新たな恋愛模様が描かれる

 コーエーテクモゲームスから2012年春に発売予定のPSP(プレイステーション・ポータブル)用ソフト『遙かなる時空の中で5 風花記』(以下『風花記』)。2011年2月24日にPSP用ソフトとして発売された恋愛アドベンチャーゲーム『遙かなる時空の中で5』(以下、『遙か5』)の続編となる本作。ここでは、メインキャラクターの声を担当するキャスト陣へのインタビューを前編と後編に分けてお届けする。

『遙かなる時空の中で5 風花記』キャスト陣が語る本作の魅力とは?【後編】_01

【沖田総司役 岡本信彦】

――アフレコを終えての感想をお願いします。

岡本 『遥か5』から約1年振りの収録となるので、少し不安だっていたんですけど、前回『遥か5』の収録のときにたっぷりとやらせていただいた甲斐もあってか、すんなりとキャラクターに入っていけました。あと、今作の『風花記』から新たなキャラクター、新たな攻略対象キャラクターが増えてさらにパワーアップしたんだな、と客観的に見てそう思いました。

――『遙か5』のときよりも、沖田総司の新しい点が見えてきましたか?

岡本 シーンも増えたおかげで心を開いたところが多くなった気がしましたし、『遥か5』よりも主人公に対してアクティブになったと思います。

――演じていて、沖田総司とご自身の共通点はありましたか?

岡本 『風花記』には出てきませんが、『遥か5』のときにお菓子について触れているシーンがあります。僕も甘いものが好きなので、きっと総司も甘いものが好きなんだろうなと。そこが共通点ですね。

――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?

岡本 仕事をやっていく上で身体が資本なので、風邪から身体を守りたいです。

――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?

岡本 総司の気持ちになると辛いなというシーンがありました。総司ルートではポイントとなるシーンなので、皆さんにもぜひ見ていただきたいです。

――『風花記』での沖田総司を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?

岡本 総司は感情を表に出さないキャラクターなのですが、主人公に対してどんどん心を開いていきます。その心を開いていく割合が難しかったです。ここのシーンでは何%くらい心を開いていくんだろうと考えながら演じました。

――『風花記』と『遥か5』との沖田総司ルートの見どころの違いを教えてください。

岡本 『遥か5』では総司自身も気付かないうちに身体が動いているというシーンが多く、そこを境に主人公に対して饒舌になっていきます。そんなに台詞を多くしゃべるキャラクターではありませんが、『風花記』で主人公に心を開いてからは、自分の中にある想いをヒロインに出していく場面が多かったです。

――主人公との甘いシーンも増えているんですか?

岡本 結構増えました。『遥か5』では「よくわかりません」とか、「どうしてだかわかりません」とか、「わかりません」のほうが強かったんですけど、『風花記』では自分の気持ちを整理して、主人公のどういうところが好きになったかというのを明確に話しています。

――沖田総司のルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?

岡本 “想いの力”ですね。悲劇を乗り越えるシーンがあるのですが、それはお互いがお互いのことを想う力がないと乗り越えられないんだろうなと感じました。

――『風花記』で主人公以外に沖田総司と関わってくるキャラクターは誰ですか?

岡本 新撰組がキーワードのひとつになってきます。仕事とみずからの意思のどちらを取るか、これ以上はないだろうっていうぐらいの天秤のかけかたをするので。新撰組ですね。

――新キャラクターのリンドウとのシーンはありましたか?

岡本 少しありました。でも、そんなにしっかりとお互いが話すシーンはボイスのほうではありませんでしたね。

――沖田総司といっしょに遊びに行くとしたらどこに行きますか?

岡本 この前、六本木にある沖田総司の墓に参拝してきたんですけど、どうして六本木なのかが知りたいですね。総司と当時の六本木と現代の六本木を両方歩いてみたいです。「これがキミの墓だよ」って言ったらどんな反応をするのか見てみたいですね(笑)。反応は薄いと思いますけどね。彼なら。

――沖田総司以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?

