●オンラインゲームのヒットメーカーが放つ完全新作!

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 『ラグナロク』、そして“ガンホー”と聞くと、同名のオンラインRPGを思い出すゲームファンは少なくないだろう。そう、お察しの通り、本作はあのガンホー・オンライン・エンターテイメントが放つ作品なのだ! 本作の正式名称は『ラグナロク〜光と闇の皇女〜』(サブタイトルは“ひかりとやみのこうじょ”と読む)というタイトルで、内容はシミュレーションRPG形式になっている。つまり、オンラインの『ラグナロク』とは別の、完全新作というわけ。つまり、オンラインゲームのことを知らなくてもまったく問題ナシ!

 そしてなんと、9月29日から本作の無料体験版“The First Ending版”がラグヒカ公式サイトでダウンロード配信されている。本作には3つの勢力が存在するのだが、驚くべきことに、この“The First Ending版”では、そのうちひとつの勢力をエンディングまで遊べてしまうのだ! 「どうせ短時間で終わるシナリオなんだろ?」と勘ぐる人もいるかもしれないが、そんなことはない。参考までに、筆者はクリアーまでに16時間12分を要した。筆者の遊びかたが平均的なものかと問われると、そうとは言い切れないし、これが長いと感じるか短いと感じるかは、個人の感覚の問題になるのだろうけど……。
 ちなみにこの“無料でエンディングまで遊べる”という試みは、PSPで初の試みでもあるらしい。とは言っても、“けっきょくは内容次第だろ?”という人もいると思うので、ネタバレしない程度にプレイリポートをお届けしようと思う。これを読んだ人が、本作に少しでも興味を持ってもらえればうれしい。

●3つの勢力と人々たち

 舞台となるグランツリッター半島には、3つの勢力が存在する。各勢力のおもな概要は以下の通り。このうち、連合国家アウラとブランシャルド皇国は何年にもわたって戦争をくり返していた。

・連合国家アウラ
ブランシャルド皇国の襲来に対抗すべく、先住民族が集まってできた連合国家。各民族から選出された評議長が代表を務める。現評議長はジルドという人物。

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アウラ編の物語はユーリというキャラクターを中心に描かれる。彼は国家に対する忠誠心の高い軍人だ。

・ブランシャルド皇国
海を越えて侵攻してきた民族が興した国で、グランツリッター半島の東部を統治する。代々王家の血を引く者が国を治めている。

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勝気なお嬢様シンシアや、傭兵のガストンが物語の中心人物。国どうしの対立に巻き込まれていく。

・トレーネ義勇団
元傭兵のトレーネが率いており、おもに賊の討伐や魔物退治を生業としている。ほかの2勢力とは敵対、協力関係のどちらもない

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ちなみに主人公は、トレーネの弟子という設定。物語を進めると、トレーネのほかにフィオナという少女も仲間に加わる。

 ゲームは1話〜3話までは共通のルートとなり、4話以降から勢力を選んで進むことになる。先に述べた通り、“The First Ending版”では3つの勢力のうちのひとつ“トレーネ義勇団”のルートを選べるのだ。アウラとブランシャルド、ふたつの国が対立しているなか、どちらにも属さないトレーネ義勇団もまた、戦火の渦中に巻き込まれていく。彼らにどのような運命が待ち受けているかは、実際にプレイしてその目で確かめてほしい。

●シンプルながら奥深いバトルシステム

 バトルでは、ステータスのスピードが早いユニットから行動できる。各ユニットを操作してステージのマスを移動し、敵を攻撃したりスキルを使ったりといった、オーソドックスなスタイル。移動する前に行動することも可能だ。
 なお、スキルは職業によって異なる。職業のレベルが上がると新しいスキルを覚えていくので、いろいろな職業のキャラクターを育てるという楽しみもある。そしてバトルで役立つのが、下記で紹介する、バーストストライクとオーバードライブというふたつのシステムだ。

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複数の敵を攻撃できるうえ、攻撃に参加した仲間全員が経験値を入手できるのがバーストストライクの特徴だ。

・バーストストライク
“BS範囲”という特定の範囲内にいる味方と協力して、同範囲内にいる敵を攻撃するのがバーストストライクだ。同じ仲間と戦闘を重ねるうちに、発動できる回数が増えていく。

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戦闘中に溜まっていくオーバードライブゲージを消費することで、オーバードライブを発動させられる。

・オーバードライブ
1ターン中に連続でスキルを発動できるコマンド。特定の職業やスキルを組み合わせることで、通常よりも効果の高い“ボーナススキル”が発生することもあるぞ。

