新たな恋愛模様が描かれる
コーエーテクモゲームスから2012年春に発売予定のPSP(プレイステーション・ポータブル)用ソフト『遙かなる時空の中で5 風花記』(以下『風花記』)。2011年2月24日にPSP用ソフトとして発売された恋愛アドベンチャーゲーム『遙かなる時空の中で5』(以下、『遙か5』)の続編となる本作。ここでは、メインキャラクターの声を担当するキャスト陣へのインタビューを前編と後編に分けてお届けする。
【新キャラクター、リンドウ役 八戸亮】
――アフレコを終えての感想をお願いします。
八戸 アフレコは初めてだったのですが、大好きな『遙かなる時空の中で』が初仕事でうれしかったです。収録時にいろいろ教えていただきまして、ありがたかったです。
――アフレコとふだんやられているお芝居は違いましたか?
八戸 ふつうの芝居では目に見えている情景があるんですけど、アニメやゲームのアフレコだと、隔離された空間の中で相手がどこにいるかとか、相手の気持ちなどを全部自分の頭の中で想像しながらやらないといけないので、そういう部分がぜんぜん違うんだなと思いました。難しかったです。
――『風花記』で新キャラクターのリンドウを演じられましたが、リンドウはどういったキャラクターなのでしょうか?
八戸 頭はいいけど適当というか、あまり人やものに興味がなくてふらふらと生きているような。でも、それがかっこよさになっている大人の男性です。そんなキャラクターなんですけど、神子(蓮水ゆき)に出会って変わっていく姿がおもしろいと思います。
――演じていて、リンドウとご自身の共通点はありましたか?
八戸 それこそ適当なところですね(笑)。何もかもが適当なところや人やものに執着がないところがすごく似ていると思ったので演じやすかったです。
――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?
八戸 ゲームやアニメが大好きなので、プレイステーション3かPSP(プレイステーション・ポータブル)ですかね(笑)
――よくゲームはプレイされるんですか?
八戸 今日は台本を覚えたくねーっていうときはゲームに走りますね。
――そんなゲーム好きな八戸さんから見た『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?
八戸 『遙かなる時空の中で』シリーズもプレイしていまして、先日『遥か5』をプレイしたんですけど、久しぶりにやったらやっぱりいいなと思って。男の僕でもキュンキュンしちゃうんですよね(笑)。いまの時代の男に足りないものを彼らは持っていると思うんです。女の子を惑わす力というか、惚れてもらう力が乙女ゲームにはあると思うんですよね。なので、僕も惚れてもらえるようにがんばりました。
――リンドウを演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?
八戸 情景が変わっていくのを声だけで表現するのが難しかったですね。頭にビジョンがないとできないんだなって。アニメを見ている分にはもう少し簡単なのかなって思っていたんですけど、実際にアフレコしてみたらとても難しかったです。あと、気をつけた部分は、ひと言ひと言に気を抜かず、リンドウに惚れさせなきゃいけないってところですね。
――リンドウのルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?
八戸 “ツンデレ”のひと言ですね。神子と出会ったころはツンなんですけど、それがだんだんと変化していきます。
――主人公とはどこで出会うんですか?
八戸 江戸で出会います。
――リンドウの立ち位置を教えていただけますか?
八戸 江戸の案内役ですかね。案内役+ベビーシッターみたいな(笑)。
――リンドウは陰陽師のようですが、技や術を使うんですか?
八戸 使いますね。神子を守るときに使います。
――甘い台詞はありましたか?
八戸 ありました。ふだんからアニメやゲームで親しんでいるので、甘い台詞を言うこと自体に抵抗はありませんでしたけれど。
――『風花記』で主人公以外にリンドウと関わってくるキャラクターは誰ですか?
八戸 ちょっとキャラクターが近い気もする小松帯刀ですかね。目立つ場面ではないんですが、小松と頭脳戦的なところがあります。僕が『遥か5』をプレイしたときに小松はできる奴だなと思ったので、そういう人と頭脳対決をするときにいい場面だなって思いました。
――リンドウ以外で気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?
