●『グランツーリスモ5』のレースイベントが六本木で開催

 2011年10月15日、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレイステーション3用ソフト『グランツーリスモ5』(以下、『GT5』)のレースイベントが、東京の六本木にあるメルセデス・ベンツ・コネクションにて開催された。

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 このイベントは、2011年9月5日の日本時間午後11時20分からスタートしたタイムトライアル。F1ドライバーのデビット・クルサードがイギリスの実在コース“TOP GEAR TEST TRACK”をSLS AMGで実際に走行することに合わせて、『GT5』上でも、同じ車種、コース、レギュレーションで走り、タイムを競うというもの。リアルとバーチャルで、世界のトップドライバーと同じ条件で世界中の『GT5』プレイヤーが戦えるという、夢のコラボレーションだ。

 タイムトライアルイベントは2011年10月1日の正午まで行われ、最終的に日本国内で10位までに入賞したプレイヤーが、2011年10月15日に六本木のメルセデス・ベンツ・コネクションに集結して、決勝戦を行った。ただ、当日のプレイヤーの都合等で、実際は上位7名の選手による実施となった。

 ちなみに、決勝進出者と招待客は、『グランツーリスモ』の開発メーカー、ポリフォニー・デジタルの東京スタジオ見学ツアーにも招待された。

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●熱いタイムアタックで早くも火花散る戦いに!

 まず、2011年10月18日から配信予定の新コース“スパ・フランコルシャン サーキット”を使った、15分間の予選タイムアタックがスタート。クルマはもちろんSLS AMGで、どの選手にとっても初めてのコースとなる。公平を期するためにタイムアタックを行う選手以外のプレイヤーは、別室で待機することになった。15分間という限られた時間の中では、だいたい4周ほどしか走れない計算になるが、いずれの選手もとくに大きくコースアウトすることなく、初走行となるサーキットを走り抜けていく。このあたりは、さすが国内トップクラスのプレイヤーたちといったところ。イベントに出席した『GT5』プロデューサーの山内一典氏も、その適応力の高さを賞賛。タイムが更新されるたびに観客からも拍手が起こるという熱い展開となった。その結果、ヤム氏、エルダー氏、torafugu(とらふぐ)氏がトップ3に並び、決勝に進出。決勝戦における予選結果は、以下の通り。

決勝戦 予選タイムトライアル結果
1位 ヤム氏2分28秒023
2位 エルダー氏2分29秒291
3位 torafugu(とらふぐ)氏名2分29秒693
4位 マサル氏2分33秒852
5位 みなみ氏2分34秒870
6位 ロバートニーゼロイチニー氏2分35秒506
7位 RB氏2分38秒096

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●ゼロコンマ数秒の闘いがくり広げられた決勝レース

 決勝は、上位3名による決勝レースを3戦行うというチャンピオンシップ形式で争われた。まず、1戦目となるデイトナ レースウェイでは、予選でただひとり、2分28秒台を叩き出したのヤム氏が順当勝ち。それにtorafugu(とらふぐ)氏とエルダー氏が続いた。2戦目のラグナ・セカ レースウェイでもヤム氏がトップでゴールし、この時点で、早くもヤム氏の優勝が確定。実力の高さを証明した。最終戦は、予選と同じくスパ・フランコルシャン サーキット。いずれの選手も走り込んだ量が同じだけに、ここでは3人とも終始団子状態で走り続けるという、スリリングなバトルが展開。1ミスが命取りになるという状況の中、それでも相手の走行ラインを1台分開けたり、ぶつかって抜いてしまったら相手を先行させるなど、ジェントルなレースがくり広げられた。このコースではtorafugu(とらふぐ)氏が1位を獲得。それにエルダー氏、ヤム氏が続く形となって、決勝戦は終了。最終的に、総合優勝はヤム氏、2位にtorafugu(とらふぐ)氏、3位にエルダー氏が並ぶ結果となった。ヤム氏には、2011年11月10日にメルセデス・ベンツ日本が鈴鹿サーキットで開催する予定の“AMG Driving Fascination”に招待され、プロドライバーによるドライビングレッスンを受講できる権利が授与。また、全選手に手作りのパネルが山内氏から贈られた。

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 イベント終了後、山内氏は取材陣に対して「国内でのこのようなイベントを、かねてからずっと行いたいと思っていたのですが、やっと実現できてうれしいです」とコメント。日本のプレイヤーのレベルについて尋ねられると「各国とのトップクラスとコンマ数秒くらいの違いしかなく、実力的にはまったく同レベルですね」と答えた。また、「今回のオンライン予選では、およそ20万人の参加者がありました。全世界で見ると約700万人のプレイヤーがいます。その中からの7名ですから、これは競技人口という観点から見て、精鋭中の精鋭になりますよね。事実、初めてのコースにもかかわらず非常にハイレベルな走りをみんな見せてくれて、イベントも盛り上がりました。僕も見ていてとても楽しめましたので、今後もこういった大会を、国内でも続けていきたいと思います」と締めくくった。

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