週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、歌手にきただにひろしさんです。

きただにひろし:『ワンピース ギガントバトル! 2 新世界(ニューワールド)』【週刊ファミ通Face完全版】_01

今週のお題
ワンピース ギガントバトル! 2 新世界(ニューワールド)
ニンテンドーDS バンダイナムコゲームス
11月17日発売予定 5230円[税込]

マンガやアニメで人気の『ONE PIECE(ワンピース)』に登場する海賊団が入り乱れて戦うアクションゲームの最新作。参戦するキャラクターは100人以上で、新ステージも多数登場。また、オリジナルの海賊団を率いてバトルに挑み、世界中の島々を制覇していく“新世界制覇モード”が新たに追加された。


僕の12年間の成長を聴いてください

きただにひろし:『ワンピース ギガントバトル! 2 新世界(ニューワールド)』【週刊ファミ通Face完全版】_02
歌手
きただにひろし

1998年にアニメ『ONE PIECE』の初代主題歌『ウィーアー!』でアニメソングデビューし、以降数々のアニメの主題歌を歌う。アニメソングユニット“JAM Project”の一員としても活躍中で、現在全国ツアーを開催中。最新シングルである『ウィーゴー!』(CD+DVD:1890円[税込]、CD:1260円[税込])を2011年11月16日にリリース。また、同曲の着うた(R)/着うたフルも配信中。

 バンダイナムコゲームスから2011年11月17日に発売されたニンテンドーDS用ソフト『ワンピース ギガントバトル! 2 新世界(ニューワールド)』。国民的人気マンガ・アニメ『ONE PIECE(ワンピース)』を題材にした人気アクションゲームシリーズの最新作だ。今回のゲストは、アニメ『ONE PIECE』の新オープニングテーマであり、本ゲームの主題歌でもある『ウィーゴー!』を歌う、歌手のきただにひろしさん。『ONE PIECE』と出会ってから現在に至るまでの心境や、『ウィーゴー!』に対する思いなどを聞いた。

――きただにさんがアニメ『ONE PIECE』の最初のテーマソングである『ウィーアー!』を歌われてから、もう12年にもなりますね。
きただに 本当に早いですよね。あっという間でした。

――『ウィーアー!』との出会いは、きただにさんにどのような影響を与えましたか?
きだたに 『ウィーアー!』との出会いは、僕の人生のターニングポイントでした。ロックバンドとしてデビューしてから、なかなか突破口を見出せなかった僕を、『ウィーアー!』が救ってくれましたね。

――それまでアニメソングは歌ったことがなかったのですよね。
きただに プロとしては歌ったことはなかったですし、そんな機会があるとも思っていませんでした。じつは、『ウィーアー!』は僕が歌う予定ではなかったんですよ。

――えっ、そうなんですか?
きただに 『ウィーアー!』を作曲した田中公平さんと僕は、もともと交流がありまして。公平さんに、「『ONE PIECE』の曲を書いたから、ちょっと仮歌を歌ってみて」と言われて、気軽な気持ちで歌ったところ、なんとそのまま自分が歌うことになったんです。

――まさに青天の霹靂だったんですね。そんなきただにさんの運命を変えた『ウィーアー!』と同じスタッフが作ったのが、今回の新曲『ウィーゴー!』ですが、最初に『ウィーゴー!』の曲を聴かれたとき、どのように感じましたか?
きただに 『ウィーアー!』のいいところをリスペクトしているな、と思いましたね。これこそまさに『ONE PIECE』のためのアニソンだと。アニメでは、ルフィたちが2年の修行を終えて新世界に漕ぎ出しましたが、それと同じように、『ウィーアー!』と僕たちが12年の修行を経て『ウィーゴー!』にたどりついた、と考えていただけるとうれしいです。

――聴きどころはどこでしょう?
きただに Bメロの最後からサビに移るところです。ここは公平さんのアイディアなのですが……Bメロの最後とサビの頭の文字が同じで、そのままつながっているんですよ。珍しい奏法なので、ぜひ聴いてください。あとは躍動感ですね。言葉をはずませて歌うことで、明るさを出しています。

――では、歌詞の中でお気に入りの箇所はありますか?
きただに Dメロのところに、作詞担当の藤林聖子さんが仕掛けたところがあって。“俺たちは”という言葉が2回出てくるんです。これは、ひとつ目が『ウィーアー!』、ふたつ目が『ウィーゴー!』を表しているんです。たったの2行なのですが、それだけで、これまでの12年間を表している。最初の1行では、これまでにあったいろんなことを。つぎの2行目では、新世界のワクワクドキドキ感を出す。この2行を歌うのは難しかったですが、歌い甲斐もありましたね。

――素敵な意味が込められた2行なんですね。ところで、『ウィーゴー!』のCDには、『ウィーアー!』のアレンジ版である『ウィーアー! for the new world』も収録されていますね。
きただに こぼれ話なんですけど……この『ウィーアー! for the new world』の収録のとき、公平に「これ、ちょっと、メロディー変わってない?」って言われたんです。12年間『ウィーアー!』を歌ってきて、自分でも気付かないうちに、自分なりに解釈して変えてしまっていたところがあって。公平さんは「もうこの曲は俺の手を離れて、きただにの曲になっているから、これは味だ」と、オーケーを出してくれました。それでも、少し直したところはあるんですけどね(笑)。アニソンを歌うときは、いつも、12年前に『ウィーアー!』を歌ったときのピュアな気持ちを忘れないようにしています。でも、当時から歌の技術や声の太さは変わりましたので、『ウィーアー!』と、この『ウィーアー! for the new world』と聴き比べていただくのも、楽しいかと思います。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。
きただに 『ウィーゴー!』は、『ウィーアー!』のアンサーソングとして、同じスタッフが集って作った曲です。「これがおれたちの応えだ!」というキャッチコピーが付いているのですが、これを見て自分でも鳥肌が立ちました。ルフィたちの言葉でもあり、僕たちクリエイターの言葉でもあると思いましたね。この曲を聴いて、『ONE PIECE』のドキドキワクワク感を味わってください。ゲームでは、プレイする前に流れますから、これを聴いて「がんばるぞ!」とテンションを上げていただければと思います。曲を飛ばさないでくださいね(笑)。