八戸 福地桜智が気になりますね。あんなにかっこいいのに神子のことを大好き大好き大好きって想っている人ってなかなかいないですよね。あそこまでのイケメンもなかなかいないでしょうし。そんな人が自分に好き好き好きってきてくれたら、女の子は確実に落ちますよね(笑)
――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
八戸 『遙かなる時空の中で』シリーズを好きな方は、『風花記』もプレイしてくれるのだろうと信じています。新キャラクターのリンドウを演じさせていただいて、僕的にもすごく魅力のある男なのでいちばんの推しキャラクターにしてくれたらうれしいです。リンドウの甘さにとろけてください。僕も『風花記』の攻略をがんばるので、いっしょにリンドウを落としましょう!
【桐生祟役 下野紘】
――アフレコを終えての感想をお願いします。
下野 前作『遥か5』では、ヒロインにとって完全に弟役、仇役みたいな感じでしたが、今作『風花記』では、祟(桐生祟)が攻略キャラクターになったので不思議な感じです。『遥か5』のときもお姉ちゃん大好きみたいな感じではあったんですけど、今回は憎しみだけしか抱いていないっていうのともちょっと違うニュアンスだったので、不思議な感じだなと。あと、『風花記』では恋愛が絡んできて感情の変化がさらに複雑になっていくのが収録していておもしろかったです。
――久しぶりに桐生祟を演じられての感想をお願いします。
下野 1年振りの収録でしたので、このキャラクターで大丈夫だったかなっていう心配はちょこっとありました。でも、なんとなく身体が覚えているというか、キャラクター的にはとくに問題はなかったのではないかな? と思います。
――今回改めて桐生祟を演じ、新しい発見などはありましたか?
下野 『遥か5』では怒りに身を任せてとか、感情の起伏が激しかったので、なんで突然こういう風になるのかな、と思う部分があってたいへんでした。でも、『風花記』ではただ単に怒りに任せての感情だけではなく、セリフの中で祟がどんどん変わっていくのがわかりましたし、怒っているし、憎んでいるし、だけどおそれだけじゃなくて……っていう曖昧さ加減が逆にしっくりきたので、前回以上に感情移入しやすかったです。
――それは桐生祟との共通点があったからですか?
下野 祟の感情の処理の仕方が自分と合致したというところがあっただけなので、共通点があるかどうかと言われると似てないんじゃないかな、と思います。でも、それはあくまで自分の主観でしかないので、まわりの人から見たら「意外に似ているんじゃないのかな」って言われる可能性もあるかもしれませんけどね。
――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?
下野 難しいですね。守りたいものはたくさんありますね。自分の置かれている環境だったり、状況だったり、体調的なものだったりとか。あとは、友人、交友関係だったりとか、繋がりみたいなものだったりとか。いろいろ守っていきたいものはありますけど、それは僕だけではなくて、いろいろな人たちが思うことだから……。とにかくいっぱいです。
――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?
下野 「フルコンプするのはたいへん」とスタッフの方にちらっと聞いたので、がんばって攻略していただきたいですね。収録しているときに感情移入して、『遥か5』のとき以上に泣きそうになるシーンがあったので、そのがんばっている部分を聞いていただけたらいいな、と思います。
――『風花記』での桐生祟を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありますか?
下野 『遥か5』では「狂気な部分を出してくれ」と言われたところが多かったんですけど、『風花記』では攻略対象キャラクターでもあるし狂気な部分を控えめな感じで、というのは意識しました。難しかったところは、自分の中でちょっと悩んだ部分があるんですけど、ネタバレになるのでまだ言えません!
――では、もし桐生祟が友だちだったら、どういう風に付き合いたいですか?