岡本 新キャラクターのリンドウはとても気になりますね。どういうキャラクターなのかも含め、どう交わっていくのかも気になるんですけど、いちばん身近で気になっているのは祟くん(桐生祟)が攻略対象キャラクターになるということで、ライバルがひとり増えたなと。

――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。

岡本 前回の『遥か5』からさらにパワーアップした作品になっています。新キャラクターが増えただけじゃなく、それぞれのキャラクターの内容もパワーアップしていますので、いろいろなキャラクターの見どころがたくさんあります。ぜひぜひプレイしていただければうれしいです。これが初めてという方も楽しめる作品になっていますのでよろしくお願いします。

『遙かなる時空の中で5 風花記』キャスト陣が語る本作の魅力とは?【後編】_04

【小松帯刀役 立花慎之介】

――アフレコを終えての感想をお願いします。

立花 ネオロマ(ネオロマンス)イベントで朗読をしたりしていますが、前作『遥か5』収録が約1年前ということで、久しぶりな感じがしました。久々に主人公と小松(小松帯刀)の関係が目に見えたなと。今作『風花記』では前よりも彼女との距離が近くなっているので、懐かしさとともに進展したな、と感じました。

――今回改めて小松帯刀を演じ、新しい発見などはありましたか?

立花 主人公と大人の関係になったというか、いろいろなものを覚悟した先の恋愛って言うのかな。詳しくは話せませんが、主人公と小松のいる世界が違うとところもひっくるめた恋愛をする、というのがすごく大人だと感じました。『遥か5』では小松にはないあたふたしている部分がかわいくて、主人公にどんどん惹かれていく小松帯刀っていうものがありましたが、『風花記』では一歩進んでさらに仲を深めるために、いろいろなことを認識して乗り越えなきゃいけないという覚悟を決めた小松がいたので、そのあたりが年長者ならではの大人な恋愛だなと感じました。

――演じていて、小松帯刀とご自身の共通点はありましたか?

立花 いろいろなものを認識する恋愛というか、覚悟を決める恋愛にすごく共感を受けました。若いころは上辺だけの恋愛っていうものがあるかもしれないけど、深い先まで読んでの覚悟を持った恋愛ってものすごく惹かれるものがあるし、いいなと感じましたね。それが僕と似ているとかではなくて、そういう気持ちを僕も持てればいいなっていう。

――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?

立花 いちばん守りたいもの!? 自分の命とかじゃなくて?(笑) なんだろう……。逆に僕の中で守るって意識がないんですよ。守るって受動的なんですよ。僕は能動的に生きたいので、守るよりは攻めたいんですよね。なので、守ることを考えるんだったら、それに準ずる新しいものを見つけてさらに進化していきたいし、逆に攻められて守らないといけないんだったら、攻めてくるものを滅ぼしたい。

――では、逆にこれを手に入れたいというものはありますか?

立花 ネオロマのイベントにおいて、竹本さん(竹本英史)をうまく扱いたい。

――それはもうすでに手に入れていると思いますが。

立花 いやいやいや。まだですよ。あの人の攻めに対しては守ってはいけないと思うので、もっとうまく扱いたいですね。あの竹本さんのおもしろさはイベントに来ないと見られないと思うし、僕らふたりの白虎 のコンビネーションはおもしろいものになっていると思っています(笑)。

――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?

立花 まずは新しく増えた攻略対象キャラクターですね。祟くん(桐生祟)と新キャラクターのリンドウに注目していただきたいです。もちろん小松のルートとしては、『遥か5』のときよりもより深い恋愛になっていますので、その恋愛がどういう風になっているのか、どう濃くなったのか、ヘッドホンをつけて楽しんでもらえたらな、と思います。

――『風花記』を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?

立花 イベントでもそうなんですけど、『遥か5』では最終的に恋愛エンドという形で物語も収録も終ったので、主人公との距離が縮まっているんですけど、『風花記』では物語がちょっと前に戻ったりもするので、『遥か5』で主人公と出会ったばかりのころの小松帯刀の冷たい部分を思い出すのがちょっと難しかったです。演出の方と「ここはもうちょっと冷たく」っていうやりとりをさせていただきました。あとは、いかに甘くするかを気を付けました(笑)。

――主人公と小松帯刀との恋愛を糖度(最大10度)で表すなら、『遥か5』と『風花記』の糖度はどれくらいですか?

