リアル×デジタルの新しいイベントの形がここに

 2011年12月17日、東京・銀座の“東京ガス Studio +G GINZA”にて、親子で楽しむ食育イベント“ベジスタ X’mas in 東京”が行われた。

著名クリエイターたちが手掛ける食育イベント“ベジスタ X’mas in 東京”リポート_01

 “ベジスタ”は、食材をモチーフにしたキャラクターコンテンツや、食に関するクイズなどのレクリエーション、調理体験などを通じて、食の正しい知識や習慣を学べる移動型クッキングスタジオ。じつはこのベジスタ、『サムライスピリッツ』シリーズなどの企画制作に携わった足立靖氏(エンジンズ)や、『鉄騎』などのサウンドを手掛けた山田泰正氏(彩音本舗)、元ゲームフリークでピカチュウなどのデザインを担当したイラストレーターのにしだあつこ氏など、多数のクリエイターが関わっているプロジェクトなのだ。

 ベジスタのイベントが行われるのは、大阪、弘前に次いで3回目。今回は18組の親子が参加し、親子仲よく料理に励んだ。

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▲会場には多数の野菜が。キャベツの中から顔を出しているのは、ベジスタのキャラクター、リコピン。
▲本イベントを主催している企業のひとつ、タマノイ酢株式会社の製品も。
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▲イベント専用の“ベジスタ”iPad用アプリ。絵本を見たり、クイズで遊んだりできる。
▲触ると星やキャラクターのイラストが出てくる、不思議なケーキ型ディスプレイ。みんなで触れば触るほど、イラストが出てくる!

 今回のレシピは、“クリスマスツリーのちらしずし”。ツリー型に配置した酢飯の上に炒り卵、ブロッコリー、そぼろを乗せ、さらにその上から、ツリーのオーナメントを飾る感覚で野菜を乗せていく料理で、子どもたちはのびのびと調理を楽しんでいた。

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▲最初に先生のお手本を見て、手順を学びます。
▲そのまま飲めるほどのまろやかな味が特徴の“マイルド酢”と、そのままで飲んでもジュースで割って飲んでもおいしい“はちみつ黒酢ダイエット”。
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▲どこにどんな野菜を置こうかな?
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▲みんなと協力して、上手にできました!
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▲できあがった後は、取り分けてみんなでいただきます。

 食事の後は、今後のベジスタ開催地の子どもたちに向けて、ひとりひとりがメッセージを執筆。色とりどりのクレヨンを使って、「東京はこんな町だよ!」と、自分の住んでいる町のすばらしさを伝えていた。

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▲個人的には、「スカイツリーがある」と書く子が多かったのが印象的でした。
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▲みんなで仲よく料理できたごほうびとして、リコピン&レッツ君も登場。
▲「いただきます」という言葉には、料理を作ってくれた人への感謝だけでなく、植物の命をいただくことへの感謝も込められていることを教える場面も。

 参加者には、キュウリやトマト、キャベツなどの野菜がプレゼントとして贈られた。今回のイベントで学んだ料理の楽しさや食生活の知識を、子どもたちが家でも実践・活用してくれることに期待したい。

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▲なんと、記者もお土産をいただきました。弘前のりんごです。ありがとうございます。

エンジンズ 足立靖氏にショートインタビュー!

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▲ベジスタスタッフの皆さん(足立氏は右上)。

――これまでゲームを手掛けてきた足立さんが、“食育”というジャンルでの活動を始めた理由を教えてください。
足立 近年、外の世界に出ようとしない若者が増えていることに危機感を抱いていまして。どうしたら外に出てもらえるのかを考えたときに、僕たち大人が「外にはこんなにおいしいものがある」ということを伝える必要があると思ったんです。日本だけでなく、世界中のいろんな地域に、すばらしい文化がある。それをわかりやすく、楽しめる形で子どもたちに伝えたいな、と。世界中の子どもたちをつなぎたい。そのための強いコンテンツとして“食文化”を選びました。

――“食”以外にも、世界中には価値あるものが多数ありますが、その中でも食を選んだ理由は?
足立 大きく分けてふたつの理由があります。食は何よりも大切なものだと心から感じている、というのがひとつの理由。また、ビジネスの観点から見ても、食は多様性のあるものなので、ベジスタプロジェクトを進めることで世の中のビジネスが活性化すればいいと思っている、というのがもうひとつの理由ですね。

――ゲームと食育ではまったくジャンルが違うので、苦労されるのでは?
足立 そんなことはありません。何かを見せる、ということは同じですから。これまで僕たちは、ゲームというもの、画面に映るものすべてをゼロから作り上げてきました。でも、食文化については、すでに価値あるものが世界中に存在しているので、もの自体を作る必要はないんですよね。あとはこれまでのノウハウを活かして、子どもたちに見せてあげればいいんです。肝心なのは、“つなぐ”ということ。いまは、スマートフォンやニンテンドー3DS、PlayStation Vitaなど、外に持ち出せて、ブロードバンド化が進んでいるハードが増えたので、子どもたちが外に出る土壌はできあがっていると思います。あとは僕たちが、価値あるものを見せていくだけですね。

――今後のベジスタの予定は?
足立 来年2月に沖縄で行う予定で、その後京都、新潟、福岡、大分で行いたいと考えています。また、海外でも開催したいと考えていて、シンガポール、タイ、ベトナム、ドバイが開催地候補ですね。食育イベントのほか、キャラクターコンテンツの展開や、ゲームへのアプローチ――たとえばソーシャルゲームなど――も考えていますので、ご期待ください。

業務用マイルド酢の発売発表記者会見も開催

 東京ガス Studio +G GINZAでは、このベジスタイベントでも使われた“マイルド酢”(タマノイ酢株式会社)の業務用の発売発表記念記者会見も行われた。記者は食品関係の記者会見に出るのは初めてだったため、かなりドキドキしながら参加。料理までいただいてしまい、恐縮しきりだった。

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▲マイルド酢を監修したソムリエの田崎真也氏によるプロモーション映像。
▲マイルド酢を使って“りんごのコンポート サワークリーム添え”を実際に作る場面も。
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▲クラッカーの上にコンポートをのせ、アラザンを振りかけて……。おいしい!
▲家庭用のマイルド酢は好評発売中(業務用は2012年1月15日発売予定)。記者も最近、健康管理の必要性を感じているので、お酢を飲む生活を初めてみようと思いました。