべき点としてナンバリングではひさびさとなる“ゾンビ”の登場を紹介。『6』のゾンビは映像を観てもらえばわかる通り、走りながら迫ったり、飛びかかってきたりなど従来までのソレと比べて動きがきわめて機敏だ。小林氏いわく、これには「『6』ならではの秘密」があるそうだ。なお、映像の内容はゲームのほんの一部。過去最大のスケール、ストーリー、臨場感で『6』は描かれ、「恐怖、興奮、感動を圧倒的なボリュームで入れた」仕上がりになるという。
続いてディレクターの佐々木氏から『6』のストーリーが紹介された。本作の物語は『バイオハザード2』などで描かれたラクーンシティの事件から十数年後が舞台となっており、この時代、世界各地ではバイオテロが頻発している。合衆国大統領はそれに歯止めをかけるべく、大統領直属のエージェントで友人でもある“レオン・S・ケネディ”とともに“ラクーン事件の真相”の公表を決意するが、講演当日に会場で大規模なバイオテロが発生してしまう。そしてレオンは、映像でも描かれた通り変わり果てた姿の大統領と対面することになる。時を同じくして、対バイオテロ組織“BSAA”隊長“クリス・レッドフィールド”は未曾有のバイオテロにさらされた中国へと降り立つ。佐々木氏の説明によれば、本作の物語はアメリカと中国が同時進行。なかでもメインとなるのは中国の“ある都市”だという。なお、第3の主人公である謎の男と、彼に同行する金髪の女性がどこにいるのかは現時点で明らかにされていない。そのほか、物語の見どころとして、佐々木氏は人間ドラマに力を入れていることを強調。たとえば、レオンに対して「私が、やったの…」と事件を引き起こしたことを告白する女性“ヘレナ・ハーパー”との関係。レオンは彼女とともに事件の真相を探ることになるのだが、その中で大統領暗殺の容疑者として追われることになってしまうそうだ。
『バイオハザード』を語るうえで欠かせない“恐怖”の要素については今回“新たな恐怖”を掲げ、ゾンビの復活に加えて“ジュアヴォ(J'avo)”と呼ばれる脅威が登場する。 このジュアヴォ、詳細は不明だが「ゾンビ以上の恐怖、インパクトを与えるショッキングな存在」(佐々木)になるという。また、「ゲームプレイの中で恐怖を感じるシステム」の構築を目指す、とも佐々木氏は語る。その一例として、本作での操作は「いまのトレンドを含んだ」作りで、「直感的にやりたいことがやれる」ものになる。この“ゲームプレイの中で恐怖を感じる”というキーワードに関してはプロデューサーの平林氏からも解説が加えられた。同氏は“『バイオハザード』らしさ”とは、「根底にホラーがありつつ魅力的なドラマやハイクオリティーな映像」といったものに加えて「新しいチャレンジを伝える」ことであると自身の考えを紹介。そして、『6』は「『4』、『5』に負けないチャレンジ」として「プレイアブルな状態で恐怖や興奮を味わえる」作りになっていることを明かした。例えば、従来まではカットシーンで描いていたようなアクション、演出を可能な限りプレイアブルな状態で描くというもの。平林氏によれば、現在公開されている映像は6割がプレイアブルなシーンで、一見するとカットシーンに感じられるものが、じつは自分で操作する場面であるのだという。それを念頭に置いたうえで「もう一度、もう二度楽しんでもらえればと思います」と呼び掛けた。
最後に小林氏は本作の開発規模についても言及。スタッフはシリーズ史上最大となる600人以上で「グローバルに楽しんでもらうために開発中です」と、世界市場でのヒットに意欲を見せていた。
パーティーでは『リベレーションズ』を始めシリーズの最新情報が一挙公開
今回の“-バイオハザード生誕15周年記念- バイオハザード プレミアムパーティ”では『バイオハザード6』以外のシリーズ作品の最新情報なども一挙に公開となった。なお、イベントの総合司会を務めたのは芸能界随一の『バイオハザード』ファンであり同時に凄腕プレイヤーとしても知られている鈴木史朗氏。終始興奮気味に発表内容を見守り、「『バイオハザード』のおかげで渡しは長生きできていると思います」と語るほどだった
プレゼンの先陣を切ったのは、2012年1月26日の発売が目前に迫ったニンテンドー3DS用ソフト『バイオハザード リベレーションズ』。プロデューサーの川田将央氏は、物語のクライマックスも含む最新トレーラーを公開(映像はこちらの記事を参照)し、ドラマティックな物語が展開されることをアピールした。また、新モード“RAID MODE(レイドモード)”のデモプレイも披露。同モードは「いっぱい敵を倒してゴールまで行こうというシンプルな作り」と川田氏が語る通り、敵や味方にライフゲージが表示されるなど、ゲーム本編とはひと味違ったアクション性に重視した作りとなっている。RAID MODE紹介の中では“とっておきの情報”として、“DRAKE”と呼ばれる伝説のショットガンの存在が初お披露目。これはRAID MODEだけに存在する4種のレア武器のひとつで、川田氏は「最強の4種を探していくというのも楽しみのひとつだと思います」と話していた。
2012年発売予定のプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』と、プレイステーション3用ソフト『バイオハザード クロニクルズ HDセレクション』に関しては、それぞれ最新ムービーを公開。『バイオハザード クロニクルズ HDセレクション』の映像が公開されるのは今回が初で、鈴木史朗氏は「うれしいな、これは」といちファンとなってコメントしていた。
そのほか、15周年を記念したさまざまな施策も発表。週刊誌でのマンガ連載スタートやメガネ、アパレルとのコラボなどファン必見の内容となっている。
初となるオフィシャルファンクラブ“CLUB96”のイベントも開催
プレミアムパーティの第2部では、『バイオハザード』シリーズのオフィシャルファンクラブ“CLUB96”の初となるイベントも開催。小林氏、川田氏に加えてブログでプレイ日記などを連載しているタレントの紗綾も登場し、これまでとは一転してくだけた雰囲気の中で進行した。イベントのメインとなったのは、ファンから事前に募集した小林、川田両氏への質問を紗綾がぶつけるというコーナー。質問の中には川田氏に対して『バイオハザード リベレーションズ』でもっとも印象的だったシーンを聞くものがあり、これに対して同氏は、物語冒頭とエンディングと回答する。冒頭に関してはホラーらしい表現で思わずゾッとしてしまうらしく、一方のエンディングは詳細は当然話せないものの、川田氏が自画自賛するほどかなりいい出来になっているそうだ。
そのほかの質問で興味深かったものは、シリーズを手掛けるうえで参考にしている人物や物語は? というもの。小林氏はこれに対して冗談めかした感じで「ゾンビやガナードは開発中のスタッフです(笑)」と回答。また、参考している物語などは作品ごとに違うとも語っていた。