新生『FFXIV』に関する言及も多数

 スクウェア・エニックスがサービス中のPC向けソフト(プレイステーション3向けも開発中)『ファイナルファンタジーXIV 』のプロデューサー吉田直樹氏が、世界中のプレイヤーから寄せられる質問にリアルタイムで答えるYouTube Liveイベント“FFXIVプロデューサーレター LIVE(後編)”が2011年11月3日放送された。ここでは同イベントで明らかにされた情報をまとめてお届けしよう。詳細は追って公式サイトThe Lodestoneで公開されるのでそちらを参照してほしい。

■視聴者の質問に対する吉田氏の回答

・プレイヤーサーチ、マーケットサーチの改良(マーケットサーチから直接アイテムを購入可能)、購入履歴の閲覧などがパッチ1.20できるようになる。

・『バージョン2.0』(以下、新生)時にはキャラクターデータ、レベル、経験値、ギル、アチーブメント、クエストのフラグ、ヒストリーなど基本的にはすべてきっちり引き継がれる。ただし、開始後進行中のクエストの経過についてはロールバックされる可能性がないとはいえない。さらに、パッチ1.19で拡大したカバンの枠は、装備品を別にストックする機能を作るので、もとの100に戻る。あふれたアイテムについては、NPCにアイテムを預け、後にプレイヤーがそれを引き出すなどの仕様を検討中。実施が近くなったら仕様を公開する。

・パッケージを購入して一度でもサーバにキャラデータを残しているなら、課金をしているかどうかは関係なく、引き継ぐ。

・新生のエリアは2キロx2キロを最大として設計中。エリアチェンジの際のチャットも、エリアチェンジ後に途切れてしまわないよう対応する。

・キーボードのみでのプレイは新生後も可能。

・他のプレイヤーのバザーを見ると立ち止まるなどの仕様は、同じような挙動のものも含め、新生のタイミングですべてなくなる。

・新生後導入されるフリーカンパニーのハウジングでは、単純に屋内だけでなく、庭、外観などもカスタマイズできるようになる。タペストリーをかけたり、屋根を取り替えたり、塀を建てたり、オブジェクトを置いたり。庭には畑やチョコボの飼育小屋も。敵を倒してドロップしたアイテムをクラフターが加工することで剥製のようなものを飾れたりなど、新生以降のパッチで考えている。

・現在はキャラクター表示数の上限が40体。現在の推奨PCなら、新生後は劇的に表示数が増える。逆に表示数を減らすことで性能の下がったPCでも動くように。表示数はインゲームでコントロールできるようにしていく。

・新生時のキャラクターリメイクチャンスに関して、民族や部族の変更はあって良いと考えているが、性別変更は設計上問題ないが……。名前は、もし自由にリネームできるようにするなら、文字数を調整する可能性がある。どちらも簡単にこの場でイエスとは言えない。

・チョコボの装備品が描かれた決定稿のイラストを公開。甲冑を着たチョコボ。所属国によって角の形状などが違っていた。カンパニー内でのランクによってグレードアップしていくものと思われる。「チョコボをもらった経緯を考えて」と吉田氏。

・吉田氏の背後に青い王冠の未公開イラスト。ほかに吉田氏は赤い王冠や銀の王冠のイラストを公開。パッチ1.20で公開のアチーブメントシステムの報酬とのこと。さらにトナカイの着ぐるみについては「ご推察ください」と吉田氏。

・カジノは計画には入っているが、ハウジングの優先度が高いので、そのつぎの娯楽として考えている。各国の法律と照らしあわせながらになるので、けっこう先となる。カードゲームに関しては、非常に難しい。コストを掛ければ良いバランスのゲームが導入できると思うが、報酬とのバランスも考える必要があるので、とりあえずのものは導入しない。

・パッチ1.19で導入された蛮神イフリート戦のアイテムドロップ率については調整を検討中。目的のアイテムがなかなか入手できず、くり返しプレイしているプレイヤーに対しての救済策(例えば、挑戦回数が増えると入手率が上がるなど)も考えている。