立花 『遥か5』が4で、『風花記』が7。なぜかと言うと、まだできる! 小松ならまだ上があるっていう。残りの3はのびしろです。本当だったら10を超えていますよ。10を超えているんですけど違う。コーエーテクモゲームスさんに対してまだ小松はいけますよっていう、のびしろの3を残しておきたいんです(笑)。でも、十分甘いですよ。そういう意味では10という名の7です。

――小松帯刀のルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?

立花 重要なポイントで猫がいたので“猫”。

――では、『風花記』で主人公以外に小松帯刀と関連のあるキャラクターは誰ですか?

立花 いないな……。今作の恋愛ルートでは誰とも絡んでないですね。

――小松帯刀のルートには新キャラクターのリンドウは出てこないんですか?

立花 出てくるんですけど、あまり関わりはないですね。そう言われてみると、ほとんどほかのキャラクターと会話をしていないような気がするな。全員がいる中でひと言ふた言掛け合ったりもしていますけど、それは絡んでいるという意味ではないですから。今作では主人公とひらすら会話を続けているので、濃厚な恋愛シーンが楽しめると思います。逆にいろいろな人と絡むのを見たければ、イベントに来てください(笑)。

――もし小松帯刀が友だちだったら、どういう風に付き合いたいですか?

立花 小松と!? でも……たぶん仲よくなれると思います。小松って感情で動かされることがあまりなくて、セリフでも「合理的」だったり、「理にかなっている」というのをよく言うので、仕事とかで利用する価値があると思った人に対しては嫌うことがないと思います。それは、僕の中にもある考えかただったりもするので、プライベート的にどうこうっていうのはまだ先の話だとしても、仕事としての取っ掛かりという意味でお互いに「こいつ使えるかも」と思う可能性があるので、うまくやっていけるんじゃないかな、と思います。

――小松帯刀といっしょに遊びに行くとしたらどこに行きますか?

立花 小松と!? ……クルージング。きっと小松に似合うであろうクルージングですね。小松には遊んでいるイメージがないんですよ。つねに仕事をしていそうな感じを受けるので、優雅な感じが合うのかなと。逆におもしろそうだなと思うのが、ゲームセンターですね。小松ならなんでもうまくできちゃいそうですけど、とりあえずゲームセンターに連れて行って格闘ゲームとかをやらせてみる。けど、「やっぱりこれもうまくやるのか」って思うかもしれませんけどね。小松が苦手なところに連れて行きたいのはありますね。この人ができないところを見てみたい。

――ちなみに、小松帯刀以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?

立花 気になるキャラクターは竹本さんです(笑)。あの人はどこへ行きたいんだろう、どこへ行くんだろうっていうのがすごく気になります。イベントのときに、どうすればおもしろいことができるかを楽屋で話し合うんですけど、すごく真面目な方なのでイベントでのあれはすごく真面目にやっているんです。真面目さが尖がって違う方向にいくとああなるんだって思いましたね。なので、ぜひイベントに来て竹本さんのおもしろさを見ていただきたいですね。ほかには、龍馬(坂本龍馬)が好きだなと。あの明るさというか前向きな姿勢を隠すんじゃなくて、つねに前向きなのが見えているのが僕的に好きです。

――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。

立花 『遥か5』を楽しんでくれている皆様、お待たせしました。ついに続編となる『風花記』があともうちょっと待っていただければ発売になります。それぞれのキャラクターの恋愛ルートがものすごく濃いものになっていますし、各キャラクターの特徴や性格がうまくまとめ上げられたシナリオで、いろいろな恋愛が楽しめます。自分の好きなキャラクターを攻略していただきたいですし、それ以外のキャラクターのルートもぜひプレイしていただきたいと思います。あと、追加されるふたりの攻略対象キャラクターも遊んでいただきたいなと。これからも『遙かなる時空の中で』の世界は広がっていきますので、応援していただきつつ『風花記』を待っていてくれるとうれしいです。よろしくお願いします。

