エレクトロニック・アーツからプレイステーション3、Xbox 360、PCで発売中のミリタリーFPS(一人称視点シューティング)『バトルフィールド3』。待望の正式ナンバリングタイトルの出来はいかに? FPSライター、スオミ松崎が語り倒す!

キャンペーンはスゴい! でも粗い部分も

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▲曲者ぞろいの連中を揃えた『バッドカンパニー』、変な話だった『バッドカンパニー2』を経て、『バトルフィールド3』ではキャンペーンも本気の作りに。

 ドモー、スオミ松崎です。久しぶりのナンバリングタイトルとして発売された『バトルフィールド3』のインプレッションを書いていこうと思います。今回は趣向を普通のインプレッションと変えて家庭用版とパソコン版の両方について言及しますよ。

 パソコン版『バトルフィールド1942』からスタートしたEA及びDICEの看板タイトルと言っても過言ではないシリーズタイトル。これまでは外伝的な位置付けの『バトルフィールド:バッドカンパニー』シリーズ以外ではまともなキャンペーンモードが存在しなかった。一応、ソロでも遊べるモードも実装はしていたけど、内容はAI相手にマルチプレイの練習をしているだけといった簡素な内容。それだけ過去のシリーズはオンラインを介した対戦に特化させていたゲームと言っても過言ではないだろうね。

 で、本作から新たにキャンペーンモードが実装されたのだけど、やっぱり海外ドラマの影響が色濃く出ている部分が多く感じた。発売前のトレイラーでも圧倒的な演出で見せられていた通り、クリアーするまでの最初のプレイではハリウッド的演出も多く、ポップコーン映画を見ているような感覚で楽しめたかな? ただ、実績やトロフィーのために高難度でもう一度やれるかと言うと、個人的には“NO”。正直なところ、もうお腹いっぱいで食べられません。ただ、大規模な戦車戦や夜間での市街戦は是非とも体験して欲しいレベルですね。

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▲グラフィックはスゴいし、戦場のバリエーションにも富んでいるのだが……。

 ストーリーの形式はブラッド・ピット主演の映画『ファイトクラブ』なんかと同じで、最初に現在の状況をプレイヤーに見せてから現在の状況に至る経緯をプレイさせながら説明。最後に物語の冒頭へとリンクするといった感じでした。ただ、淡々と物語が進みすぎて“グラフィック”がスゲー! といった感じでテンションが上がるものの、物語での盛り上がりは感じられずクリアー後も達成感は得られませんでした。うーん。

 さて、肝心であるキャンペーンのゲーム部分はどうかというと、残念というか、粗い部分が気になるんですよね。例えば、戦闘中に周囲を見渡していると、何もなかった場所に突然ポップアップする敵、隠れて移動しているのに初遭遇の敵がプレイヤーの居場所を完全に把握して行動している点、ストレスを感じる部分は多々あります。が、これは他の部分が良い出来具合だから目立ってしまうのだと思うけど。それにしてもキャラクターが沸くのはガッカリでした。

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 協力プレイのCO-OPは、最大2人で専用のミッションを遊ぶことができます。ランキングにも対応しているし、友達とあーでもないこーでもないと喋りながら遊べるので楽しめました。ただ、ミッション数が7つと少ないのですぐにクリアーできてしまうので早々に飽きてしまうかも。

オンラインは好きなほうをやれ!

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▲キャンペーンは昨今のAAA(一流の)タイトルでは欠かせないけど、やっぱり『BF』で肝心なのはマルチプレイ。レッツ開戦! 