下野 いっしょに遊びに行くとしたら、いろいろなことを考えない場所に行ったほうがいいと思うので、遊園地がいいのかなって思いますね。いろいろと自分の中で悶々としているものをいっぱい持っていそうだし、でもそれを表に出さなそうだから、いろいろ考えたり人の目を気にせずに遊園地で無邪気に「わー!」と騒いだりするほうがいいのかなって。あと、彼はまだ未成年ですけど、いっしょにお酒を飲みに行ったらたいへんなことになりそうですね。感情の起伏が激しいからデリケートに付き合わないといけないし、そんなに頻繁には会わないと思います(笑)。
――桐生祟のルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?
下野 愛憎ではなく“憎愛”ですね。憎いけど、憎いけど、でも……っていう。
――そこは『遥か5』とはちょっと違う感じですね。
下野 そうですね。『遥か5』のときは完全に“切望”だったので、それとはちょっと違いますね。
――では、『風花記』で主人公以外に桐生祟と関わってくるキャラクターは誰ですか?
下野 瞬(桐生瞬)と都(八雲都)ですね。そのほかのキャラクターの名前はあんまり出てきてないです。
――新キャラのリンドウとは関わっていないのですか?
下野 ストーリー的にどうなっているのかはわかりませんが、僕のセリフで「リンドウ!」っていうのはなかったです。
――主人公との関係性が変わることで、桐生瞬と八雲都との関係性にも変化はみえてくるのでしょうか?
下野 ぜんぜん関係ないです。とにかくゆき(蓮水ゆき)のことしか見ていません。それだけ言っておきます。
――では、ずばり桐生祟は幸せになれますか?
下野 それはどうでしょう? そこはプレイしていただいてのお楽しみです。最後は皆さんの目で確かめていただくのがいちばんじゃないかな、と思います。
――ちなみに、桐生祟以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?
下野 やっぱり、祟といちばん関わっている瞬と都ですね。出てくるシーンもいっしょだったりしますし。
――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
下野 今作『風花記』では、祟の恋愛ルートができました。ファンの方の中にどれだけ祟を落としてみたいわと思ってくださっている方がいるのかわかりませんが、彼なりにいろいろと思うことや悩んでいることがより明確になっていますので、ぜひとも祟の恋愛ルートを攻略していただきたいです。そして、ラストにどういう結末が待っているのかをぜひとも楽しんでいただけたらな、と思います。よろしくお願いします。
【桐生瞬役 寺島拓篤】
――アフレコを終えての感想をお願いします。
寺島 前作『遙か5』の流れとは微妙に変わっている部分もあり、その変化を楽しみつつも、瞬(桐生瞬)だったらどう感じるかな? というさじ加減が難しくもあり、非常にやり甲斐があったなと思いました。
――『風花記』での桐生瞬のキャラクターは、前作『遥か5』のときよりも進化しているんですか?
寺島 進化したというよりは見せる幅が広がりましたね。瞬ってものすごく縛りが多いというか、自由が利かないキャラクターなのですが、『風花記』では多少人間らしくなったなと感じました。
――『遥か5』のときよりも、桐生瞬の新しい点が見えてきましたか?
寺島 『風花記』では自由度が広がり人間らしい面がちょこちょこと見えました。
――演じていて、桐生瞬とご自身の共通点はありましたか?
寺島 ぜんぜんないですね。僕はどちらかと言うと明け透けなので、瞬みたいにいろいろな物事を自分の中だけに隠しながら何かと戦うということはあまりやりません。いつも瞬の生きかたはたいへんだろうなと思いながら演じています。
――すると、瞬を演じるのは難しいですか?
寺島 難しいと言えば難しいんですけど、逆に自分ではないようにやればいいと考えているので、目標の見定めかたがやりやすいですね。ですが、人を大切に想ったり、恋をしている相手のことを想う気持ちは僕も同じ想いなので、そこは大事にしつつ、客観的にどう見えるかなというのが逆にやりやすかったです。
――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?
寺島 いまの生活です。いま非常に穏やかに暮らせているので、この中心的な部分を維持しつつ新しいことに挑戦していけたらいいなと思っています。
――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?
寺島 『遥か5』をプレイされている方にとっては各キャラクターの新しい面が見えます。あとは、新キャラクターの登場と、僕としては弟(桐生祟)が攻略対象キャラクターになったところが見どころです。いろいろと「うーん」と思うところがある弟ではありますが、愛してやってください。
――『風花記』での桐生瞬を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?
