●プレイヤーの探究心や工夫がより大切に!

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 2011年9月15日から開催された東京ゲームショウ2011。同イべントのスクウェア・エニックスブースで出展された『ファイナルファンタジーXIII-2』のプレイリポートをお届け。

 東京ゲームショウバージョンでプレイできたのは、ビルジ遺跡を探索するエピソード2。15分ほどの試遊だが内容が濃く、最後のボス戦まで行けた人はごくわずかのようだった。何度かプレイし、クリアーまで到達したので、数回のプレイ内容をまとめつつインプレッションをお届けしていこう。
 遺跡を調査する人々が集う居住区では、多くの兵士や研究者たちが行き交い、活気に満ちた様子がうかがえる。本作では、モーグリのポンポンが光ったときにRボタンを押すと、モーグリが宝箱を見付けてくれるのだが、人通りが多い場所でコレをやると……ものすごい人だかりが! 口々に「さっきまでなかったよな?」と、突如現れた宝箱の存在を不思議がっている。また、NPC同士、あるいはセラとNPCが会話をするそぶりを見せたり、おもむろに階段に腰掛けたりと、それぞれのキャラクターが、そこで生活しているかのような動きを見せていた。
 ひと通り探索を終えて、遺跡に向かうと、さっそく敵とエンカウント。前作では、敵が最初からフィールドに配置されており、そのシンボルとエンカウントすることでバトルに突入した。『FFXIII-2』では、ほとんどの敵が最初は見えない。“モーグリクロック”というシステムによって、始めて敵の存在を察知できる。まず、敵が出現すると、羅針盤のようなゲージが出現。ゲージは緑色と黄色の部分に分かれており、時間の経過で針が緑→黄へと移動していく。敵の出現後は、○ボタンでくり出す攻撃がヒットすれば、こちらがヘイストなどで強化された状態でバトルが始まる。ゲージが緑色のあいだは敵が動かないため、有利にエンカウントするチャンスだ。この新たなエンカウントシステムにより、いかに敵の位置を素早く把握できるか、そして攻撃をヒットさせられるかが、バトルの勝敗、そしてリザルトでの成績を大きく左右することになる。もちろん、敵は前方だけでなく、背後に出現することもあるし、状況によってはゲージの緑色の部分が少なく、すぐに黄色に突入して敵が動き出してしまうことも。なお、エンカウントしたくない場合は、サッサと距離を取れば逃げることもできる。前作では、狭い通路などに敵がいて、なかなか避けられない場合があったが、本作では状況判断さえ間違えなければ、逃げることは容易に思えた。
 また、バトルでは、“パラダイム”(前作のオプティマ)ごとに仲間のモンスターが異なり、ハバネロ、チョコボ、ケット・シーの3体を切り換えながら戦えた。それぞれ、ブラスター、アタッカー、ヒーラーのロールで、戦い方も個性的。打ち上げた敵をチョコボが飛んで追いかけ、足でキックしている様子は感動モノ。チョコボがここまで懸命に、いっしょに戦ってくれるなんて! モンスターたちの必殺技も個性的で、“百烈拳”、“クエッ”、“ネコぱんち”といった攻撃技が見られた。それぞれモーションや鳴き声(?)も凝っていて、愛着が湧きそうだ。

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 遺跡を進んでいくと、警備中の兵士たちからあるアイテムの回収や、特定のモンスターの駆除を頼まれた。そういえば、街でも、ファイルを探して欲しいという依頼が。本作では、こういったNPCからの頼みごとをサブミッションとして解決していく楽しみもある。時を越えて、いろいろな時代を行き来するシステムだけに、別の時間軸でしか手に入らないアイテムの入手を頼まれるなど、時空を超えてミッションをこなしていくことになるだろう。
 遺跡の先には、アトラスと呼ばれる巨人がおり、それを倒すのがこのエピソードでの最終目的。しかし、その倒し方はひとつではなく、自力で倒すか、装置を使って弱らせるかが選べる。ちなみに、道中ではアトラスにどう対処すべきかを、“ライブトリガー”によってほかのキャラクターに聞くことができる。試しにモーグリにどう思うかを聞いたところ……「セラのほうが好きクポ」というような、趣旨から外れるうえに、ノエル的にガッカリな回答が(笑)。この場合でも、それに対するノエルの反応が見られるなど、選択肢に応じたイベントが起こるようになっていた。バトルでの“シネマティックアクション”(バトル中に突如コマンドが表示され、入力に成功すると特殊技が発動したり、敵の技を避けられたりするシステム)もそうだが、どういう選択をしても、その先まで楽しめるように作られているのが好印象だ。

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 さて、ここではアトラスと直接対決をしても一撃で倒されてしまうだけなので、装置によって弱体化を図る。しかし、ここであるイベントが起こり、パーティーは異次元空間へ。正方形のパネルを組み合わせて作られた足場があり、その何枚かの上にはクリスタルらしきものが。これを全部回収して、ゴール地点まで移動するのだが……歩いたり、長時間その場にいることで、足元のパネルは落ちていってしまう。要は、ひと筆書きの容量で、クリスタルがある地点を通り、ゴールまで行くというルール。ちょっと難しいと思うかもしれないが、失敗しても何度でもやり直せるので、パズルが苦手な人でもなんとかなるだろう。
 そして装置を起動し、いよいよアトラスとの戦いへ。ここでは、先日の先行試遊会でも解説されていた“ブラッドダメージ”に苦しめられる。ブラッドダメージは、食らうと最大HPが減ってしまう状態異常攻撃。発生するたびにHP上限が削られていくうえに、解除する方法もない。戦闘が長引くほど食らう可能性も高まり、HPの最大値が減っていけば、回復が間に合わなくもなる。つまり、戦闘時間を短くするために、最適なパラダイムを選ぶことと、無駄な切り換えを抑える必要があるわけだ。また、ブレイクすることでアトラスの動きを一定時間止め、与えるダメージも増加するため、チェーンを途切れさせないことが活路となる。とはいえ、ブレイクしてからも、削れるアトラスのHPは微々たるもの。弱らせたアトラスは、最初から体力ゲージがごくわずかしか残っていないのにこのありさま。本編では、やり込みとして装置を使わないで倒すこともできるようだが、できる気がしない!
 そうこうしているうちに、やっとアトラスを撃破。ブラッドダメージの発生確率は調整されるようだが、この状態異常によって、長期化しがちだったバトルに締まりが感じられるようになった。エンカウントシステムもそうだが、本作では守りより攻めの姿勢が重要になりそうだ。試遊を通じて、バトル、探索部分ともに、本作ではプレイヤーの探究心や工夫が、より大切になってくることを感じることができた。

※文中のコマンドはプレイステーション3版のものです。

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※画面は開発中のものです。