●“メタルファミリー”によるゲストステージ!

 2011年9月15日より開催中の東京ゲームショウ2011。KONAMIブース内の特設ステージでは、小島プロダクション(以下、コジプロ)による“Kojima Productions SPECIAL STAGE”を連日開催。4日間で計5回のステージが行われた。
 ラストの5回目のステージでは、『メタルギア ソリッド』シリーズに出演している豪華声優陣を迎えてのゲストステージが行われた。この日のために駆け付けた声優陣は、おなじみスネーク役の大塚明夫さんを始め、『ピースウォーカー』でカズヒラ・ミラー役を務めた杉田智和さん、小島作品には欠かすことのできない井上喜久子さん、そして連日イベントのMCを務めた菊地由美さんの4人。

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 まずは、出演者全員に『メタルギア ソリッド』シリーズへの想いや、印象に残っているセリフ、シーンなどについて聞いていった。

 大塚明夫さんは、「最初の『メタルギア ソリッド』の台本をもらったときに、あまりの膨大な量に息が止まりそうになった(笑)。声を作って演じていてはとても保たないと思ったので、いちばん楽に出せる声で演じることにした。」と、スネークの役作りについて振り返った。印象に残っている出来事については、『メタルギア ソリッド 4』で大塚明夫さんがモーションを演じて、その声を父親である大塚周夫さんが担当するという、珍しい共演のエピソードを披露した。続いて、印象的なセリフについて聞かれると、あまりに多すぎて困っている様子。そこに、小島監督が耳打ちをしてアドバイスするシーンも。その後、『メタルギア ソリッド 2』の「無限バンダナだ」という知る人ぞ知るユニークなセリフが飛び出し、会場は沸いていた。

 杉田智和さんは、子どものから小島作品をプレイしており、「子ども心の中で大人の世界を見せてくれる作品」と語った。ミラー役のオファーが来たときは、「最初は信じられなかった」とコメント。自身の小島作品に対する“好き”という気持ちがジャマにならないように、そしてスネークを操作するプレイヤーにとって身近な存在になれるように心掛けたという。

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 井上喜久子さんは、ザ・ボスの絵を最初に見たときの衝撃について語り、「私がこのキャラクターを演じていいのかな……」という、喜びと戸惑いが入り交じった気持ちになったことを明かした。『メタルギア ソリッド』シリーズだけでなく、『スナッチャー』や『ポリスノーツ』など、小島作品に多数出演している井上さんは、「いろいろな役に挑戦させてもらったが、どの役も自分の想いが詰まっている宝物のようなもの」と話し、「小島作品に関わらせてもらっていることが勲章」と続けた。

 菊地由美さんは、『メタルギア ソリッド 3』ではポスタービジュアルとして登場、その後『メタルギア ソリッド 4』ではビューティー&ビースト部隊のレイジング・レイヴン役、そして『ピースウォーカー』ではストレンジラブ役と、自身の出演作を振り返り、小島作品への熱い想いを語った。また、秘話としては、『メタルギア ソリッド 3』のモーションキャプチャーのオーディションを、ザ・ボス役とエヴァ役で受けていたことを明かした。小島監督は当時を回想し、「由美ちゃんはほふく前進が横向きで変だった
(笑)」と話すと、菊地さんは照れ笑いしていた。

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 声優陣のコメントを受け、小島監督は「絵やモーションはデジタルで作り出せるが、声だけはデジタルでは作れない」と、声優陣に対する敬意の気持ちを語った。

●Twitter連動企画で名セリフが連発!

 続いては、メタルギア“MY BEST”メモリーズというコーナーへ。コジプロがTwitterで募集していた『メタルギア』にまつわるエピソードを披露するというもの。ファンから寄せられた印象に残ったセリフは、その場で実際に声優陣が演じるなど、贅沢な時間となった。

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●須田剛一さんが登場!

 イベントの最後は、ゲストにグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一さんを加え、SUDA51'S SDATCHER(以下、スダッチャー)のコーナーへ。スダッチャーとは、小島監督が制作したアドベンチャーゲーム『スナッチャー』にインスパイアされた須田剛一氏が手掛ける、オリジナルラジオドラマ(※タイトルは、『スナッチャー』と"須田"をもじったもの)。スダッチャーは3年越しのプロジェクトで、ストーリーは『スナッチャー』の冒頭で殺害されてしまうジャン・ジャック・ギブソンにスポットを当てた前日談となる。

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 須田さんに続いて、メインイラストを手掛けたヨシオカサトシさんが登場。ヨシオカさんはかつてKONAMIに所属し、小島監督のもとで『スナッチャー』や『ポリスノーツ』の制作に携わっていた。PCエンジン版『スナッチャー』のメインイラストは氏によるもの。

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 ラジオドラマという形態について小島監督は、「世界中の映像がデジタルで見られる時代。音だけでも物語を感じたり、匂いや温度、それ以上のものが出てくる体験をしてほしかった」と語った。

 続いて、スダッチャーに出演する豪華キャストの紹介。詳細は以下の通り。

ジャン・ジャック・ギブソン:大塚明夫
リサ・ニールセン:菊地由美
アニス・ギブスン:井上喜久子
???(まだヒミツ):杉田智和
リトルジョン:小島秀夫
???(まだヒミツ):須田剛一

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 キャスト陣を紹介していると、お笑いコンビのアメリカザリガニの柳原哲也さんが乱入(?)し、スティーボという役で登場していることが判明。柳原さんは、「大塚芳忠さんと子安武人さんに挟まれての収録で、M-1グランプリよりも緊張した」と語った。

 スダッチャーは全7話中、現在ACT2まで配信中。最新のエピソードとなるACT3が2011年9月30日配信予定。さらに、CD化も発表され、2011年12月14日にサントラ付きで発売される。価格は3500円[税込]。

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 イベントの締めくくりとして小島監督は「スネークのセリフにもあったが、過去を語ることと、未来を創ることはいっしょ。いまを生きる人には過去も未来も必要です。両方見ながら、ともに21世紀を生きていきましょう」とメッセージを送った。