PS Vita版のタッチ操作と新モード“HEROES & HERALDS”を体験
PlayStation Vita版の発売が、いよいよ今週末(2011年12月17日)に迫ったカプコンの『アルティメット マーヴル VS. カプコン3』。これに先駆けて、12月12日にカプコン東京支社で同作のプレス向け体験会“アルティメット体験会”が開催された。体験会ではPS Vita版のほかに、プレイステーション3、Xbox 360版でアップデート配信(無料)される新モード“HEROES & HERALDS”も用意。加えて、プロデューサーの新妻良太氏によるプレゼンも実施された。
PS Vita版に関して特筆しておきたいのは、タッチスクリーンと背面タッチパッドを使った“タッチ操作”だ。タッチ操作でのゲームプレイを表現するとき、よく“直感的”という言葉が使われるが、本作でのタッチ操作はそれに加えて極めて“実用的”な作りとなっている。たとえば、キャラクターをチェンジしたければ各種ゲージ欄の横にあるキャラの顔をタッチ、ハイパーコンボを使いたければゲージ部分をタッチ、“Xファクター”を発動するときはXファクターのマークをタッチ……と、ここらへんは直感的な部分。実用的な部分は、攻撃、コンボ、移動といった基本的なアクションにおいて強く感じることができる。タッチスクリーンの好きなところ、もしくは背面タッチパッドの好きなところをタッチ&連打するだけで、なんと“エリアルレイヴ”やハイパーコンボを含めた連続技をオートで出してくれるのだ。しかも、相手との距離が遠いときと、近いときで攻撃のパターンを変えたりと、状況に合わせた動きを見せてくれる。もちろん、アナログパッドおよび十字キーでの操作とも併用できるので、通常は自分の操作で立ち回りつつ、ここぞという場面でタッチ操作を織り交ぜることも可能だ。ちなみに、タッチ操作はタッチスクリーンと背面タッチパッドそれぞれ、オンオフの設定ができる。ふつうに操作しようとしたとき、背面タッチパッドは誤入力が起きやすいので、タッチと通常操作を組み合わせるときは背面の入力を無効にするのがいいだろう。
PS Vita版ならではの操作は、タッチ操作だけではない。オリジナル要素として本体機能の“near”を使って、PS Vita版だけの“オリジナルカラー(ヘラルドカラー)”を交換することができる。そのほか、リプレイ機能、アルティメットコントローラという機能も新たに搭載。前者では世界中でアップされたリプレイ動画を観ることができ、しかもプレイの研究に最適なカスタマイズも可能というものだ。後者のアルティメットコントローラでは、PS Vita本体をプレイステーション3版のコントローラにしてプレイできる連動機能。タッチパネルに必殺技などを登録し、それを利用してプレイステーション3版でも戦えるというわけだ。
もうひとつの今回お披露目された“HEROES & HERALDS”は、無料アップデートとは思えないほどかなりやり応えのありそうなモードだ。このモードは“ヒーロチーム”、“ヘラルドチーム”にわかれて勢力争いを行う団体戦モードで、オンライン、オフラインの両方で楽しむことができる。オンラインではヒーローチームとヘラルドチームの勢力図はつねに変化。優勢なほうに加担してより勢力を広げるのもよし、逆に追い詰められているほうに所属して自身の力で反撃するのもいいだろう。勢力争いというだけでも、かなりプレイ意欲を刺激される本モードだが、戦いをさらに激しくする要素として“サポートカード”というシステムが用意されている。
サポートカードは、さまざまな効果を持つカードを3枚1組でデッキ構築して戦いに臨めるというもの。各カードにはメイン、サブの効果が存在しており、メインが選べるのは3枚中1枚、ほかの2枚はサブの効果だけが表れる。さて、気になるカード効果の内容だが、ただでさえメチャクチャ(もちろんいい意味で)な『アルティメット マーヴル VS. カプコン3』のバトルが、さらに混沌とすること間違いなしのバリエーションとなっている。たとえば、常時スーパーアーマ状態、キャラクターの透明化、飛び道具すり抜けなどなど……。今回新妻氏によるプレゼンで、その一部が公開されたのだが、これが笑ってしまうほどにすごかった。
ひとつは、ハイパーコンボゲージの増加を特化させたデッキ。このデッキではラウンド開始時点でゲージ2本追加の効果を持つカードと、ゲージの自動増加のカードを重ね掛けしたもので、バトル開始と同時にハイパーコンボが連発できるという組み合わせだ。ハイパーコンボを放ったそばから上昇しているので、切れ目なく技を放ちゴリ押しすることができてしまう、もはや反則気味の凶悪な内容。もうひとつは、こちらもゲージの増加とガードに特化したもので、HEROES & HERALDSモードで使用可能な新システム“ブロッキング”をするたびにゲージ&攻撃力が増加し、さらに1回だけハイパーコンボゲージ5本を消費してパートナーを復活させられるというもの。この両者の戦いの派手さと来たら、切れ目なく放たれるハイパーコンボをブロッキングしながら、ハイパーコンボで返すといった具合で、画面がまぶしいまぶしい……。ちなみに勝利したのは前者のハイパーコンボゲージ増加特化型のデッキ。新妻氏が「尖ったところを、いかにしてさらに尖られるかどうかが、重要な戦略」と語った通り、どこか一点を究極にするのがいいデッキの条件なのかもしれない。ちなみに、カードはS~Cでランク分けされており、当然高ランクになるほど入手しづらくなる。カードの種類は100種類以上。組み合わせは無限に近いだろう。なお、“HEROES & HERALDS”の配信は2011年12月19日を予定している。
体験会ではその後、開発者とメディアによるエキシビジョンマッチなども行いつつ滞りなく終了……と思われたところで、Web番組“ハギとこ”でおなじみのハギーこと萩原良輔氏が登場。この日取材で訪れていたタレントの椿姫彩菜さんと、対戦を行うことになったのだ。なんでもこのふたり、以前椿姫さんの番組で対戦をして以来の因縁の関係だそうで、今回は“ハギとこ”の番組名をかけて勝負。萩原氏が負けた場合、ハギとこを椿姫さんの名前を冠した番組名に変更するというのだ。結果は、キャラクターの名前すら危かった萩原氏が敗北。しかし、萩原氏は諦めずに、今度は椿姫さんに同行していた世界屈指の『スパIV』プレイヤー“ふ~ど”選手へ無謀にも挑戦する。言うまでもなく、結果は惨敗。ちなみに、“ハギとこ”の番組名はどうなってしまうのか? という点はうやむやにされ、両者の因縁はさらに深まったようだったが……。