●新しいハードと同時発売と言えば、やはり『リッジ』!

 バンダイナムコゲームスのレースゲームの金字塔『リッジレーサー』シリーズ最新作がPlayStation Vita本体と同時の2011年12月17日に発売される。

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 ゲーム機を手にしたときから、そのポテンシャルを引き出した映像の美麗さとサウンドの迫力に酔いしれながら、世界中のプレイヤーたちとの対戦に興奮し、目もくらむような猛スピードで飛び込んだコーナーを一気に滑りきったスリルと爽快さを味わうことができる――それが、PlayStation Vita版『リッジレーサー(仮題)』だ。

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「有機ELディスプレイと描画プロセッサの性能を活かした、色鮮やかでコントラストが効いたきらめく光のグラフィックス」
「レース状況に応じて細やかに変化する迫力のリッジサウンド」
「自分好みにセッティングできる新ドリフトシステム」
「PlayStation Vitaのさまざまなネットワーク機能(3G・Wi-Fi・near)を活用した、世界中のユーザーと対戦する新システム」

 などなど、リリースにある文面を読むだけでもワクワクしてしまう。PlayStation Vita版『リッジレーサー(仮題)』がどのような内容になるのか、続報にご期待を。

 さて、本作のイメージコンセプトになっているクルマ“SYNCi(シンキ)”は、エコの要素を取り入れつつも、レーシングマシンとしてのかっこよさと性能を両立させた新時代のスーパーカーだ。以下、PlayStation Vita版『リッジレーサー(仮題)』の根幹のイメージを担う担うマシン、“SYNCi(シンキ)”の概要をお伝えしよう。

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■プロフィール KAMATA SYNCi (カマタ シンキ)
 カマタ社の次世代プラットフォームとして開発された、ハイブリッドエンジン搭載のスーパースポーツ、それが“SYNCi(シンキ)”である。車名の“シンキ”には、“神の器”、”新しい器”といった開発者の思いがこめられているという。
その名にふさわしく、“SYNCi”には先進的なシステムが惜しげもなく搭載されている。
カマタ社が新たに開発した“SYNC-iシステム”(各種センサーによりドライバーのストレス状況や感情とシンクロして運転をサポートするシステム)を中心として、カマタが構想する“インテリジェントでスマートな≪おもてなしする移動体≫”ビジョンを体現している。
今回の『リッジレーサー』に登場するのは、この“SYNCi”をベースに作り上げられたレース専用のスペシャルバージョンである。ラグジュアリーなシステムをそぎ落とし、スピードとドリフトのために研ぎ澄まされたこの新たなマシンを、ぜひ世界のリッジレーサー達は手に入れてほしい。

 ■アートディレクター 渡来慎氏(セリウス)コメント

 “SYNCi”という今回の新主役マシンのコンセプトは、デザイン上のキーワードである“プラネット”を基にしています。我々にもっとも身近な“プラネット”=地球をイメージして、ブルーを主体にしたカラーリングや、エコロジー、ハイブリッドというコンセプトが生まれました。実際にデザインしていくにあたっては、こうして生み出された“ハイブリッドでニトロ搭載でレーシング”という『リッジレーサー』らしい設定のおもしろさをベースに、エコロジーな感覚とスピードの快感が両立する、5年先10年先のデザインを目指しました。レーシングマシンならではの空気を切り裂くような流れるラインを基本に、フロントのデザインでは正義感を持たせつつ、リアではガソリンエンジンの獰猛さを感じさせるという“二面性”が、デザイン上のポイントです。

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“アルプス山岳コース”。高原ならではの澄み切った空気を感じさせる、青空と緑とが眩しいアルプスコース。PS Vitaの有機ELディスプレイの特性を生かしたあざやかな光と色彩が、リッジレーサーならではの超ハイスピードドライビングとともに楽しめる。

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▲“港湾の夜景コース”。リッジシリーズならではの夜景が美しいコース。インダストリアルな港湾から洗練された市街地まで、めくるめくシチュエーションの中をドリフト全開でかけぬけろ。

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▲“リゾート都市コース”。熱い日差しが照りかえすリゾート・シティをモチーフとしたコース。ビル街と輝く太陽、そしてヤシの木の影……シリーズを象徴するあの景色が、高コントラスト比を特徴とするPS Vitaの有機ELディスプレイでさらに気持ちよいコースになった。

