会場には本物のレーシングカーも登場

 ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイ“Personal 3D Viewer”が、2011年11月11日に発売される。これに先駆けて、同商品を体験できるイベントが11月4日、5日の両日、東京・青山にあるRoyal Garden Cafe青山で開催中だ。

 イベントではPersonal 3D Viewerで、3種類の映像を観ることができる。店内ブースとテラスでは映画2012年6月30から上映される『アメイジング・スパイダーマン』の予告編と“元気ロケッツ”の音楽ライブを視聴可能。『アメイジング・スパイダーマン』は3D上映が決定しており、Personal 3D Viewerの実力を試すにはピッタリの内容で、主観視点でビルのあいだを飛び交う映像は、思わずのけぞってしまうほどの迫力だ。元気ロケッツのライブ映像は、煌びやかなエフェクトで3D効果を実感。また、Personal 3D Viewerには5.1chバーチャルサラウンドが搭載されているので、音の面においても大満足の内容となっていた。

ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイで『グランツーリスモ5』を体験_01
ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイで『グランツーリスモ5』を体験_03
ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイで『グランツーリスモ5』を体験_02

 そして今回の目玉となる出展が、本物のレーシングカーのコックピットに乗り込んでプレイするプレイステーション3用ソフト『グランツーリスモ5』。Personal 3D Viewerの45度の広視野角が実現するゲーム映像の没入感はテレビモニターとは段違いで、ハンドルを握る手にも思わず力が入る。ちなみに、車種はゲームにしか存在しない地上最速のレーシングカー“レッドブル X2010 S.Vettel”。3Dの立体映像で高速に流れていく景色を観ていると、風を感じたような気がするほどであった。また、メニュー画面に表示される各種テキストは細かいものまでくっきりと表示され、ストレスはない。

ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイで『グランツーリスモ5』を体験_04

 以上、Personal 3D Viewerで複数種の映像を体験したわけだが、個人的にもっともアリだな、と感じたのはやはり『グランツーリスモ5』。昨今、さまざまな3Dディスプレイが発売されているが、Personal 3D Viewerはヘッドマウントディスプレイの特性上周囲の景色が視界に入らず、映像にだけ集中することができる。そのような環境で、ゲームのようなインタラクティブコンテンツを楽しむと、もはやそれはバーチャルリアリティーの世界だ。なお、公式サイトによれば、Personal 3D Viewerの仮想画面サイズは750インチ相当。ただし、目の前に750インチのスクリーンがある、といった感じではなく、750インチを少し遠く離れたところから観ているという印象。劇場で言えば、真ん中よりも少し後ろの席といったところか。記者は過去に『KILLZONE 3(キルゾーン 3)』を劇場スクリーンで遊ぶ、というイベントを取材したことがあるのだが、今回のプレイ体験はそのときの雰囲気に通じるものがあった。

 おおむね満足できたPersonal 3D Viewerだが、若干気になる点もあった。ヘッドマウントディスプレイの性質上しかたないことなのだが、頭を傾けると画面も傾いてしまうのだ。記者はぐーたらな性質なので、自宅で映画やテレビを観る際は横に寝転がりながらがほとんどなのだが、そういった姿勢で使うのにはあまり向いていないのかもしれない。とは言え、同行したほかの記者は画面の傾きはあまり気にならないとも語っていたので、あくまで個人的な感想としておきたい。

ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイで『グランツーリスモ5』を体験_06
ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイで『グランツーリスモ5』を体験_05
ソニーの3D対応ヘッドマウントディスプレイで『グランツーリスモ5』を体験_07
▲Personal 3D Viewerの重量はケーブル類を除いた状態で約420グラム。なお、こちらの写真にはないが、本来は機械を頭に固定するためのコードが、付属している。

 なお、Personal 3D Viewerの体験イベントは、青山にある“JARDINS des FLEURS”、“UTRECHT”、“CAFE & DINING BAR LoiteR”という店舗でも実施されている。JARDINS des FLEURSでは2011年11月4日~11月13日まで、フラワーアーティスト東信氏のクリエイションを上映。UTRECHTではブックディレクターの江口宏氏が、同氏がセレクトした書籍と3Dコンテンツをかけ合わせて“水のない水族館”を創りだす。CAFE & DINING BAR LoiteRではアーティストの山尾光平氏の作品が3D映像に。また同氏がPersonal 3D Viewerを体験し触発されたテーマ“ANCIENT FUTURE<古代の未来>”もいっしょに楽しむことができる。