『遙かなる時空の中で5 風花記』キャスト陣が語る本作の魅力とは?【後編】_05

【福地桜智役 竹本英史】

――アフレコを終えての感想をお願いします。

竹本 久しぶりの福地桜智との再会でした。イベントで福地桜智のお芝居をやりすぎていたかもしれないという不安が密かにあったんですけど、今回久しぶりに収録してみて、福地桜智は幅が広いんだな。何をやっても大丈夫なんだなっていうことを気付かせていただきました。たいがいの奇想天外なお芝居でも福地桜智というキャラクターはすべてを飲み込んでくれるので、すごくやりやすかったです。

――イベントのときに演じられていた福地桜智とはかけ離れていませんでしたか?

竹本 かけ離れてはいなかったです。やってもやってもそのくらいは福地桜智だからやりますよね、みたいな感じでした。

――『遙か5』のときよりも、福地桜智の新しい点が見えてきましたか?

竹本 『遥か5』では福地桜智というキャラの振り幅がわからなくて、演出の方にいろいろ相談をしながら、これはどこまでやっていいんですか? これはどういう心情なんですか? ということを逐一聞かないとわからない状態でしたが、今回は僕がある程度掴んでいるお芝居でやってみたら、「そのままで大丈夫ですが、できればこういう風に」という微調整を演出していただいたので、福地桜智というキャラクターが自分の中にすっと入っているのが確認できた収録でした。

――演じていて、福地桜智とご自身の共通点はありましたか?

竹本 ないですね。絶対にないですね。こんなに変態じゃないです(笑)。福地桜智というのは一般的な人に比べてぶっ飛んでいるというか、主人公に対しての想いが愛というレベルを超えていると思います。そこまでの強い想いはなかなか持ち得ないものですけど、そういう強い想いっていう核がある分だけ福地桜智は演じやすくて、キャラクターを掴みやすいなと思うところですが、僕と共通点があるかというと、まったくないと思います。

――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?

竹本 うちの猫ですね。最近は僕と彼女との生活がまったく正反対で、僕が寝ようと思うと彼女が活発に動き出すんですけど、それによって僕の体力が日々消耗していくんですよ。それでも彼女の要求に応えたいという、沸々と沸いてくる愛情、熱意。福地桜智のレベルまでいかないにしても、もしかしたら彼と近いところはあるかもしれないですね。

――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?

竹本 福地桜智に焦点を当てると、主人公の神子と福地桜智という関係性は、すでにプレイヤーの方に伝わっていると思いますし、周知の事実だと思いますので、主人公にべったりの福地桜智に対するほかのキャラクターの反応を、ぜひ楽しんでいただきたいなと思います。「そんなに冷たい言いかたをしなくてもいいじゃん」とか、「そんな目で見なくてもいいじゃん」というような目で見られている福地桜智っていったいどうなんだ? というのを逆に楽しんでほしいです。

――それはコメディー的な反応なのですか?

竹本 僕だったら傷つきますけど、福地桜智はそんなことを気にしていないので大丈夫なんでしょうけど。「あれ? いま何言った?」って言われることが結構あるので、そういった言葉のチョイスをぜひ楽しんでいただければと思います。

――『風花記』での福地桜智を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?

竹本 『遥か5』では描かれていなかった福地桜智の別の一面が今回描かれています。プレイされる方々も「えっ?」って思うようなシーンですが、そこは本当に気を使いましたね。いままでのほんわりしていて主人公が大好き大好きっていう福地桜智とはまったく異なる一面を出さないといけなかったので、いままでの福地桜智を好きだと言ってくださっているファンの方の期待をいい意味で裏切るお芝居をやらせていただきました。その部分はすごく難しかったし、気を使いましたね。皆さんの反応をぜひ聞きたいです。

――『遥か5』のときの主人公と福地桜智とのラブラブ度を100%とするなら、『風花記』ではどのくらいですか?

竹本 福地桜智に対しては難しい質問ですね。最初から主人公に対してはMAXでしたので、それ以上の言葉はあるかな? と思いますが、主人公に対する想いは最初から最後までフルMAXです。プレイヤーの方が味わえる分量としては、1.5倍に増えたと言ってもよろしいんじゃないでしょうか。

――福地桜智のルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?

