週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、アーティストのふくい舞さんです。

ふくい舞:『ファイナルファンタジーXIII-2』【週刊ファミ通Face完全版】_01

今週のお題
ファイナルファンタジーXIII-2
プレイステーション3/Xbox 360
スクウェア・エニックス 2011年12月15日発売 各7980円[税込]

全世界で累計620万本を販売したRPG『ファイナルファンタジーXIII』の続編。行方不明となってしまった前作の主人公・ライトニングを捜すため、ライトニングの妹セラと、未来からやって来た青年ノエルが時を越える冒険に旅立つ。


約束の場所とは、自分が信じるもの

ふくい舞:『ファイナルファンタジーXIII-2』【週刊ファミ通Face完全版】_02
アーティスト
ふくい舞

京都府出身。2011年11月23日に最新シングル「約束の場所/たったひとりの味方」をリリース。また、2011年12月14日に最新ミニアルバム「Beautiful Days」を発売。両作品のCD+DVD初回盤には、『ファイナルファンタジーXIII-2』のスペシャルアイテムをダウンロードできるコードが付いている。

 スクウェア・エニックスを代表するRPGのひとつである『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)シリーズ。その最新作である『ファイナルファンタジーXIII-2』(以下、『FFXIII-2』)が、2011年12月15日に発売された。今回のゲストは、本作のプレイステーション3版のテーマソング『約束の場所』を歌うふくい舞さん。『FFXIII-2』の曲を歌うと知ったときの心情や、『約束の場所』への思いなどを聞いた。

――ゲームの仕事は今回が初めてとのことですが、初の仕事が『FFXIII-2』というビッグタイトルで、驚かれませんでしたか?
ふくい もう、最初は信じられないくらいでした。「えっ、あの世界中で大人気の『FF』の歌を、私が歌うの?」って。

――日本だけでなく、世界中で遊ばれているシリーズですからね。
ふくい 本当に驚きましたね。ある日会議室に呼ばれて、いきなり「『FFXIII-2』のテーマ曲を歌うことが決まった」と言われて。それだけでも驚いたのに、なんとその会議室に、エイベックスの中途採用社員のフリをして、『FFXIII-2』のタイアッププロデューサーが忍び込んでいたんですよ!(笑)

――えっ、わざわざエイベックスの社員のフリを?
ふくい 私が驚くのを見たかったそうです。何てユーモアのある人なんだ、と思いましたね(笑)。

――(笑)。ちなみに、それまで『FF』シリーズをプレイされたことはありましたか?
ふくい 小さいころ、兄と弟と実家に住んでいたときに、兄がプレイしているのを見ていました。自分でも少しプレイしたことはあるのですが、強い敵が出てくると怖くなっちゃって。「やっぱりお兄ちゃんがやって!」とコントローラを渡していましたね(笑)。

――では、それ以降プレイされたことはない?
ふくい いえ、じつは東京に来て再び兄弟と暮らし始めまして。今回のお話を機に、兄に教えてもらいながら、『FFXIII』をプレイし始めたところなんです。

――そうなんですか! どこまで進まれましたか?
ふくい いえ、まだスノウが出てきたばかりのところで……プレイステーション3に触れるのが初めてなので、操作に慣れるのがたいへんで、進まないんです(笑)。

――『FFXIII-2』が発売されるまでには終わらなさそうですね(笑)。では、『FFXIII-2』のテーマソングについて伺いたいと思いますが、ふくいさんは『約束の場所』をどのような歌だと捉えていますか?
ふくい 『FFXIII-2』のテーマのひとつである“再生への願い”を歌った歌なのですが、ゲームだけでなく、いまの日本を元気にする、そんな歌だと感じています。私は今年の2月に、『いくたびの櫻』という“再生”をテーマにした歌を発表したんです。まさか続けて“再生”をテーマに歌えるなんて思わなかったので、とても驚きました。

――『FFXIII-2』では、ひとつの楽曲をもとに、プレイステーション3版(日本語歌詞)をふくいさん、Xbox 360版(英語歌詞)をシャリース(※)さんが歌うという、新しい試みをしていますよね。
ふくい はい。今回のお話をいただく少し前に、シャリースのライブを見に行ったばかりだったんです。すばらしいライブで、とても感動したのですが、まさかそのシャリースと同じ歌を歌うことになるなんて……。でも、同じ曲でも、アレンジメントも歌いかたもぜんぜん違います。シャリースはパワフルで、私は切なげ、と言われています。ぜひ聴き比べてみてください。

※Xbox 360版(ワールドワイド版)『FFXIII-2』のテーマソング『New World』を歌うアジア人アーティスト。

――シャリースさんとは、『FFXIII-2』の公式サイトで公開されている映像で共演されていますね。
ふくい シャリースと会う機会をいただけて、本当にうれしかったです。ふたりでお互いの曲を聴き合ったのですが、私の歌を聴いているあいだは緊張しましたね(笑)。シャリースは、私の表現力をほめてくれて。私も、シャリースのパワフルさに圧倒されたことを伝えました。

――ちなみに、『FFXIII-2』の中で、『約束の場所』が流れるシーンはご覧になりました?
ふくい はい。『約束の場所』が、そのシーンの感動を増してくれているようで、とてもよかったです。

――『FFXIII-2』のキャラクターで、とくに気になったキャラクターはいますか?
ふくい やっぱりライトニングですね。強い女性、という感じでかっこいいです。

――ライトニングには妹、ふくいさんには弟がいるということで、共感できるところがありますか?
ふくい うーん、私自身はどちらかというとセラタイプです(笑)。手のかかる妹です。ライトニングは憧れの対象ですね。

――(笑)。では、最後にメッセージをお願いします。
ふくい 曲のタイトルでもある“約束の場所”はどこなのか、何なのか、自分なりに考えたんです。それがゲームのエンディングなのか、自分が最後に辿りつく場所なのか、それは人それぞれだと思いますが、私は、“自分が信じていること”そのものだと思います。皆さんがこの楽曲を聴いて、自分の約束の場所を見つけ、そこまでたどり着けることを願っています。