●期待の11タイトルが受賞!

 2010年9月15日〜9月18日まで、千葉県の幕張メッセにて開催中の“東京ゲームショウ2011”。最終日となる9月18日には、全出展タイトルの総決算とも言える“日本ゲーム大賞 2011 フューチャー部門”の発表授賞式が開催された。日本ゲーム大賞 2011 フューチャー部門は、東京ゲームショウ2011にて発表、出展された未発売作品の中から、とくにユーザーからの支持、期待度が高いタイトルを選ぶ企画。一般公開日となる9月17、18日の2日間に来場者投票を実施し、その後日本ゲーム大賞選考委員の審査を経て、受賞作品を決定する。今年は全出展タイトルの中から206作品(1票でも投票があった作品)が選出され、その中から11タイトルがフューチャー賞に輝いた。

 ちなみに、フューチャー部門の受賞タイトルは例年10タイトルだったが、今年は1作品が特別賞として追加されている。詳細は後述するが、KONAMIのソーシャルゲーム『ドラゴンコレクション』が特別賞を獲得した。以下、受賞した作品を発表順に紹介していこう。

01

アスラズラース(カプコン)
機種:プレイステーション3、Xbox 360
発売予定日:2012年

カプコンとサイバーコネクトツーがタッグを組んで贈るアクション大作。圧倒的なスケールと世界観、独創的な演出、ストーリー性がユーザーの期待を集めて今回の受賞となった。カプコンの土屋和弘プロデューサーは「サイバーコネクトツーさんと“いまできる最高のチャレンジをやりきりましょう”と、声に出して二人三脚でやってきました。そのような思いを込めたが作品なので、こうやって登壇できることを誇りに思います」と喜びのコメント。サイバーコネクトツーの松山洋氏からは「我々とカプコンがやるのならば、日本だけでなく世界中のゲームファンの度肝を抜けるような作品にしようじゃないか、という思いで作ってきました。アスラのようにボロボロになりながら、来年早い段階に発売できればと思います」と発売時期に関する発言も。

02

英雄伝説 碧の軌跡(日本ファルコム)
機種:PSP
発売予定日:2011年9月29日

前作ファンからの大きな期待に、丁寧な作り込みで応えていたことが選考理由に。登壇した中原嘉伸氏は「皆様からの投票を感謝しております。期待に答えられる作品に仕上がっていると思いますので、ぜひ応援をよろしくお願いします」と感謝の言葉を述べるとともに、「前作で残された謎がすべて解き明かされる、軌跡シリーズ最高のクライマックスを迎えます」と作品をアピールしていた。また、今後のシリーズ展開については「『軌跡』シリーズは続く……続けたいと思います!」とコメント。

03

機動戦士ガンダム エクストリームバーサス(バンダイナムコゲームス)
機種:プレイステーション3
発売予定日:2011年12月1日

アーケード人気の対戦アクションの移植作。後藤能孝プロデューサーは「『機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.』 以来の受賞で本当にひさしぶりで開発する励みになります」と受賞のコメント。「アーケードからの移植だけでなく、ひとり用、ネット通信対戦がきっちりできる『VS.』シリーズを世に送り出していきたいと思います」と意気込みを語った。また、まだ明かしていない追加機体があることも明らかにしてた。

04

ドラゴンズドグマ(カプコン)
機種:プレイステーション3、Xbox 360
発売予定日:2012年初頭

ファンタジーの世界を舞台に広大なフィールドを冒険する和製オープンワールドアクションとして評価を得た。伊津野英昭ディレクターは「完全な新規タイトルなので、正直どうかなと思ったのですが、もらえてうれしいです。僕が中学生のころから思い描いていた夢のゲームができあがりそうなので、楽しみに待ってもらえればと思います!」と挨拶。小林裕幸プロデューサーは、「僕にとって過去最大の人数で作っている作品。日本発でこれだけ大きいオープンワールドゲームはないので、ぜひよろしくお願いします」とコメントした。