竹本 “薔薇”!? 美しいがトゲがある的な。痛みもあり、魅力もあり、というルートですね。

――『風花記』で主人公以外に福地桜智と関わってくるキャラクターは誰ですか?

竹本 基本的に小松帯刀にいちばん迷惑をかけているんですが、『風花記』で新しく追加されたシーンでプレイヤーの方に楽しいんでいただきたいのは、新キャラのリンドウですね。リンドウの反応が至極真っ当で、福地桜智って人間を見たらそう思っちゃうよねっていう素直な反応をバンバン出してくれるので溜飲が下がります。

――リンドウは福地桜智に対して突っ込んでくるんですか?

竹本 突っ込みというよりも感想ですね。福地桜智に対して突っ込みたいなって積極的に思っているキャラクターは多くないと思います。みんな、「はぁ~」って残念な反応しかないので……。リンドウも感想を言ってくれるんですけど、そのひとつひとつがおもしろいので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

――福地桜智以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?

竹本 祟(桐生祟)ですね。『遥か5』でとっても悲しい運命を背負って終った祟ですが、『風花記』では祟の新しいシーンが追加されています。僕も『遥か5』のときは「祟ってかわいそうだな」と思っていたので、その祟に新しいスポットライトが当たり、どういう演出でどういう結末を迎えるのかっていうところにすごく興味があります。『遙か5』の物語は主人公が全員を幸せにしたいという大きな想いが根本にあるので、祟を主人公がどういう風に救っていくのか楽しみです。

――『遙かなる時空の中で』は今年で11年目を迎えますが、その作品にキャスティングされたお気持ちをお聞かせください。

竹本 『風花記』は、『遙かなる時空の中で』シリーズの流れを踏襲した作品であるという説明を受けましたし、僕も『遙かなる時空の中で』からの伝統にちゃんと乗っかって、さらに僕なりの+αとして『遙かなる時空の中で』の世界に新たな魅力を入れようと、今回も一生懸命やらせていただきました。それぐらい、歴史のある重いタイトルなので、妥協せずにお芝居をしようという強い心を持たされる作品です。キャスティングが決まったときは、ビッグタイトルということに心が追いつかなくて、アップアップしたところはありましたが、前回『遥か5』を録って、今回『風花記』を録って、そのあいだにイベントをやらせていただいて、ときを追うごとに冷静な気持ちでこの作品に関われるようになったので、これからもっともっと『遙かなる時空の中で』の世界を僕なりに盛り上げていけるようにがんばりたいですし、まだまだできることはあるなって感じています。

――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。

竹本 皆様の熱い支持のおかげで、『遥か5』の続編となる『風花記』が出ることになりました。本当に応援ありがとうございます。皆さんの応援の気持ちに応えられるようなボリュームと、新たな魅力あるシーンが展開されます。僕の中でかなり手応えのあるシーンが追加されたので、皆さんには安心して楽しんでいただけると思います。福地桜智、一切のブレはございません。ぜひまた福地桜智を救ってやってください。プレイヤーの方の愛だけが福地桜智の生き甲斐でございます。何卒、福地、福地桜智をよろしくお願いいたします。

『遙かなる時空の中で5 風花記』キャスト陣が語る本作の魅力とは?【後編】_02

【アーネスト・サトウ役 四反田マイケル】

――アフレコを終えての感想をお願いします。

四反田 『遙か5』の世界が前回よりもさらに広がって見えました。アーネスト(アーネスト・サトウ)の新しい一面が見えました。収録する前は逆に構えていたところがあって、これまでのアーネストとキャラクターが変わらないようにしないといけないと思っていたんですけど、その心配はいりませんでしたね。

――アーネスト・サトウの新しい一面はどのような部分ですか?

四反田 基本的には『遙か5』と変わらないんですけど、表情豊かなになったなと感じました。『遙か5』ではポーカーフェイスなところが目立っていたので、自分なりに計算しながらポーカーフェイスな部分を出したりしていたのですが、『風花記』では計算しているようで計算していないなという印象が強かったです。人間らしい部分もちゃんと持っているんだなと。

――演じていて、アーネスト・サトウとご自身の共通点はありましたか?