寺島 瞬の守ってきたキャラクター性のほどきかたですね。ほどきすぎても固すぎてもだめという微妙なゆるめかたのさじ加減が難しかったです。
――桐生瞬のルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?
寺島 行き着くところは『遥か5』と大きな変化はありませんが、“平穏を手に入れた”です。彼の生きる道自体が激動なので。
――桐生瞬のルートの見どころを教えてください。
寺島 あの人のおかげでちょっと変化が生まれました。『遥か5』では瞬の考えていること、目線をわかってくれる人がいなかったので、『風花記』ではあの人のおかげで変化が生まれましたね。
――ちなみに、桐生瞬以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?
寺島 みんなと同じかもしれませんが、福地桜智です。連鎖術をくり出すときの台詞が気持ち悪くて「なんだろうこの人」って思うんですけど、どうしても気になっちゃうんですよね。イベントでウケまくる竹本さん(竹本英史)を見ているので、その影響もあると思いますが。あとは、新キャラクターのリンドウです。リンドウがどういう風にゆき(蓮水ゆき)と接していくのかが気になります。
――桐生瞬といっしょに遊びに行くとしたらどこに行きますか?
寺島 どこにも遊びに行ってくれないと思います。僕にはまったく興味を示してくれないと思うので。もし僕が八葉だったら違うかもしれませんが、ふつうの人だったらまったく関わらないと思います。
――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
寺島 『遥か5』がより深みを増した作品になったと思います。皆さんが気になっていた部分、もっと見たいなと思っていた部分が加筆されていますので、『遥か5』をプレイしてくださった方もそうではない方も、今作をプレイしたら『遥か5』に夢中になると思います。『風花記』を含め『遙か5』の世界を楽しんでいただければなと思います。楽しみにしていてください。
【坂本龍馬役 鈴村健一】
――アフレコを終えての感想をお願いします。
鈴村 久しぶりに演じたなと思いつつも、なんとなく久しぶり感がなかったのは、イベントで朗読をしたりしているからだと収録中に気が付きました。ゲームが元祖ですからイベントでしゃべっている龍馬ももちろん龍馬なんですけど、故郷に帰ってきたような。こういう収録を以前もやったなと懐かしく感じつつ、また新しいことをやっている気もした収録でした。
――龍馬を演じる上での弊害はありませんでしたか?
鈴村 すんなりと入れて楽しい収録でした。スタッフの方がどう思ったかわかりませんが(笑)。
――坂本龍馬の新しい点は見えましたか?
鈴村 『遥か5』のときは誰がどの役をやっているかがわからなくて、みんながどんな声なのかもわからない中で収録したんですけど、イベントでいろいろな方と顔を合わせることによってこの人はこういう声なんだとか、こういうキャラクターなのねっていうことがより明確にわかった状態で『風花記』を収録したので、そこはすごく新鮮でした。安元くん(安元洋貴)のキャラクター(高杉晋作)が、いつ人を斬ってやろうかみたいな姿でお送りしているのに対して、龍馬はいつも前向きで恋愛ルートに関してもすごく真っ直ぐというか、終始さわやかという感じで踏襲されているので劇的な変化はありませんでしたが、また新作(『風花記』)をやるんだなという意味での新しさは自分の中でありました。イベントとかで龍馬と触れている時間はじつは長いんですけど、ゲームの収録はこれまで1回だけなのでつねにゲームの収録は新鮮なんですよね。なので、『遙かなる時空の中で』に関する収録はいつも新しい感じがしますが、龍馬に関する新しいところはありません(笑)。
――坂本龍馬とご自身の共通点はありましたか?
鈴村 前向きなところです。
――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?
鈴村 家族(犬2匹含む)。
――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?
鈴村 長いシリーズなので間違いないというか、安心感がすごくあると思います。このシリーズをやってらっしゃる方は安心して手に取っていただけるでしょうし、これだけシリーズを重ねている作品っていうのはそれだけみんなに支持されているということなので、まだやったことがない人はまず『遥か5』から始めてみてください。
――『風花記』での坂本龍馬を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?