・現行『FFXIV』から続けて新生をプレイするプレイヤーへの特別な付与としては、第七霊災に関するアチーブメントはそこまででしか取得できないし、予定されている帝国とのバトルコンテンツの報酬などもそう。かつ、パッチ1.19でマウントシステムが実装されたので、何か特別なマウントをひとつプレゼントできないか検討中。と言いながら、アーリマンやドレイクに乗っているモデルを公開。「愛らしいコレを」と、グーブーらしきシルエットのマウントをプレイヤーに特別な形でプレゼントできないかなと公開した。

 
 また、5分間の休憩時間には、先日公開されたコンセプトスクリーンショットの新UIの各パーツについて解説が行われた。

“FFXIVプロデューサーレター LIVE(後編)”で多数の新事実が判明!_01

・キャラクター名周辺の情報は、個別にオンオフが可能。町の中や、戦闘中などの場合分けまでできるようになる。

・キャラクター名の後ろの@以降は、所属するフリーカンパニー名。長い名前がつけられるが、略称も3~5文字のアルファベットでつけられる。

・下段の小さなアイコンが連なるバーは、消費アイテム。ドラッグ&ドロップでアクションバーに入れられる。たとえば×142とあるのは、ポーションを142個持っているということ。歯車の描かれたアイコンには、マクロが設定されている。

・画面右下隅の5×5のマトリックスは、所持アイテムの概要表示。ドットの色に意味をカスタマイズして持たせられる。左にひとつだけ飛び出た塊は、装備品を示し、消耗度を色で表している。

・現在マップを改修しているので、「新生から導入しようかと、テストを重ねています」とモデルが跳ねている(ジャンプ)動画を公開。泳ぎの実装は新生以降。海底神殿や水を使ったレイドダンジョンなども考えているが、呼吸をどう取り入れるかを検討中。

・レベルシンクも、ある程度時間が必要だが検討中。装備をどうやってスイッチするかを考えている。アーマリーシステムとの兼ね合いもあるが前向きに検討。

・頭防具と顔防具の同時装備は、新生以降もメモリの観点からきびしいが、将来的にはわからない。マントはどこで妥協できるかがポイントに。相当きびしい。両手持ちやウェポンスワップに関しては前向きに。二刀流を剣術士の亜流にするのか、スカウタークラスでステルスなどと併用させるのかを考えると、盗賊、シーフのようなクラスに装備させて、忍者ジョブとして入れたほうが良いと考えている。だが、いま実装の優先度が高いのはキャスターなのでその後の話。

・パッチ1.20のクラス改修で、いままでトークンと交換して覚えていたアクションはレベルアップで覚えるものとして移行中。貯まっていくトークンの使い途を現在協議中につき、パッチ1.20でトークンシステムを一時停止。どんなものと交換したいかをプレイヤーに尋ねる方向。

・チョコボにはジャンプをさせるなと吉田氏は開発に指示しているが、最終確定はしていない。泳がすのは相当難度が高い。泳げたとしても表面まで。潜れない。

・ヒーリングやMPヒーリングなどの効果がある装備は新生以降で可能に。

・たとえばカバンやリテイナーの預かる荷物の整頓や、マーケットの閲覧、導入を考えているオークションへのアクセス、そして最終的には、畑などを覗ける「スマートフォンでのアプリ」は、新生とは別タスク。新生後半年くらいしたところで何か出せれば。

・軍票の入手方法や入手量は、パッチ1.20で上位のキャラバン護衛、カンパニーリーヴなど方法を増やすことで解決する。

・新生では、プレイヤーが作成したUIのアドオンも入れられるように検討中。スキンを入れ替えたり、ヘイトの値をさらに細かく表示したり、かなり自由なカスタムが可能。スクリプトの書けるプレイヤーの皆さんが作ったものを、カスタムフォルダに入れると実行されるようなもの。PS3版については、開発チームが全力でアップデートしていく。

