シリーズ初のソーシャルゲームが満を持して発表に
2011年12月2日、ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)による“Mobage(モバゲー)新作ソーシャルゲーム発表記者会見”が都内にて実施された。会見では、スクウェア・エニックスとコラボしての『ファイナルファンタジー』シリーズ初のソーシャルゲーム『ファイナルファンタジー ブリゲイド』が発表されたほか(⇒記事はこちら)、『キン肉マン』の新作ゲーム『キン肉マン超人タッグオールスターズ』がお披露目された。ここでは、その記者会見の模様をお届けしよう。
まず登壇したのは、DeNAの代表取締役社長、守安功氏。DeNAといえば、つい先日横浜DeNAベイスターズの誕生が正式に発表されたばかりだが、守安氏は「強いチームを作っていこうということでがんばっていきますが、合わせて主力事業となるソーシャルゲームで新しいリソースを発表させていただきます」とコメントし、『ファイナルファンタジー』シリーズ初のソーシャルゲームが、Mobageで展開されることを正式発表した。
学生時代にシリーズ作はすべてプレイしていたという守安氏。「日本を代表するRPGがソーシャルゲームとして遊べることを楽しみにしています」(守安)とのこと。そのうえで、1年以上前から『ファイナルファンタジー』シリーズのソーシャルゲーム化はスクウェア・エニックスと相談していたが、「これだけのタイトルなので失敗はできない」(守安)ということで、もっとも信頼がおける内作チームに開発を任せて開発がスタートしたことなどを説明した。ときに、『ファイナルファンタジー』シリーズのよさとソーシャルゲームのよさを求めて、スクウェア・エニックスとDeNAのスタッフとで激しい議論も戦わされたようだが、「両方のいいところが盛り込まれた、いいものができた」と守安氏。
ひき続いて、スクウェア・エニックスの和田洋一代表取締役社長が登壇。和田氏は、「ソーシャルゲームは奥深く、ユーザーが何を求めているか理解してからではないと安易には着手できないと思った」とコメント。さらに、人気ブランドであればいいというものでもないし、逆に人気ブランドに引っ張られてソーシャルのよさが損なわれる可能性もあったと説明し、オリジナルタイトルで「(開発の)カンを掴んでから」とのスタンスで、この1年のソーシャルゲームの展開があったことを明らかにした。ノウハウを貯めてスタートした『ファイナルファンタジー ブリゲイド』は、さらに「信頼できるDeNAとの協業という形を取りました」(和田)とのことで、まさに“満を持して”という形容がふさわしいプロジェクトとなった。
シリーズ初のソーシャルゲーム『ファイナルファンタジー ブリゲイド』の“ブリゲイド”は、“旅団”という意味。本作では、プレイヤーは飛行艇を所持して、仲間たちと“飛空艇段”を結成。さまざまなエリアを探索し、クエストをこなしていくことになる。幻獣たちとのバトルも楽しめる。「『ファイナルファンタジー』らしい、仲間のために戦う新しいソーシャルゲームです」と和田氏。ジョブや武器など、シリーズファンならうれしい要素が満載で、さらには、おなじみのモンスターも多数登場する。モンスターのデザインに関しては、幅広いプレイヤー層を持つソーシャルゲームユーザーに広く受け入れられるために、かわいいパステル調のデザインにしているらしい。和田氏いわく「パッケージとのコラボも図りながら盛り上げていきたい」とのことで、PSP用ソフト『ファイナルファンタジー零式』の購入者全員に、『ファイナルファンタジー ブリゲイド』のサービス開始後、ゲーム内特典がもらえる仕組みなども考えているとのことだ。『ファイナルファンタジー ブリゲイド』の気になる配信時期は、2011年12月中旬にクローズドβがスタート、12月下旬にサービス開始となる。フィーチャーフォン版およびスマートフォンWEB版は順次リリースとなる。
「ソーシャルゲームはパッケージゲームとは違ってロンチしてからが生命。ロンチしてからどれだけお客さんとつながっていくかが大切です。これから息の長いタイトルにしていきたいです」と和田氏は力強く語った。