鈴村 若いころにお嬢(蓮水ゆき)と出会うシーンがあるんですけど、当時(『遥か5』)の理念といまの龍馬の理念の違いを演じ分けるのが難しいのですがおもしろかったですね。当時から大志は抱いているんですけど、すごく純粋に真っ直ぐに向かっている若いころと、同じように大志も膨らんでいるんだけどもう少し世の中を広く見られるようになったいまの龍馬のお芝居をつけていただける演出をしてもらったので、とても難しいですけどやりがいのあるシーンでした。
――『風花記』と『遥か5』との坂本龍馬ルートの見どころの違いを教えてください。
鈴村 劇的な変化はありませんね。あそこがちょっと違うぜみたいな。若いときにここで会っとるでみたいな差なんです。なので、爆死したんですけどその細胞が復活してみたいな話ではないんですよ。そういう話もあってほしいんですけどね。そのとき生き残った右目だけが生き残り、龍馬はクローン状態になって……。ということはございません(笑)。『遥か5』をプレイされた方はにやりとするような差です。
――坂本龍馬のルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?
鈴村 “はじけるさわやかさ”。三ツ矢サイダーみたいな(笑)。
――『風花記』で主人公以外に坂本龍馬と関わってくるキャラクターは誰ですか?
鈴村 いないです。新キャラクターのリンドウさんともほぼしゃべらず。「こいつかい?」なんていうシーンはあったんですけどその後の接点はなく……。マブダチにはなれませんでした。
――坂本龍馬以外に気になるキャラクター、または演じてみたいキャラクターはいますか?
鈴村 福地桜智。いつもイベントでたけぽん(竹本英史)がものすごく楽しそうに演じていて、たけぽんがひと言しゃべると会場に笑いが起きるんです。あの感じがいいなと思っているので僕もやりたいです。龍馬はものすごくスタンダードなので、イベントに遊びに来てくれたファンの方も「そうだよね」っていう雰囲気なんですよ。なので、こういう飛び道具的なのを演じてみたいですね。
――ちなみに、坂本龍馬といっしょに遊びに行くとしたらどこに行きますか?
鈴村 家にお呼びして撮り溜めておいた『仁』をいっしょに観みながら、「どうどう、これ合ってる?」って質問したり。「いや、違うぜよ」ってきっと言われるんでしょうね。
――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
鈴村 皆さん待望の『遥か5』の続編がついに発売となります。首を長くして待っていると思いますが、もうちょっとだけ首を長くしてみてください。そうするときっとそれだけ待った甲斐があるなと思う日が来るでしょう。それは、発売日です。発売日にはきっと怒涛のごとくプレイをされると思いますが、ぜひ坂本龍馬に清き1票を入れてやってください。おもしろいキャラクターがいっぱいいるので、ついふらっとおもしろいキャラクターにいきそうになるでしょうけど、スタンダードな龍馬からやってみてはいかがかなと僕は強く言っていきたいです。去年は流行っていましたが、今年は下火だと思いますので、なんとかもう一度龍馬を盛り上げるために皆さんのお力を貸していただきたいと思います。よろしくお願いしますぜよ。
【チナミ役 阿部敦】
――アフレコを終えての感想をお願いします。
阿部 前作『遥か5』を演じ終えた後だったのでキャラクター作りに関しては迷いなくできましたが、今作『風花記』では新たなストーリーや分岐が展開しています。前作のチナミくんは気持ちがいっぱいいっぱいだったので、今作では若干心に余裕がある中でしっかり巫女であるゆき(蓮水ゆき)を守るという方向にいきましたし、自分自身とはみたいなこれからどうするのかみたいなのが、しっかり描かれていたので、これが本来のチナミくんなんだろうなっていうのが感じられるお話だったと思います。
――今回改めてチナミを演じ、新しい発見などはありましたか?
