●龍が如くスタジオの2作を語る
2011年9月15日〜18日の4日間、千葉県・幕張メッセにて東京ゲームショウ2011が開催。開催最終日の9月18日には、セガブースにて“ゲームクリエイター名越稔洋の生で乾杯!〜東京ゲームショウスペシャル〜”が行われた。こちらはニコニコ生放送の番組“なごなま”の東京ゲームショウバージョン。通常のプログラムは芸人の片山裕介(ヒカリゴケ)がMCを担当しているが、この日はちょうど片山が都合がつかないとかで、先輩であるアメリカザリガニのふたり柳原哲也と平井善之が助っ人として司会を担当、名越氏を相手に軽快なトークを披露した。
まず話題は、先日設立されたばかりの“龍が如くスタジオ”について。名越氏は「1作目の『龍が如く』以降チームで6年やっているので、できているチームワークがブランド」とスタジオ設立の理由を説明。設立時にお披露目された主要メンバー5人による写真については、「設立の証としてちゃんとした写真を撮ろうということになった。カチッとした形での決意表明です。僕たちはゲーム業界で“らしくないもの”を目指しているのですが、それが出せればいいなと思っていました」との思いが込められていることを明かしてくれた。
そして、東京ゲームショウ2011に出展されている、龍が如くスタジオ開発の2タイトルの紹介へ。1作目はPSP用ソフト『クロヒョウ 2 龍が如く 阿修羅編』で、名越氏は「前作は孤独な不良少年が主人公でしたが、本作では仲間を通して成長していく物語です。シナリオは本作も僕が書いたのですが、がんばりました」と説明。齋藤工や要潤、高知東生、大杉漣といった、アメリカザリガニいわく「実写もいけそうですね」という豪華キャスト陣を披露した。さらに、本作のテーマ曲を湘南乃風が担当することも紹介。「完全描き下ろしもいただけることになりました。できるだけ曲をいただいて、いろいろなところで鳴らしていきたいと思っています」と抱負を語った。「できるだけおまたせしたくない」という同作の発売は2012年春だ。
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おつぎはプレイステーション3、Xbox 360用ソフト『バイナリードメイン』。「ネタ的にはSFだが、ルックスがふつうではない雰囲気」(名越)という同作。もちろんターゲットはワールドワイドだが、単純に“ワールドワイドを目指す”というのが嫌で、モーションキャプチャーには外国人、その取りまとめも外国人、ただし演出は日本人という役割分担であることを説明。さらに、プロモーションに関しても、海外と日本では分けており、楽曲なども別で、「ビジョンごとに最大化をしていこうと思っています」と龍が如くスタジオの海外戦略にむけてのスタンスを説明した。『龍が如く』シリーズでそうだったように、『バイナリードメイン』でステップを踏んでいくとのことだ。キャストについては、武井咲以外あえて『龍が如く』でおなじみだった俳優を起用。これに関しては、「こんな方法論もあるかなと思った」とのこと。
「気合いを感じてほしい」という予約特典は、先着10万人に用意されたオリジナルヘッドセット。これは、『バイナリードメイン』の音声入力の楽しみを堪能してほしいとの思いによるもので、「音声入力することでどんな反応があるんだろうというところも楽しんでください」と名越氏。音声入力に対応するためのボイス量は相当なものだったようで、「声優さんは泣いていましたが、ぶち込みました」(名越)とのことだ。同作の発売日は2012年2月16日だ。
イベントの最後は、“なごなま”の名物コーナー、“名越に生で聞け!”の東京ゲームショウバージョン。まず来場者から飛び出した質問は、「『バイナリードメイン』にキャバクラは登場するのか?」というもの。これに対し名越氏は「当初はキャバクラという案もありましたが、文化的なものもフィーチャーして伝えないといけない。そういうわけで、そういうニュアンスに近いものはあります」とのこと。おつぎの名越氏のファンらしい方からの「いま着ている服の総額いくらですか?」との質問に、名越氏は「自分は服にお金をかけていまして、アクセサリーを除けば20〜30万くらいですね」と真摯に答えていた。