四反田 いっぱいありますね。僕は自分で言ったことに自分で照れちゃったりするんですけど、アーネストも本当は照れているんだなと感じましたね。イベントでも言ってはみたものの、なんかいま恥ずかしいことを言ったなみたいな(笑)。とくに自分の素直な感情が出ちゃったときに照れちゃいますね。

――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?

四反田 ペットのワッフルです。メス・4歳です。

――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?

四反田 僕はあまり絡みがなかったんでけすけど、祟くん(桐生祟)とリンドウがどういう風に世界を変えてくれるかというところが見どころだと思います。そのおかけで、アーネストの新しい発見もありましたので。あと、ゆき(蓮水ゆき)とのお互いを別の角度から見た感じという部分にも注目してほしいです。

――アーネスト・サトウ以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?

四反田 小松(小松帯刀)かな。アーネストと近い部分があるので気になるキャラクターではありますね。小松も多少照れますけど、アーネストよりも確実に大人でちゃんとポーカーフェイスができているという印象がありますし、たぶんアーネストはそれを目指していると思います。

――『風花記』を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?

四反田 新鮮さをなくさないところです。でも、収録が始まってみたらその心配はいらなかったんですけどね。あとは、慣れが逆に怖いなと感じました。無意識のうちに慣れてしまい、収録が始まってもキャラクターに入りきれなくて苦労しました。アナザーストーリーでもキャラクターにとっては新しい世界なので、自分は知っているキャラクターだからという気持ちにならないように注意しました。

――アーネスト・サトウのルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?

四反田  “アグレッシブ”。これは『遙か5』でも感じましたが、ゆきに対してアグレッシブだなと。

――『風花記』で主人公以外にアーネスト・サトウと関連のあるキャラクターは誰ですか?
ほかのキャラクターとの接点はあまり強く感じませんでしたが、あえて言うなら小松ですかね。

――アーネスト・サトウのルートの見どころを教えてください。

四反田 『遙か5』と比べて人間模様が変わる感じですね。より身近なアーネストを感じてほしいです。

――アーネスト・サトウといっしょに遊びに行くとしたらどこに行きますか?

四反田 食事に行きたいですね。アーネストにトラディショナルなお店を調べてもらっていっしょに行きたいですね。僕のために調べてくれるかはわかりませんけど(笑)。あとは、庭園とか神社といった日本独自の建物を見に行くツアーに行きたいです。

――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。

四反田 『遙か5』の収録から大分時間がたって、僕の中でいろいろなアーネストが芽生えたり、発見があったりして、熟成してきている部分もあると思います。ただ、イベントに出たり、Twitterなどを通じファンの方とやりとりの中で、アーネストの新たな発見が見つかります。皆さんが喜んでくれる、皆さんが望んでくれるアーネストにしたいので、皆さんといっしょにキャラクターを作り込んでいきたいと考えています。

『遙かなる時空の中で5 風花記』キャスト陣が語る本作の魅力とは?【後編】_03

【高杉晋作役 安元洋貴】

――アフレコを終えての感想をお願いします。

安元 『遥か5』の収録から時間が経っていて、そのあいだにキャラクターソングを録ったり、イベントに出たりしましたが、自分の役に対する接しかたがちょっと変わったような気がしたので、本来あるべき姿に戻すのを意識的にやりました。たいへんとまでは言いませんが、おもしろいギャップがあって楽しかったです。

――接しかたが違うというのは?

安元 間ですね。イベントでは自分がしゃべることに対してお客様のリアクションがあったり、朗読劇でも演者にしゃべりかけるように読んでいると、相手がそれを汲んで振り返る間を作ってくれるので、イベントで作ったキャラクター(高杉晋作)が自分の中にありました。でも、ゲームだとプレイされている方の(心の)声や、高橋美佳子さんが演じている神子(蓮水ゆき)との絡みになってくるので、多少ギャップがあるんです。人がいる間尺でやるのと人が見ている間尺でやるのではまったく違うので、距離感や間尺のギャップを感じましたね。

――高杉晋作の新しい点は見えましたか?