バーストストライクは範囲内にいる仲間全員が経験値を得られるため、育てたいユニットを範囲内に入れれば、グングン育てられる。途中で仲間になったキャラクターのレベル上げもスムーズに行えるのだ。攻撃力も高いので、プレイ中に本当に頼りになる! 一方のオーバードライブは、強力なスキルを連続して発動させられるだけでも強いが、ボーナススキルを探すのも楽しみのひとつ。自力で組み合わせを見つけるのはかなり難しいが、街で人々と会話をすると、ボーナススキルを発動させるためのヒントを教えてくれることがある。これらのシステムは、キャラクターのレベルが上がったり、使用回数を重ねるほど使いやすくなるので、序盤から積極的に使うのがオススメ。

●安全に敵を倒すためのアドバイス

 基本的に、こちらから敵の攻撃範囲内に入らない限り近付いてこないので、1体ずつおびき出して、集中攻撃で倒していく戦法が有効。筆者が中盤以降によく使った戦術が、スナイパーの“チャージアロー”など、攻撃範囲の広いスキルで敵をおびき出す方法。敵が近接攻撃しかない職業なら攻撃範囲に入ることなくダメージを与えられるので、非常に安全。万一、反撃されたとしても、複数の敵から攻撃されるケースはまずないため、倒される心配が少ない。これである程度ダメージを与えたら、バーストストライクで一気にトドメを指す。バーストストライクで倒せば経験値が1体のユニットに集中しないので、パーティーを満遍なくレベルアップできるという寸法だ。

●多彩な職業でパーティー編成の自由度は無限大

固有キャラクター以外のキャラクターは、街にあるリルテの酒場で雇えるのだが、主人公を含め、彼らの容姿や職業もプレイヤーが自由に選択可能だ。しかも、本作には個性豊かな14種類の職業が用意されているため、組み合わせ次第で自分だけのパーティーが編成できるのだ(※“The First Ending版”では、14種類中4種類が選択不可)。
 ギルドに行けば、いつでもほかの職業に“転職”できる。マップや敵によっては、遠距離攻撃や回復役が多いほうが楽に進めることがあるので、行き詰ったときはパーティを組み直してみるのもアリだろう。ちなみに、各話の合間にはフリーバトルにも挑戦できる。自分も途中でちょっと敵のレベルが強いと感じたので(というか、圧倒的にレベルを上げて楽にストーリーを進めたいという性格の影響も強いと思われる)、フリーバトルでレベル上げをしてみた。フリーバトルに勝つとお金やアイテムも手に入るので、装備品も揃えられて一石二鳥だ。ちなみに、“The First Ending版”にはレベル制限がないので、最大レベルまでユニットを育てられるぞ。

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キャラクター作成画面。名前や職業、性別のほか、髪型、髪の色、ボイスなどを設定できる。

装備品は、武器、頭装備、体装備のほか、ステータスアップや特殊な効果を持つカードを装備できる。カードは敵を倒したときに入手できることがあるぞ。

●とにかく“The First Ending版”を遊んでみればわかる!

 “The First Ending版”では、これまでに紹介してきたすべての要素が盛り込まれている。一見すると複雑そうに見えるかもしれないが、実際に遊んでもらえれば、そのシンプルさは多くのゲームファンから親しみの持てるものだと思う。
 付け加えておくと、“The First Ending版”のプレイデータは、製品版への引き継ぎが可能。大事に育てたキャラクターがムダにはならないというわけだ。また。アイテム交換などの通信機能も、一部の機能を除いて利用可能だ。
 最後に製品版の情報もまとめておこう。製品版ではトレーネ義勇団以外のストーリーも楽しめる。アウラやブランシャルドの視点から物語を体験することによって、本作の世界により深く没入できるだろう。1話単位でシナリオを選べるので、ストーリーの気になる部分だけをプレイできるぞ。また、街にいる人と話すことでサブシナリオが発生する。サブシナリオをプレイすることでしか仲間にならないキャラクターもいるらしい。多彩な楽しみを備えた『ラグナロク〜光と闇の皇女〜』。ラグヒカ公式サイトを訪れれば、本作をいますぐに無料で遊べるということを覚えておいてほしい。

■筆者紹介 ジャスト野島
週刊ファミ通編集部所属。周囲の編集者から野球ゲームばかり遊んでいると思われている野球好き編集者。しかしその実態は、いろいろなジャンルのゲームを広く浅くプレイする雑食野球好きゲーマー。シミュレーションゲームは野球ゲームのつぎくらいによく遊ぶ。

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