争点は“類似性”による著作権侵害
ソーシャルゲームのメーカーであるKLabは2011年12月6日、同社の『真・戦国バスター』に対する著作権侵害および不正行為があったとして、該当作品である『チーム×抗争!ギャングキング』を配信するクルーズに対し同作の配信差止、ならびに損害賠償を請求する訴訟を提起した。この訴訟提起に関し、クルーズも見解を発表している。
<以下、KLab発表の“訴訟の提起に関するお知らせ”を引用>
訴訟の提起に関するお知らせ
当社は、株式会社クルーズ(大阪証券取引所 JASDAQ スタンダード上場、証券コード:2138)に対し、著作権侵害行為及び不正行為に基づき差止及び損害賠償を求める訴訟(以下、「本訴訟」といいます。)を東京地方裁判所に提起しましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
1.本訴訟を提起した裁判所及び年月日
東京地方裁判所 平成23 年12 月6日
2.本訴訟を提起した相手方(被告)
(1)名称:クルーズ株式会社
(2)本店所在地:東京都港区六本木六丁目10 番1号 六本木ヒルズ森タワー
(3)代表者:小渕宏二
3.本訴訟に至った経緯
当社が、平成23 年3月22 日にモバゲータウン(平成23 年3月28 日にMobage に名称変更)において配信を開始した当社のソーシャルゲーム「真・戦国バスター」は、多くのユーザーの皆様からご支持を頂いております。
クルーズ株式会社は、平成23 年9月6日にMobage において同社のソーシャルゲーム「チーム×抗争!ギャングキング」の配信を開始しました。
「真・戦国バスター」と「チーム×抗争!ギャングキング」を比較すると、ゲームの機能及び課金の仕組み、画面遷移の選択及び配列、主要画面の表示構成、並びにヘルプの文章等の具体的な表現において、完全に同一であるまたは著しく類似する箇所が非常に多く、「チーム×抗争!ギャングキング」は、「真・戦国バスター」の舞台設定を漫画作品「ギャングキング」に置き換えた忠実なリメイクであると評価できる程度の極めて
高い類似性が認められます。
当社としては、過去のゲーム作品を参考に創意工夫をこらして新たなゲーム作品が製作されることにより、ソーシャルゲーム業界が発展することを願っておりますが、クルーズ株式会社が、「真・戦国バスター」の配信から半年以内に、当社に一切の連絡なく、「真・戦国バスター」の忠実なリメイクと評価できる「チーム×抗争!ギャングキング」の配信を開始した行為は、公正な競争として社会的に許容される範囲を超えるものと判断し、事前にクルーズ株式会社に対して文書で警告した上、本訴訟を提起することといたしました。
4.本訴訟の内容
当社は、本訴訟において、クルーズ株式会社による「チーム×抗争!ギャングキング」の配信が、「真・戦国バスター」に関する当社の著作権を侵害し、かつ当社に対する不法行為を構成すること、及びこれにより当社が被った損害額が5,000 万円を下回らないこと等を主張し、「チーム×抗争!ギャングキング」の配信の差止、並びに5,500 万円及び法定利息による遅延損害金の損害賠償を請求しております。
5.今後の見通し
本訴訟が当社の業績に与える影響は軽微と認識しております。今後、本訴訟の進展に伴い開示が必要となる事実が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。
以上
KLabによる訴訟提起に対して発表された、クルーズの見解は以下の通り。
<以下、クルーズ発表の“訴訟提起に関する当社見解について”を引用>
訴訟提起に関する当社見解について
本日、KLab株式会社(以下KLab)が当社に対し、著作権侵害行為及び不正行為に関し訴訟を提起するとの発表がございました。現時点において、訴状を受け取っていないため、その具体的な内容を確認できておりませんが、当社としては著作権侵害や不正行為をしていないと認識しております。今後、当社では訴状が届き次第、その内容を精査し、対応を検討して参りたいと考えております。
また、当社サービスをご利用頂いているユーザーの皆様や関係各位には、大変ご心配をお掛けしておりますが、引き続きより良いサービスを提供できるよう心がける所存ですので、今後とも何卒よろしくお願い致します。
以上