満を持して登場した『セブンスドラゴン』シリーズ第2弾
ドラゴンたちの襲撃と、滅びを呼ぶ花“フロワロ”の侵食に晒された世界を舞台に、人とドラゴンの戦いを描くRPG『セブンスドラゴン2020』。RPGとして王道でありつつ、『セブンスドラゴン』シリーズらしい遊びもふんだんに盛り込まれた本作の魅力を、週刊ファミ通編集部の川島ケイジがガイドしていく。
より万人向けになった難度と緊張感
2009年にニンテンドーDSで発売された前作『セブンスドラゴン』は、ファンタジー世界を襲ったドラゴンたちに立ち向かうという王道の世界設定と、“ドラゴンと美しい花”の組み合わせがプレイヤーの目を引くRPGだった。そして『セブンスドラゴン2020』では、なんとドラゴンが近未来の東京に出現し、人々が決死の反撃に臨むストーリーがくり広げられる。“ドラゴンと東京”という組み合わせは、これまでのRPGにありそうでなかったが、ゲームに触れてみれば、「やはり王道!」、「『セブンスドラゴン』らしい!」と感じられる遊びが盛りだくさんであることがわかる。
本作のバトルは、オーソドックスなコマンド選択式。プレイヤーはキャラクターの外見、職業、声を自由に組み合わせて、最大3人のパーティーを組むことができる。“ちびキャラ”でかわいらしく描かれるパーティーメンバーが、巨大なドラゴンに立ち向かっていくさまは、カメラワークやテンポのよさにも引き立てられて、爽快な触り心地をもたらしてくれる。
また、自分好みのパーティーを編成して冒険に臨めるのは前作と同じだが、本作では職業を5種類に絞っている(前作は7種類)。その理由は「いわゆる“死にスキル”をなくしたかったから」とは、週刊ファミ通2011年12月8・15日合併号(11月24日発売)のインタビューにおける新納一哉ディレクターの言葉だが、実際、ほかのスキルを覚えると不要になるスキルや、性能的に使えないスキルがほとんどないと自分も思える。
スキルは、職業ごとに豊富に用意されており、プレイヤーが好きなものを習得可能。レベルアップ時に得られるSP(スキルポイント)を任意のスキルに割り振ればいいのだ。死にスキルがほとんどないのに、スキルのバリエーションが少ないわけではなく、むしろどのスキルも覚えたくなるので、レベルアップのモチベーションのひとつになる。同じ職業でも、スキルの選びかたしだいで戦いかたは大きく変わりうるので、この点もまた、自分流の“最強”パーティーを作る原動力になるだろう。
ちなみに、バトルの難度は、前作よりもやや下がっているように感じる(難易度“NORMAL”の場合)。これは、ドラゴンや通常のモンスターが手強くなくなったのではなく、本作のいたるところに親切な配慮がなされていることによる。たとえば、通常のモンスターを倒すと、戦利品として回復アイテムがしょっちゅう手に入るので、それをうまく使えば、たとえパーティーに回復スキルを使えるメンバーがいなくても、行き詰まることはほとんどない。また、キャラクターがレベルアップしたり、ダンジョン内のセーブポイントに触れたりすると、体力やマナ(いわゆるMPのようなもの)が全回復するというのも、前作にはなかった親切仕様だ。
習得するスキルの選択や、バトル中の判断を誤ると、たちまちピンチに陥ったりする前作の難度も好きだったが、ほどよい緊張感がありつつ行き詰まることはほとんどない本作も、より万人向けのゲームになったという観点から歓迎できる。
どんな編成でもクリアー可能!?
難度は、パーティーの編成によっても多少変わる。自分はサムライ、デストロイヤー、ハッカーの3職業を選んだ。回復スキルが豊富なサイキックはいないが、前述したような“親切仕様”を活用したり、「攻撃は最大の防御なり!」を実践するなどして、とくに行き詰まることなくエンディングまで進むことができた。うっかり全滅の危機に陥ったことも少なからずあったが……(笑)。サブディレクターの大峽大氏は、週刊ファミ通のインタビューで「全員ハッカーという編成だけはクリアーできないかも」とおっしゃっていたが、それを聞いた新納ディレクターが全員ハッカーで挑戦し、最初の帝竜“ウォークライ”を何とか倒すことができたとのこと(ご本人のツイッターより)。本作をセガと共同開発したイメージエポックの御影良衛社長も、サムライ3人というパーティー編成でクリアーできてしまったようだ。
あらゆるパーティー編成でクリアーできるらしい『セブンスドラゴン2020』。皆さんもプレイされる際は、ぜひ、みずからの好みに忠実なパーティーを作ってみてほしい!
■筆者紹介 川島ケイジ
RPGを愛する週刊ファミ通編集者。本作のキャラクターメイキングでは、外見や職業はすんなり決めたが、声優選びにかなりの時間を要した。人気声優30人から選べるんだもの!
セブンスドラゴン2020
メーカー | セガ |
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発売日 | 2011年11月23日 |
価格 | 6279円[税込] |
ジャンル | RPG(ロールプレイング) |
備考 | PS Store ダウンロード版は5600円[税込]、政府特殊機関"ムラクモ"限定装飾一式は8820円[税込]、プロデューサー:小玉理恵子、ディレクター:新納一哉、キャラクターデザイン:三輪士郎、サウンドコンポーズ:古代祐三、開発:イメージエポック |