安元 優しくなったなと思いました。成長なのかもしれませんが、人を素直に認めるようになったなと。

――それは、主人公に対してですか?

安元 基本的には神子に向かってですが、対龍馬などでもそうです。これまでは武人であろうとしていた人だったので、ちょっとずつ人間っぽくなりましたね。

――高杉晋作とご自身の共通点はありましたか?

安元 山口県人というところですかね(笑)。あとは、強がりなところでしょうか。実際強いのだろうけど、本当は甘えたいときもあるだろうと思うので、強がりなところが似ていると思います。

――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?

安元 人ですね。自分を含めて、友だちや家族、自分にまつわる人すべて。人がいないと自分がいないので、自分を形成している世界ごと守りたいですね。

――『風花記』で高杉晋作を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?

安元 感情を表に出しすぎない。かといって、引っ込めすぎず要所要所で出すというところですね。人の話を聞くことができるマイペースっていうちょっと特殊なキャラクターだと思うので、その軸がぶれないようにするのを意識しました。

――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?

安元 『遥か5』をプレイされていた方にはビックリなシナリオになっていると思います。僕もすごく驚いた内容だったので、お話自体が見どころというか、聞きどころというか、やりどころです。たぶん皆さんが想像している以上のシナリオになっていますよ。

――具体的にはどんな内容なのですか?

安元 「まさかあいつが!」っていう。直接的にそれほど高杉と絡んでいませんが、『5』のときは祟くん(桐生祟)が攻略対象キャラクターになるなんて思いもしないじゃないですか。『風花記』ではキャラクター自体がおもしろい広がりかたをしているので、思った人(キャラクター)が思った通りではないんですよね。

――本シリーズの魅力はどこだと思いますか?

安元 ライトユーザーでもすんなりできるけど、連鎖術などの戦闘システムもあるので、自分なりにフォーメーションをうまく組み合わせるなどおもしろいことができるところですね。あと、収集癖、やり込み癖の人にはスチル集めもあります。楽しみながらつぎはこの子、つぎはこの子というように攻略していった結果、いろいろなものが埋まっていく。長い時間遊べるゲームだと思いました。

――主人公と高杉晋作との甘さは、『遥か5』と比べてどう変化していますか?

安元 台詞としては甘いですね。でもキャラクターとしては木訥としたところがある人だから、甘くなりすぎないように高杉(高杉晋作)でいようとしましたし、そのようにディレクションしてくださったような気がしますが、台詞としてはけっこう言うなと思いました。

――いちばんお気に入りのキャラクターは誰ですか?

安元 ここは神子と言っておきましょう(笑)。

――高杉晋作といっしょに遊びに行くとしたらどこに行きますか?

安元 初台にある刀剣博物館とか、虎ノ門にある刀屋さんに行くんじゃないですかね。あと、彼はお酒が飲めるので、いっしょにおいしい日本酒を飲みに行って山口県の獺祭を飲みたいです。

――高杉晋作のルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?

安元 “質実剛健”。『遥か5』よりもやや甘ですけどね。

――『風花記』で主人公以外に高杉晋作と関連のあるキャラクターは誰ですか?

安元 八葉だと、龍馬と少しだけ登場シーンで絡みました。

――龍馬とはどのように関わっているんですか?

安元 新キャラクターによる八葉の説明です(笑)。

――では、高杉晋作はリンドウのことを前から知っているということですか?

安元 そうですね。リンドウが出てくるときに龍馬といっしょにいて、「おいおいどういうこったぜ」という感じで話が進んでいきます。

――主人公以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?

安元 竹本英史です。桜智(福地桜智)はおもしろい人だと思いますけど、竹本英史はよくわからないし、彼はどこまで行ってしまうんだろうっていう。竹本英史には注目です。ずっと彼だけを見ていきましょう(笑)。

――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。

安元 恋愛アドベンチャーという枠だけではなく、もっと大きなくくりにしてもいいんじゃないかなっていうくらい要素がいろいろあるゲームなので、いわゆる乙女ゲームだと思わずにひとつのゲームとして取りかかってくださるとみんなも僕らも喜びます。楽しめると思いますので、ぜひぜひよろしくお願いします。