 さて、オンライン対戦についてです。ここは家庭用版とパソコン版を分けて記述していきます。

家庭用版
なんといっても手軽に遊べるのは大きいかなぁ。ゲームを起動したらメインメニューからの操作だけで完結しているのは高評価。ただ、オンライン対戦の人数は最大24人とパソコン版の64人と比べると圧倒的に少ない。ただし、ビークルの操縦なども含めた操作方法がコントローラーひとつで簡単に行える点は家庭用版の長所といったところか。

パソコン版
グラフィック、対戦人数ともに最高峰。グラフィックは家庭用版が720P(実際は704P)なのだけど、パソコン版はスペックに応じて変更できます。特にフルHDで描かれる戦場は驚嘆の二文字が相応しいかな。エフェクトも家庭用版より圧倒的に綺麗だし、かなり違う印象を得られますよ。ただし、ゲームを遊ぶために導入させられるORIGINというソフトウェア周りが不便なんですよ。簡単に説明するとこんなプロセスが必要。

ORIGINを起動

ORIGINからバトルフィールドの起動

ブラウザーが起動、バトルフィールドのサイトBattleLogにログイン

ウェブ上から遊ぶモードを選択(サーバーを選んだり色々)

ゲームが起動(ロードを開始)

楽しむ

 といった面倒な手順を毎回必要とされるのが厳しい。せめてウェブブラウザーを起動せずにORIGIN上でサーバーの選択や遊ぶモードを選べるようにしてほしかった。ちなみにデスクトップ上に作成される『バトルフィールド3』のショートカットから起動しようとしても同じプロセスを歩まされます。この点は家庭用版が段違いで楽です。それにしても、10月に行われたベータ版をアンインストールしても表示され続けるのはなんとかなりませんかね?

 と、不満点を書いてみたものの、それを補って余り有りあるのが64人での対戦。32人チームで前線へ向けてワーッと出撃する様相は痺れるモノがあります。といっても、最初は乗り物の取り合いになるんだけどね。これは家庭用版の24人対戦では味わえない迫力があり、ゲームに対する印象も局所的な紛争と戦争くらいの差があると言っても差し支えはないと思う。いや、本当にスゲーんだって! 

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▲32人チームで大突撃をカマす興奮はPC版ならではのもの。

 ただ、その分色々と弊害もあります。例えば夜の11時前後からのコアタイムでのラグ。これはサーバーの回線というより恐らくスペックの問題になると思うのだけど、いきなりゴムる(ゲーム中に走っていると突然数瞬前の状態に戻される様子がゴムみたいなのでこう呼称してます)んですよ。こればかりはプレイヤー側がどうこうできない問題なのですが。家庭用版では一度も経験したことない現象なのだけど、なんとかならないかなぁ。

 お手軽さは家庭用版に軍配が上がるけど、ナンバリングタイトルとして見た『バトルフィールド』らしさはパソコン版に軍配が上がります。ただし、パソコン版は快適に遊ぶためにはグラフィックボードを購入したりOSもウィンドウズ7が必須だったりとお金がやたらかかってしまうのが難点。

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▲いつ、どこをいかに攻め/守るか。フィールドが広大なだけに、戦術とコミュニケーションが重要だ。

 対戦は楽しいです。コンクエストモードもラッシュモードも楽しい。戦闘スタイルは十人十色で個人個人のスタイルが如実に出るので人間観察をしているだけでも楽しめます。ただ、さすがにチーム内の半数以上が山頂でスナイプしているのを見たときは唖然としたけど(迫撃砲の餌食になっていて笑いましたが)。ゲームのバランスは居合わせたプレイヤーの技量にもよるし、評価しにくいかなぁ。あまり勝ち負けにこだわらず、戦争らしさを感じられるドンパチを楽しむ分には申し分ないと思います。

 結局、家庭用版とパソコン版どっちがいいのよ? という疑問も当然あるだろうけど、家庭用版もパソコン版も長短それぞれあるし、一緒に遊べる友達や環境に合わせてハードウェアを選択すると良いと思いますよ。僕は両方楽しんじゃってますが。

 最後に読者の方々にお願いです。敵のスポットは徹底しましょう。味方に敵の位置を知らせるだけでなく、自分がスポットした敵を味方が倒せばスポットボーナスが貰えます。ちょっとした小遣いレベルのポイントしか入らないけど、チームの勝敗も左右するので忘れずにやりましょう。また、分隊長になったプレイヤーは分隊内の味方に攻める拠点の指示も忘れずに! こちらもポイントが入るので徹底してもらえると嬉しいです。では、サーバーでもし出会うことがあれば宜しく! (スオミ松崎)

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▲本作ではジェット機が復活。立体的に攻めろ!

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