・モンスターを含むNPCの名前、新生以降は英字にも任意に設定できるようになる。

・クラフターやギャザラーの専用装備に関しては計画中。アチーブメント報酬として金のノコギリとスキレットのスクリーンショットが公開された

・ジョブは、シリーズになっているクエストをレベル30から受けることで取得できる。レベル30のクエストクリアでナイトになれ、あとはたとえばレベル5刻みで専用装備やアビリティを取得。ナイトのジョブにジョブチェンジすると、HPや防御力の値も変化し、さらに壁役として特化することから、モードチェンジというイメージで呼んでいる。

・フリートライアルは、新生開始と同時では考えていないが、それ以降は検討している。いわゆる業者やRMTなどのプレイヤーの不安については、初めからどう防ぐか考えている。

・クラスのセルフコンボなど、パッチ1.20のクラス改修の詳細は来週公開予定。特定のウェポンスキルを放ったあと、敵の横に回り込んで別のアクションがつながることでDoTがついたり、コンボにも派生があったり。槍術士なら、ヒットレートは低いがつながると大量のダメージを与えたり、弓術士なら、多段スキルやブラインドの効果、影縫いの効果などが付いたり。そのクラス専用のアクションでコンボを決めたときだけ発動するもの。

・幻術士が白魔道士に対応、呪術士が黒魔道士に対応している。

・クラフター製品のHQはそれ単体の性能では、バトルコンテンツのレアドロップ系アイテムの性能には及ばないが、マテリアクラフトを重ねがけすることで、性能は逆転できるようにバランスを取っている。のびしろや最終的な可能性という面ではクラフター製HQの方が上。

・コンセプトアートにあった白魔道士のフードの上げ下げは難しい。最終実装がこれからなので、検証中ではあるが。

・つぎの蛮神バトルの詳細として、帝国の飛空艇を壊すモーグリたちのムービーを紹介。モーグリにもクラスがあり、複数のモーグリをパーティで倒すチーム戦になるとのこと。

・パブリックダンジョンはなくなる方向。決まった人数で攻略するタイプのものは閉じていたほうが良いので、基本的にはインスタンス化されていく。パッチ1.19で公開された蛮族拠点をパブリックダンジョンと考えれば、要素は残していく。

・新生後に新規にプレイを始めたプレイヤーは、メインシナリオ、コンテンツ、インスタンスレイドなどに関しては、できるものはできるが、蛮神戦などは第七霊災の物語に組み込まれているものなので、いまのバランス、いまの報酬でのプレイはいましかできない。アチーブメントにもいましか取れないものがあり、ほかにひとつ、キャラクターのカラダにまつわるその時代を生きてきた証となる特徴的なリワードを考えている。インゲームでも冒険者の設定などが微妙に変わる可能性も。

・魔導アーマーのラフイラストを公開。導入は新生以降。準備は進めている。

・ハウジングはコミュニティのプライベートエリアだが、マイルームのような自分だけの空間は仕様を詰めている。3都市の冒険者ギルド内に宿屋があり、ほかのプレイヤーを呼べるか、リテイナーをどう呼び出すか、ログアウトボーナスをどうするかなどを企画中。

・竜騎士の相棒としてのワイバーンがつくのかについては、新生のタイミングのスキル追加で、竜騎士と竜が絡むイメージの技などは検討しているとしたうえで、「これは海外のインタビューでも答えたが、プレイヤーとしてはペットがいたら一緒に戦って欲しいと思うだろうし、そうなるとペット込みでバトルバランスを取らざるをえない。そのぶん竜騎士単体での戦闘力は弱くなるけれど、それでも良いですか。フィードバックを寄せて欲しい。」と吉田氏。

・レベルキャップの解放は、パッチ1.21までは一切予定がない。ゲームの横幅が広がるので基本的には考えていないが、それ以降は、新生がリリースされる前の残りの時間を逆算して慎重に決めていきたい。

 最後にスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏が登場。視聴者、プレイヤーへの謝辞を述べたあと、課金について言及。ひとりでも多くのプレイヤーに参加をしてほしいと、月額基本料金の若干のディスカウントを示唆。詳細が決まり次第あらためてお届けするという話が飛び出した。