森本稀哲選手も大喜び! 『キン肉マン超人タッグオールスターズ』が発表
今冬配信予定の新作ソーシャルゲームの紹介に引き続き、記者会見では『キン肉マン超人タッグオールスターズ』が発表された。ご存じ、『キン肉マン』をモチーフにした本作は、“童心の返って超人を集める喜び”、“必殺orタッグ技でライバルに勝利”、“好きな超人を組み合わせて最強タッグに”という3つの楽しさを追求したソーシャルゲーム。ゲーム内容はというと、プレイヤーはミッションをこなしながらおなじみの超人たちを仲間として集め、超人パワーを受け渡す“合成”で強化しながら最強の超人タッグを目指すというカードRPG。初代『キン肉マン』や『キン肉マンII世』の超人たちが勢揃いした、まさに“オールスター”が集結したゲームとなる。フィーチャーフォン版は211年12月下旬配信予定、スマートフォン版は2012年2月中旬配信予定となる。
記者会見では、『キン肉マン』の原作者である、ゆでたまごの原作担当嶋田隆司と、DeNAのソーシャルゲームを取り仕切る小林賢治取締役によるトークセッションが行われた。『キン肉マン』初のソーシャルゲームとなる『キン肉マン超人タッグオールスターズ』。ゲームの監修を担当した嶋田氏は、本作が原画をもとにしたゲームであることが感慨深かったようで「原作ファンには原画が好きな人が多いです。(監修したものの中には)昔の原画を使っている部分もあったので、新たに描き下ろすくらいの気持ちで取り組みました。スタッフの『キン肉マン』ラブを感じました」とコメント。原作者としても本作に相当力が入っていることをうかがわせた。「最初はソーシャルゲームのことがよくわかりませんでしたが、甥っ子などに教えてもらいました。いざ遊んでみるとユーザーとやりとりできるのが画期的。『キン肉マン』のゲームはたくさんでていますが、それらに比べると操作が格段に簡単ですね」(嶋田)とのことだ。
一方小林氏は、DeNAがソーシャルゲームのサービスを開始したときは若い人が多かったが、いまは時間のないなか気軽にエンターテインメントを楽しみたいという30代が増えていると解説。その世代に『キン肉マン』はまさにマッチしていると説明した。小林氏自身、“キン肉マン消しゴム(キン消し)”を集めていた世代で、「『キン肉マン』をやろう!」というDeNAサイドの熱い要望により、今回の企画は実現したという。
トークセッションの後半には、“ふたり”のスペシャルゲストが登場した。“ひとり”は、等身大のキン肉マンで、もうひとりはラーメンマンに扮した、横浜DeNAベイスターズの森本稀哲選手! 昨晩家でご飯を食べていたら突然この日の出演依頼の電話がかかってきたという森本稀哲選手。横浜DeNAベイスターズの選手としては、“初仕事”となったわけだが、かつてゆでたまご先生に無断でラーメンマンに扮したことがあったそうで、今回は冷や冷やしながらの出演でもあったようだ。嶋田氏の「(森本稀哲選手がかつてラーメンマンに扮したときは)、ファンの人にTwitterで教えてもらいました。“これ許可取っているのか?”とびっくりしましたが、うれしかったです(笑)」との言葉に、稀哲選手もほっとしていたようだった。
ちなみに、ゲームとはあまり関係ありませんが、司会者に「横浜DeNAベイスターズをどう思うか?」との質問には、「正直、僕らも報道を通して情報が入ってくるので不安なところはありました。(横浜DeNAベイスターズ)として正式に決まって、来年野球をやらせてもらえる安心感でいっぱいです。野球ができるので感謝しています」とのことでした。
なお、初代『キン肉マン』が週刊プレイボーイのWebマンガとして復活しているが(⇒こちら)、そちらではかつてのマンガ連載時におなじみの、読者から登場超人を募集するかも……とのこと。さらに、そこで募集した超人は『キン肉マン超人タッグオールスターズ』に登場するかもしれない、とのプランをDeNAの小林氏は語ってくれた。1979年に週刊少年ジャンプで連載が開始された『キン肉マン』。30年以上のときを経て、さらに『キン肉マン』熱が盛り上がりそうだ。『キン肉マン超人タッグオールスターズ』は、2011年12月2日より事前登録が開始されている。気になる方は、“Mobage”でご登録を。