05

バイナリードメイン(セガ)
機種:プレイステーション3、Xbox 360
発売予定日:2012年2月16日

ほぼ毎年のように『龍が如く』シリーズでフューチャー部門を受賞していた名越稔洋監督だが、今年は龍が如くスタジオ第1弾タイトルにして、完全新規作の『バイナリードメイン』でフューチャー部門に輝く。「本当に、めちゃくちゃうれしいです! 『龍が如く』でずっと壇上に上がってきましたが、今回は新規タイトルとうこともあり格別なものがあります」と喜びをあらわにした。

06

バトルフィールド3(エレクトロニック・アーツ)
機種:プレイステーション3、Xbox 360、PC
発売予定日:2011年11月2日

リアル感溢れるグラフィック、ダイナミックなサウンドで世界最高峰のミリタリーFPSと称される『バトルフィールド3』。登壇したエレクトロニック・アーツジャパンの代表取締役のロバート・キム氏は、日本での発売に際して、英語音声日本語字幕のほかに日本語吹き替えも収録していることを説明し、今後日本でもより広く海外ゲームが受け入れられるようになるだろうといった旨の展望を語った。

07

ファイナルファンタジーXIII-2(スクウェア・エニックス)
機種:プレイステーション3、Xbox 360
発売予定日:2011年12月15日

スクウェア・エニックスの橋本真司が登壇し「この暑い中、会場に来られたユーザーの皆様が投票してくだったということで、本当にありがとうございます」感謝の言葉を述べた。「かつてない種類のエンディングを用意し、新たな要素としては100種類以上のモンスターを仲間にできたりします。また、時をかける旅の物語が今回大きな柱になっています」と作品の見どころを語った。

08

ファイナルファンタジー零式(スクウェア・エニックス)
機種:PSP
発売予定日:2011年10月27日
橋本氏がこの日2度目の登壇。『ファイナルファンタジー』シリーズとして新たな世界観、システムに挑戦したことに加えて、豪華な声優陣もユーザーの注目を集めたようだ。「どうやったら携帯ゲーム機で『FF』の世界観を伝えられるのか? という思いで作ってきて、ようやく形になりました。携帯ゲーム機の枠を超えた、圧倒的なスケール感でお届けします」と完成を報告した。

09

ファンタシースターオンライン2(セガ)
機種:PC
発売予定日:2011年

オンラインRPGとしてのアクション性の高さが評価され、フューチャー賞に輝いた。ちなみに前作でも受賞しており、開発プロデューサーの酒井智史氏は「10年ぶりのフューチャー賞ということで、新しいファンタシースターオンラインの形を皆様に評価いただけたことに感謝しています」とコメント。「無限の冒険、オンラインRPG最高のアクション、キャラクタークリエイ卜という3つの革命」を掲げて開発を行っていると語った。

10

モンスターハンター3(トライ)G(カプコン)
機種:ニンテンドー3DS
発売予定日:2011年12月10日

“来場者投票で圧倒的な支持を得た”というシンプルな理由でフューチャー賞を獲得。ディレクターの藤岡要氏は「ニンテンドー3DSという新しいハードで『モンスターハンター』を作らなければいけないということでしたが、“G”という冠に恥じないものにしようという意気込みでやっています。実際に触っていただいた方に評価をいただき、本当にありがとうございました」とユーザーに感謝の言葉を述べる。辻本良三プロデューサーはタッチスクリーンを使ったニンテンドー3DSならではの操作をアピールしていた。

11

ドラゴンコレクション(KONAMI)
機種:imode、EZweb、ソフトバンク、iPhone、iPod touch、Android
サービス中

フューチャー部門の11作品目は、特別賞として『ドラゴンコレクション』に輝いた。選考委員を務めるエンターブレインの浜村弘一は特別賞を設けた目的について、「発売から1年以上経っているので、“おやっ?”と思う人もいると思います。しかし、ソーシャルゲームの特性上、未発売の作品を選ぶのは難しいです。完成したらすぐにリリースされますし、ユーザーのニーズに合わせて内容も変わっていきますから。一方で、作ってからどんどん変わっていくということは、どれを選んでもルーキーになるのでは? と考えました。今回の東京ゲームショウにはソーシャルゲームを見に来ている人もたくさんいたので、選ばないことはできません」と説明した。