阿部 兄上(マコト)に対しては、並々ならぬ信頼と尊敬を抱いているというのをわかってはいたのですが、今回はそのあたりもちょっと突っ込んで描かれておりまして、どう思っていたのか、チナミという名前に対して天狗党を決起するときにどう思っていたのかとか、より細かく当時の心境が描かれていました。『遥か5』を補完する意味でもおもしろいなと思ってやらせていただきました。
――演じていて、チナミとご自身の共通点はありましたか?
阿部 正反対だと思いますね。僕は好きなものは好き、やりたいことだけやりたいと思って生きているので、チナミのように己を殺して国のために誰かのために生きるとか、礼儀を重んじたりとかを見ていてかっこいいなって。僕にももう少しこういうのがあったらいいのかなって思いました。
――今作の『風花記』では、“命をかけて大切なものを守る”というのが物語のコンセプトですが、ご自身がいまいちばん守りたいものはなんですか?
阿部 姪っ子ですね。もうすぐで2歳になるんですが、かわいいんですよ。
――『風花記』の見どころや注目してほしいところはどこですか?
阿部 『遥か5』ではチナミが弱っているところにゆきが手を差し伸べてくれたという印象が強いんですけど、『風花記』ではゆきが弱っているところにチナミが手を差し伸べて、彼の優しさや覚悟、いままでどういう思いで戦いに身を投じていたのがみたいなものが描かれていますし、マコトとの新たなやりとりもありますので、そこを楽しみにしていただければと思います。
――『風花記』を演じる上で、気を付けたところや難しかったところはありましたか?
阿部 チナミは一本木な少年なので“女子(おなご)”や“誠に”など、当時の言葉を使うので、言葉のアクセントを崩さないように気をつけました。
――主人公とチナミの恋愛の甘さを『遥か5』と比較すると、『風花記』ではどのくらい変化していますか?
阿部 どちらかというとチナミは甘さ担当ではない気がするので、『遥か5』のときから甘さはほかのキャラクターに任せています(笑)。なので、チナミの場合は、同じ目線、同じような立場のふたりがお互いを想い合って、守り合って、というのがいいなと思わせる一面だと思うので、そういう意味では『遥か5』とあまり変わっていないかも。『風花記』ではまた新たな視点でのチナミらしさが出ているので、そこを楽しみにしていただけたらな、と思います。いつも通りのツンデレもあります。
――では、主人公以外のキャラクターとの関わり合いの中で、その新しいチナミらしさが出る場面もあるんですか?
阿部 詳しくは言えませんが、『風花記』でも新たな異人さんとの関わりが描かれています。基本的にチナミは尊皇攘夷派なので外敵は打ち払うっていう思想の持ち主ですけど、本来のチナミはもっと柔和でもっと柔らかい感性を持っている子だと思うんですよね。『風花記』では尊皇攘夷派だし、そのために仲間も散っているので、おいそれと思想を変えることはできないし、後戻りはできないけれど、このままでいいのかと迷うシーンなども出てきます。そのシーンを見て迷い続けることは歳がいちばん若いチナミの特権だなって思いました。そういった、恋愛とは別の幕末だからこその葛藤も描かれているので、そこはひとつの見どころですね。
――チナミのルートをひと言で表すとどんな言葉になりますか?
阿部 “開花”。いま現在成長していっているっていう。『遥か5』のときも思ったんですけど、チナミは将来が有望すぎるだろうって。考えかたもそうだし、真面目で勤勉だし、かっこいいし、っていうのがあったんですけど、『風花記』をやることによってチナミの感性がまたひとつ豊かになったなと感じました。
――では、『風花記』で主人公以外にチナミと関連のあるキャラクターは誰ですか?
阿部 個人的には八雲(八雲都)との掛け合いが好きなんですよね。いい喧嘩仲間といいますか。
――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
阿部 『遥か5』のまた新たな側面が描かれた作品になっております。チナミも前作とは違う考えかたや成長をみせてくれると思います。もちろん、新たなツンデレもありますので、いろいろ楽しみにしていただきたいと思います。