 そして最後に、PlayStation Vita版『リッジレーサー(仮題)』のディレクターを担当する、セリウスの寺本秀雄氏の、PlayStation Vitaに対するアツい思いの伝わるコメントを紹介しよう。

■PS Vitaについて セリウス 寺本秀雄氏

 僕はいままで「リッジレーサー」というタイトルを通して、プレイステーション2、PSP、Xbox 360、プレイステーション3のローンチ開発に携わってきました。
 このローンチ開発というのは、未知のハードと対話していくことに独特のおもしろさがあります。ハードメーカーの方々と会話したり、資料を読んだり、実際に開発機にさわっていきながら、このハードって何だろう? このハードはどういう世界を作りたいんだろう? そこで僕らは何ができるだろう? って考え、探り、理解していくおもしろさがあります。
 中でも、ハードの“名前”は重要なカギのひとつです。

 ご存じのとおり、PS Vitaは以前“NGP”と呼ばれていました。
 正直にいって、当時の僕は、まだその名前にはピンときていませんでした。NEXT GENERATION PORTABLE=次世代のポータブル。意味はわかるけれども、そこに強い思いは感じられなかった。

 けれど、今年のE3のカンファレンスで発表された正式名称は“NGP”でも、それこそ“PSP2”でもなく、“PS Vita”でした。SCEの平井さんからもVitaは“人生”という意味だ、という説明がありました。
 VitaにかけるSCEの、開発者の思いを感じ、おもしろいと思いました。

 ここからは僕の妄想ですが、PS Vitaって、プレイヤーの人生に関わろうとする初めてのハードだと思います。ゲーム機でありながら、その人の人生の時間、生活、友達関係に溶け込んでくるようなハードなんじゃないか。
そう考えると、PS Vitaに搭載されたさまざまな機能の意味が、有機的につながってくるんです。


 たとえば、通信機能について。いままでのゲームの通信…通信対戦とか、ランキングとかって、基本的に同じソフトを持って同じゲームをプレイしている人どうしが通信するっていう意味でした。PS Vitaは、こうした従来のゲーム内通信ができるだけでなく、個別のタイトルを越えた共有もできちゃうハードなんですよね。
 もちろん、いままでのハードでも、インターネットでランキングが公開されたり、トロフィー情報がFacebookに連携したりっていう取組はあったわけですけど、PS Vitaでは本体機能の“Near”を通じて、それがほぼリアルタイムにいつでもどこでも、まわりにいるほかのプレイヤーが何を遊んでいるのかがわかるわけです。周囲のプレイヤーの存在を感じながらいっしょに個別のタイトルを越えて、大きな意味でみんなで“ゲームを遊ぶ”。そんな楽しさを提供してくれるんじゃないかって思いました。

 また、PS Vitaで一番目立つ特徴である“有機ELパネル”は、その色彩の美しさだけでなく、視野角の広さが特徴です。この視野角が広いということは、たとえば机の上にVitaを置いたとき、周りにあつまったみんなで同じ画面同じ美しさをいっしょに楽しめるっていう意味です。
 すでに僕らも開発チームの会議で体験していますが、Vitaひとつをぐるっと5〜6人で囲んで話ができるんです。しかも携帯機だから、いつでもどこでも、それこそ友だちと集まった飲み屋のテーブルでも、いっしょに楽しむことができます。極端にいえば、ゲームを持ってない人、PS Vitaを持ってない人とも、ゲームが楽しめちゃうハードなんですよね。

 そしてPS Vitaには、ゲーム以外にも、TwitterやFacebookを楽しんだり、動画をみたり、さまざまな機能があります。これは単に“多機能だ”というだけでなく、プレイヤーひとりひとりの人生にいつでもどこでもいっしょにいられて、いろんな“やりたいこと”に応えられる懐の深さだと思うんですよね。多機能だからこそ、いつでもいっしょにいられる。

 NGPでもPSP2でもなく、“Vita”という名前の新ハードは、いままでのように1が10になったり100になったりするような数直線上の進化ではなく、みんなの人生に溶け込む、みんなの生活の中にゲームを置きなおす、そんな質的な変化を目指したハードだと僕は考えています。
 僕はそんなPS Vitaが作り出すゲームの世界に、すごくわくわくしています。